こだわり無く、ノンビリ聴く
長年、ジャズを趣味にしていると、いろいろと組織だって、あるミュージシャンを集中して聴いたり、あるテーマを基に、アルバムを聴きこんだりするんだが、そんな聴き方を続けていると疲れてくる。時々は、聴きたいアルバムを抜き出して、頭の中を空っぽにして、こだわり無く、ノンビリとジャズを聴く。
今日は、Jackie McLean Featuring Dexter Gordon『The Meeting』(写真左)。アルト・サックス奏者のジャキー・マクリーンと渡欧中のテナー・サックス奏者、デクスター・ゴードンとの唯一の共演ライヴ盤。1973年7月20日、デンマークはコペンハーゲン、ジャズハウス「モンマルトル」でのライブ録音。2枚に分散収録されたアルバムの1枚目。
ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Dexter Gordon (ts), Kenny Drew (p), Niels-Henning Orsted Pedersen (b), Alex Riel (ds)。う〜ん、なかなかの布陣である。
マクリーンのアルトは、一聴して直ぐに判る。丸く真っ直ぐな音なんだが、音程が少し外れて、ちょっとテンポがずれている感じが「ジャキー・マクリーン」である。クラシックの世界だと絶対に落第点だろうな。でも、ジャズの世界では、これが個性として輝くから面白い。
メンバーは皆、絶好調である。このアルバムの実質上のリーダーは、マクリーンであるが、実際はデクスターと双頭アルバムである。マクリーンも絶好調だが、デクスターも絶好調。
どミディアム・テンポの軽快な曲、3曲目の「Rue de La Harpe」では、マクリーンのアルト・ソロから始まるが、マクリーンとデクスターが徐々に互いに触発しあって、ヒート・アップしていく様が実に良い。ジャズを感じる瞬間である。
さすが、名手マクリーンとデックス。バラードも素晴らしい。5曲目「Sunset」はバラード。始まりはマクリーンとデックスのユニゾンによるテーマ。広がりのある展開、美しいバラード演奏。歌うように、慈しむように歌い上げていく、マクリーンのアルトとデックスのテナー。
ニールス・ヘニングのベースが絶好調。超絶技巧のベースソロが堪能できる。ドリューのピアノも地味ではあるが、確実なサポート。リールのドラムスは、ちょいと叩きすぎの感があるが、フロントの二人に、これだけ煽られては、もう叩きまくるしかないよな(笑)。
ジャズの紹介本には、あまり採り上げられませんが、いいライブ・アルバムです。アーティスティックに洗練されているとは言えませんが、ジャズ独特の熱気溢れる、音の塊のような演奏は、やはり堪えられませんなあ。やっぱりジャズって良いですね〜。
こだわり無く、ノンビリ聴く。そんなジャズ鑑賞も心地良い。マクリーンの技とデックスの歌心に「舌鼓」ならぬ「耳鼓」(笑)。
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