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2009年5月20日 (水曜日)

Smokin' At The Half Note Vol. 2

昨日、ご紹介した『Smokin' At The Half Note』。その続編っぽいアルバム・タイトルで『Smokin' At The Half Note Vol. 2』(写真左)っていうアルバムがある。

これが、ちょっと事情が複雑で、Vol.2とは言いながら、完全な続編ではない。というか、もともと『Smokin' At The Half Note』からして、頭の2曲は、ハーフノートのライブだが、残りの曲はスタジオ録音という、ちょっとした「看板に偽りあり」的なアルバムである。

この『Smokin' At The Half Note Vol. 2』は、幾つかのアルバムに分散されていた、Wynton Kelly (p) Wes Montgomery (g) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds)のメンバーでの「ハーフノート」でのライブを集めて再編したもの。決して、『Smokin' At The Half Note』に収録されたハーフノートのライブと同一のライブ演奏の全てを集めた、いわゆる「完全盤」ではない。裏ジャケットと背ラベルを見ると「The Complete "Smokin' At Half Note"」とあるから、よけいに「ややこしい」。

収録された曲順は以下の通り。

1 No Blues  2 If You Could See Me Now  3 Willow Weep For Me  4 Impressions  5 Portrait Of Jennie  6 Surry With The Fringe On Top  7 Oh, You Crazy Moon  8 Four On Six  9 Misty

とにかく、収録された曲のセレクションが複雑怪奇で、冒頭の2曲はVol.1と同じ(1965年6月24日収録)。3曲目「Willow Weep For Me」と5曲目「Portrait Of Jennie」は、6月25日の録音。7曲目の「Oh! You Crazy Moon」は、8月13日の録音。9曲目の「Misty」は、9月17日の録音。で、これらは、クラウス・オガーマンの編曲指揮がかぶさったものから、オリジナル・フォームに直したものを収録している。

4曲目の「Impressions」は、9月17日の録音。6曲目の「Surry With The Fringe On Top」は、6月25日の録音。8曲目の「Four On Six」は、8月13日の録音。これらは、以前に加工されたことのない、オリジナル・フォームのままでの収録。
 

Wes_halfnote_vol2

 
ああ、めんどくさい。まとめると、

・6月24日から、2曲(1 No Blues  2 If You Could See Me Now)
・6月25日から、3曲(3 Willow Weep For Me 5 Portrait Of Jennie 6 Surry With The Fringe On Top)
・8月13日から、2曲(7 Oh, You Crazy Moon 8 Four On Six)
・9月17日から、2曲(4 Impressions 9 Misty)

となる(はず)。まあ、簡単に言うと、『Smokin' At The Half Note』『Willow Weep For Me』『The Small Group Recordings』に分散収録されていた、Wynton Kelly (p) Wes Montgomery (g) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds)のメンバーでの「ハーフノート」でのライブをオリジナル・フォームにして、再編再発したもの、だということ。

6曲目の「Surry With The Fringe On Top」などは、ウェスの笑い声まで聞こえる、実にライブ感溢れるものだが、ウィントン・ケリーのソロはカットされたまま。曲によっては、不自然にフェードアウトされていたりと、再編再発盤の割には、どうも未だに「良く判らん」アルバムです。どういう編集方針をしてるんだ。そもそも、これらのライブ録音の大本となったマスターテープはどこにいったんだろう。

でも、ウェス・モンゴメリーのギターについては、Vol.1同様に、超絶技巧、鬼気迫るフレーズとリフの嵐。天才の仕業としての「オクターブ奏法」が炸裂している。ウェスは全て鬼気迫るものがあり、バックを務めるウィントン・ケリー・トリオも大健闘。冒頭の2曲はVol.1と同じですが、このVol.2も是非手に入れておきたいですね。

特に、4曲目の「Impressions」、コルトレーンの超絶技巧な演奏が有名な曲ですが、この速いテンポの曲を、カッ飛びながら、ドライブしまくるウエスのギターは、もう「圧巻、まいりました」の一言。この1曲だけでも、このアルバムは「買い」かもしれない。
 
 
 
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