ピアノ・トリオの基本形
さあ、今日から5連休。でも、昔から「GWは遠出はしない」という了解が家にはあるので、今年もノンビリ過ごそうか、って感じです。近場で日帰りのウォーキングはあるかな、と思いますが、やっぱり、今年もノンビリです〜。
今日も朝からノンビリ。昼ご飯ネタを買いに、嫁はんと散歩がてら買い物に出たんですが、いや〜良い季節ですね。風も適度にあって、日差しは少しきつい位なんですが、暑くもなく寒くもなく、このGW辺りが一番季節の良い時。やっぱり、人混み、渋滞を経験しに遠出するよりは、ノンビリ。近場を散歩したほうが、ストレス解消になる。
さて、午後からは、うつらうつらしながら(笑)、ジャズを聴く。この連休はまとまった時間がとれるので、日頃、なかなか聴かないアルバムを引きずり出してきて聴く。今日は、Bud Powellの『Jazz Giant』(写真左)。前半6曲目までは、Bud Powell(p)、Max Roach(ds)、Ray Brown(b) による、1949年の録音。 7曲目以降はベースが Curly Russell に替わっての1950年録音。
バドのピアノは、実にストイックである。ビ・バップは、そのコード・チェンジの複雑さの上に、超絶技巧なテクニックが特徴。それを瞬間芸の様に、約3〜4分間の演奏に凝縮する。ミュージシャンの芸術的な技巧を愛でるのが、ビ・バップの流儀。
このアルバムでも、バドのテクニックは素晴らしい。とにかく手が回っている。そして、ずっと聴き進めていると、後のジャズ・ピアノに良くある「耽美的」「リリカル」「叙情的」「チェンジ・アンド・ペース」「アレンジの妙」等については全く無縁であることに気が付く。
この『Jazz Giant』では、ジャズ演奏の基本である「コード進行・コードチェンジに則って演奏する」こと、ジャズ演奏の大前提である「優れた演奏テクニック」を基にインプロビゼーションを披露すること、そして、ピアノのバックで、リズムセクションが効果的なバッキングの妙を聴かせること。いわゆる、ピアノ・トリオの基本形をふんだんに聴くことができる。
このアルバムには、「耽美的」「リリカル」「叙情的」「チェンジ・アンド・ペース」「アレンジの妙」等の「贅」の部分は全く無い。贅肉をそぎ落とした、ピアノ・トリオの根幹的な演奏だけがそこにある。しかも、瞬間芸的な、短時間での演奏の凝縮による「テンションの高さ」にも、ジャズの基本を感じる。
ジャズ初心者の方には、その「贅」の部分が全くそぎ落とされた、実にテンションの高い、実にトンガッたトリオ演奏なので、かなり取っつきにくいかと思います。が、このバド・パウエルのピアノ・トリオが、現代のジャズ・ピアノ・トリオの根幹をなすものですので、「何が基本か」ということを理解する上でも、この『Jazz Giant』などは、ジャズ者として、ジャズを本格的な趣味として、聴き進めていく上では、避けて通れない、教科書のようなアルバムです。
そんなこと考えながら聴いていたら、気が付かない間に3回も繰り返して聴いてしまった(笑)。これも、5連休の時間の余裕のなせる技ですね。
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