やっとリマスター再発じゃ〜・2
5月29日のブログ(左をクリック)で、ご紹介したボブ・ディラン&ザ・バンドの『偉大なる復活』。やっとのことで、リマスター紙ジャケ再発で、やっと鑑賞に耐える音での復活である。まあ、紙ジャケはショボかったけどね。
実は、同日のリリースで「やっとリマスター再発じゃ〜」と叫びたくなるアルバムが、もう一枚あった。同じ、ボブ・ディラン&ザ・バンドの『The Basement Tapes(邦題:地下室)』(写真左)である。1975年にリリースされたボブ・ディランとザ・バンドのアルバム。1967年にウッドストックの「ビッグ・ピンク」と呼ばれた家で録音されたもの。
1975年、LPにて初リリース時、このリリースはショックというか、狂喜乱舞だった。僕は、アメリカン・ルーツ・ミュージックが大好きである。アメリカン・ルーツ・ロックが大好きである。この『地下室』の音は、ボブ・ディラン&ザ・バンドの宅録なんだが、アメリカン・ルーツ・ロックの骨格が見え隠れして、それはそれは滋味深い、とても味わいのある演奏なのだ。
宅録なので、別に、ボブ・ディラン&ザ・バンドは正式リリースを目論んでの録音では決して無い。絵画でいうと「習作レベル」である。正式にリリースするものではないかもしれない。取るに足らない、演奏という表現にも満たない、音の「フラグメンツ」なのかもしれない。でも、僕には、アメリカン・ルーツ・ロックを体現させてくれる貴重な音源なのだ。
そこはかと底に流れる「アイリッシュ」的感覚。そして、そこはかと底に流れる「ゴスペル」的感覚。それを、それと明確に表出することなく、ロック・ミュージックとして、仕立て上げてるセンス。当時のボブ・ディラン&ザ・バンドのセンスの良さと矜持を感じる。
確かに、商業ロックを聴き慣れた方々には「なんだこのラフな演奏は」と思うだろう。「なんだ洗練されていない、練習的な演奏を聴かせるのか」と憤るだろう。でも、それはそれで良い。そんな人は、商業ロックとして、完成されたアルバムを聴いていたら良い。
でも、この『The Basement Tapes(邦題:地下室)』は、アメリカン・ルーツ・ロックを示唆してやまない、実に魅力的なエッセンスが詰まった、素材としての演奏がギッシリ詰まっている。
アメリカン・ルーツ・ロックには限りない憧れを感じる。何時の日か、アメリカン・ルーツ・ロックをやってみたいとも思う。そんな時、これだけは外せない。これは絶対にコピーさせて貰う。そんな曲がズラリと詰まった『The Basement Tapes(邦題:地下室)』。
今回のリマスターで、楽器の分離とクオリティが一段、いや、二段三段上がった。なんだやればできるじゃないか。今までのリマスターはなんだったのか。LPに全く劣るリマスター。それしか聴けない身の不幸を強烈に感じていた2009年4月までの僕たち。でも、これからは違う。2009年5月にリリースされたリマスター紙ジャケ・バージョンがあるのだ。
いや〜「やっとリマスター再発じゃ〜、やったで〜」と大声を出して叫びたいほどの、『The Basement Tapes(邦題:地下室)』の今回の再発である。
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