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2009年5月19日 (火曜日)

ウェスを愛でたくなった・・・

最近、アルバムを購入する時、ジャズ・ギターのアルバムを購入する確率が高くなっている。それもそのはず、ジャズのアルバムのコレクションを始める時、何を唄っているのか、リアルタイムに判らないジャズ・ボーカルを排除し、ギターは弾くことはできるんだが、ジャズ・ギターは次元が違う。劣等感に苛まれて、ジャズ・ギターは最低プライオリティになった。

自分で弾くことの出来るピアノ。吹くことの出来るサックス。これが最高プライオリティ。一応、それらの楽器は演奏できるので、ジャズ・ミュージシャンの演奏がどれだけ優れているのか、実感を持って追体験できる。よって、ジャズ・ピアノとジャズ・サックスは得意なジャンルである。

さて、その最低プライオリティのジャズ・ギターである。昨晩、突然に、ウェス・モンゴメリーが聴きたくなった。それも、あの鬼気迫る「オクターブ奏法」が聴きたい。ということで、今日選んだのは『Smokin' at the Half Note』(写真左)。パーソネルは、Wynton Kelly (p), Wes Montgomery (g), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。1965年6月の録音。

タイトル通りの、ハーフノートのライブ録音は、LP時代のA面、冒頭の2曲のみがライブ録音。残りの3曲(LP時代で言うとB面)はスタジオ録音になっています。う〜ん、紛らわしいタイトルやなあ。でも、ライブ録音もスタジオ録音も、ウェス・モンゴメリーのギターについては、超絶技巧、鬼気迫るフレーズとリフの嵐。特に、彼の専売特許「オクターブ奏法」については、ライブもスタジオも無い。天才の仕業としての「オクターブ奏法」が炸裂している。

1曲目の「オール・ブルース」のウェスの鬼気迫るリフだけが脚光を浴びがちなアルバムであるが、とんでもない。他の4曲も、ウェスは全て鬼気迫るものがあり、バックを務めるウィントン・ケリー・トリオも大健闘している。
 

Smokin_at_the_harf_note_5

 
逆に1曲目の「オール・ブルース」は、ウェスのベスト・パフォーマンスのひとつだろう。執拗に繰り返されるリフ。印象的な「オクターブ奏法」の炸裂。堅実なチェンバースのベース。そして、跳ねるような、それでいてブルージーな、ジミー・コブのドラミング。どれを取っても、文句のつけようが無い。

ウィントン・ケリーのピアノは控えめながら、ファンキーで叙情的なタッチで、フロントのウェスを引き立てる。ケリーとしては、決して絶好調のピアノではない。でも、ファンキーで健康優良児的なジャジーなアプローチは、ウィントン・ケリーならでは。

とにかく、このアルバムのメインはウェス。ジャケット上のメンバー表記の体裁順からすると、ウィントン・ケリー・トリオ、ウエス・モンゴメリーの順だか、そんなのは関係無いくらいウェスは「かっ飛んでいる」。録音年は1965年。時代は、コルトレーンを象徴的リーダーとしたフリー・ジャズとマイルスに代表される様な「伝統の中での最大限の自由=モード」が拮抗した時代。そんな時代に、ハード・バップの最高峰をいく演奏。爽快です。

ライブのウェスは、スタジオ録音の1.5〜2倍の疾走感と超絶技巧感がある。ウェスの真骨頂は、ライブ録音を経験するのが一番だ。加えて、このライブ・アルバムにおいては、演奏表現が実に豊かである。ライブA面2曲目の「If You Could See Me Now」などは聴いていて常に思う。とにかく美しい。ウェスもケリーも実に美しいソロをとる。本当に美しい。

『Smokin' at the Half Note』では、ライブ録音とスタジオ録音で構成されているが、どちらの収録についても、ウェスのアドリブ、フレーズ、リフ、インプロビゼーションについて、ウェスのそれは「唯一無二」である。ライブ録音、スタジオ録音とも、甲乙付け難い、実に難度の高い「インプロビゼーション」である。

とりわけ、この時期のウェスは、鬼気迫る、テンション溢れる、超絶技巧な演奏のピークであったということだろう。ウィントン・ケリーのファンキーなピアノに触発されたということではないと思う。逆に、ウェスがケリーを触発したといってもいいほど、ウィントン・ケリーの方が、この時期においては、いつになく元気である。

ウェスのオクターブ奏法を愛でるのに、この『Smokin' at the Half Note』は避けて通れない。
 
 
 
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