フェイセズのデビュー・アルバム
我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」にアップすべく、1970年代のロッド・スチュワードのアルバムを順番に聴きまくっている。ロッド・スチュワードといえば、ソロになる前に、幾つかのグループを経由している。
有名どころとしては、第1期ジェフ・ベック・グループ。そして、フェイセズ。フェイセズは、スティーヴ・マリオットがハンブル・パイを結成するためスモール・フェイセズから脱退し、残されたロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズの三人にジェフ・ベック・グループからロッド・スチュアート、ロン・ウッドが加わり結成された。
今回は、そのフェイセズを採り上げる。そのフェイセズのファーストアルバムが『First Step』(写真左)。但し本アルバムの初回プレスは、まだSmall Faces名義で、それ以降nジャケットには、Facesの名が掲げられた。だから、正式には、アルバムの初版には「Small Faces」となっている。
さて、このフェイセズのファーストアルバム、後の「酔いどれロックンロール・バンド」と呼ばれた、独特の「ダルで、ラフで、底がタイト」なノリは「まだまだ」だが、その片鱗がところどころ覗くところが、なかなかに味わいがある。しかし、曲によっては、サイケデリックな曲や、アコースティック・ロックの様な、ちょっとフォーキーな味わいの曲もあり、アルバム全体の印象はちょっと散漫。
そんな中、ロッド・スチュワードのボーカルと、ロン・ウッドのリード・ギターは秀逸で、この2人が軸になっていることには疑いは無い。逆に、もともと、スモール・フェイセズの残された3人の存在はちょっと希薄で、恐らく、このバンドは長続きしないことを暗示している。
それでも、そこはかとなく漂う「ダルで、ラフで、底がタイト」なノリの部分は魅力的。そのノリに乗ったロッドのボーカルは、実に活き活きとしている。しかも、ロッドのボーカルは、相当に「上手い」。そして、ロン・ウッドの個性的なリフ。ちょっと濁った泥臭さの残るロックなリフは、ロン独特のもの。ロッド好みのR&B的なノリも加えて、フェイセズは独特のロックンロール的雰囲気を形作って行く。
アルバム演奏のあちらこちらに、ぎこちない部分が残るファースト・アルバムですが、後の展開を期待させるに十分な内容になっています。ロック界随一と言われる酒量の多いバンドとしても知られ、「酔いどれロックンロールバンド」の片鱗がそこかしこに見られるのが、このアルバムの最大の魅力でしょう。
そして、一聴して感じる「ブリティッシュな」音の雰囲気、音の響き。これが「堪らない」。もしかしたら、このアルバムの最大の魅力は、「ブリティッシュな」音の雰囲気、音の響きなのかもしれない。
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