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2009年6月18日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・4

今日は「ジャズ喫茶で流したい」シリーズ第4弾である。ちょっと捻りを効かせた、聴いているジャズ者の方々が、「これ、何て言うアルバム」って、ジャケットを見に来るような、そんなアルバムを、ジャズ喫茶では流したい。ということで、今日は、John Lewis(ジョン・ルイス)である。

ジョン・ルイス。1920年生まれ、2001年没。ディジー・ガレスピー楽団にてデビューし、以降チャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスなどと共演。1952年にMJQ(Modern Jazz Quartet)を結成、以来、終生にわたってMJQのリーダー格として活動、ビ・バップを基調にしながら、サロン音楽的な、端正かつクラシカルな音楽性を確立した。

であるが、MJQのルイスとソロでのルイスとは、そのピアノの作風がガラッと変わる。特に、1950年代から60年代のルイスは、実に味わい深くて、僕は大好きだ。どう味わい深いか、というと、このアルバムを聴いて貰えると直ぐに判る。

『Improvised Meditations & Excursions』(写真左)、邦題は『瞑想と逸脱の世界』。邦題を見ると、物々しくて、ちょっと敬遠したくなるが、収録曲を見て欲しい。

1. Now's the Time
2. Smoke Gets in Your Eyes
3. Delaunay's Dilemma
4. Love Me
5. Yesterdays
6. How Long Has This Been Going On?
7. September Song

Improvised_med_ex

そう、ズラーッと並ぶ、ジャズ・スタンダードの数々。このジャズ・スタンダードを弾くルイスが、一番、ルイスの個性を確認することが出来て、大のお勧めである。パーソネルは、John Lewis (p), Percy Heath ,George Duvivier (b), Conny Kay (ds)。

ルイスのピアノは、至ってシンプル。ジャズ・スタンダードの持つ美しい旋律をなぞるように、しかしながら、小粋にインプロビゼーションを展開していく右手。その右手の展開の隙間に、そこはかとなく、合いの手を入れるような、左手のコンピング。曲の持つ旋律の美しさ、旋律の躍動感を前面に押し出しつつ、ジャジーな色づけを小粋につける。このシンプルさと小粋さが、ルイスのソロの時のピアノの特徴である。

そして、シンプルな展開の底に、しっかりとブルージーな雰囲気と「黒い」ビートが見え隠れして、いかに、旋律を追いやすい、シンプルなピアノだからと言って、軽音楽風な、カクテル・ピアノ風な演奏にならないところが、ルイスの優れたところ。

それから特筆すべきは、コニー・ケイのドラミング。シンバル・ワーク、特に、シンバルの音色が実に美しい。シンプルで小粋なルイスのピアノに格好のアクセントとなっている。そして、曲によって変わる、ヒースとデュビビエのベース。太くて堅実なビートを供給する。

これぞ、ピアノ・トリオの「お手本的」なアルバムの一枚です。全体の収録時間が37分弱とちょっと短いですが、逆にかえって、冗長とならずに「飽きない」、かつ、もうちょっと聴きたいと思って、2度ほど、聴き直してしまいます。とにかく、内容のあるピアノ・トリオは、繰り返し聴いても飽きない。そんな基本的なことを思い出させてくれる『瞑想と逸脱の世界』である。
 
 
 
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