最近のトラックバック

« 異色のライブ・アルバム | トップページ | ピアノとギターの相性 »

2009年3月 1日 (日曜日)

上手の手から水が漏れる

久しぶりにロックのお話しを。最近、ジェフ・ベックとエリック・クラプトンが来日して、なかなかのライブを披露しているらしい。見に行きたいな〜、と思う反面、めんどくさいな〜と思ったり(歳ですかね)、なかなか複雑な心境の「松和のマスター」です(笑)。

最近、そのジェフ・ベックの正式リリースのアルバムの蒐集がコンプリートしたので、まとめて、ちょくちょく聴き直している。90年代以降のアルバムについては、ジェフのギター職人ぶりに、もう「感動」に次ぐ「感動」で、唯一無二の、時代を超えたエレキ・ギターに痺れっぱなしである。

そんな中、失敗作の誉れ高い、1985年リリースの『Flush(フラッシュ)』(写真左)を聴く。名作『There and back』から5年を経て。やっと新作がでるぞ~とファンの期待を一身に背負ったリリースだった。しかし、その内容は「???」。あ〜、ジェフも終わったな〜、と思ったのを覚えている。それから、24年(約四半世紀!)を経過して、実に久しぶりに、この『フラッシュ』を聴き込んだ。

確かに、冒頭の「Ambitious」を聴くと「これは違うな〜、ベックとは違うな〜」と思います。サウンドの雰囲気が全然ベックらしくない。今の耳で聴くと、思いっきり古さを感じる、当時流行のリズムパターン。ギンギンのギターが耳につく。当時もそう感じましたが、24年経って、改めて今の耳で聴いても、抑揚のない通俗的なサウンドです。まあ、ベックのギターはギンギンに加工された音色の中にも、ベックらしさが光る「アドリブ瞬間芸」が感じられるのが救いですが。
 

Jeff_beck_flash

 
しかし、とにもかくにも、ボーカルが弱すぎる。ロッドの参加部分は別格として、ジミー・ホールなる者が歌っている、若しくはベック自らが歌っているものは、どう聴いても良いとは思えない。こんな中途半端なボーカルを入れるんなら、入れない方が「まし」だと思う。過去、BB&Aなどで、ジェフはボーカルの扱いで失敗しているのになあ。同じ失敗を2度繰り返されると、かなり辛い。

いやはや、アルバム全体を覆う雰囲気は、80年代の「音楽として不毛な時代」の、デジタル・打ち込み・ビジュアル優先、という「三悪」に負けて、迎合してしまった、70年代ロックの代表的ミュージシャンの「戸惑い」ですね。90年代に入る頃には「我が道を行けば良い」ということに皆気づくのですが、この80年代は、迷いに迷っている。ジェフも人の子なんですね〜。

でも、改めて聴き直してみると、良いトラックもある。3曲目「Escape」、4曲目「People Get Ready」、9曲目「You Know,We Know」などは優れた内容だと思うので、このアルバムの全てが悪い訳ではないようです。特に、ロッドとの再会セッションで話題を振りまいた「People Get Ready」は、今聴いても良いですね〜。とにかく、牧歌的なイントロで「ジーン」として和んでしまいます。こういったカントリー&フォーキーな楽曲に、からきし弱いので、今聴いても、なんとなく心が「ジーン」とします(笑)。
 
アルバムのジャケットも「らしくない」、変だ、ジェフではない、と思います。ジェフ自身も、「あれは失敗だった」と、このアルバムを酷評しており、確かにジェフの正式リリースのアルバムの中では、一番出来が悪い、といっても良いでしょう。

この『フラッシュ』を聴くと、いつも頭に浮かぶ諺が「上手の手から水が漏れる」。ジェフにこんなアルバムを作らせてしまう。それだけ、80年代のロック・シーンは不毛だった、ということが言えるのかもしれません。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

« 異色のライブ・アルバム | トップページ | ピアノとギターの相性 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/28423645

この記事へのトラックバック一覧です: 上手の手から水が漏れる:

« 異色のライブ・アルバム | トップページ | ピアノとギターの相性 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ