Jeff Beckの70年代の傑作
我が千葉県北西部地方は、今日は朝から台風の様な南風。そして、思ったよりも強い雨。大荒れの週末である。午後も予報は外れて意外とまとまった雨が残り、夕方には北風に変わって、少し冷え込みだした。でも、寒の戻りはもう無いだろうな。
さて、Jeff Beck(写真右)をまとめて聴き直しているのだが、今日聴いて、その内容に改めて感心したのが『There and Back』(写真左)。LP時代は、エンボスのかかった凝ったジャケット。ご存知の方も多いと思いますが、このジャケは、Jeffのギターケースを接写したもの。なかなか格好良いロゴである。
この『There and Back』は、70年代の『Blow By Blow』,『Wired』と併せて、「インスト三部作」と呼ばれているシリーズの最終作。最終作らしく、アナログ録音時代のJeff、いわゆる70年代ロックの時代、この『There and Back』は、Jeff Beckの70年代の傑作アルバムだと思う。
収録されているどの曲が良いとか悪いとか、という次元で議論されるアルバムでは無い。収録されている全ての曲の出来が実に良いのだ。しかも、曲毎のアレンジが良く、バリエーションに富んでいて、それぞれの演奏の出来は全く持って申し分無く、アルバム全体を通して聴いていても、飽きが来ることが全く無い。加えて、『Blow By Blow』,『Wired』と比して、曲毎の出来不出来についてバラツキがかなり少なく、先の2枚より「安定して聴けるアルバム」というところだろう。
冒頭の「Star Cycle」から、ラストの「Final Peace」まで、淀みなく流れるように、違和感なく、全ての曲が楽しめます。Jeffのギターは、攻撃的かつ創造的なのは、いつものことながら、実に安定している。その安定度合いは、Jeffの残したアルバムの中でも指折りのものである。
ロックの歴代の傑作アルバムの中で、ヴォーカル無しのインスト・アルバムとしては、最高の出来でしょう。インスト・アルバムと聞くと、当時、同時代に一世を風靡した「ジャズ・フュージョン」を思い浮かべるのですが、この『There and Back』は、フュージョン・アルバムでは無い。
ビートが違う、ノリが違う、フレーズが違う、リフが違う。『There and Back』は、正真正銘、ロックのアルバムである。そこが、このアルバムの面白さ。どこから聴いても、フュージョンでは無く、ロックのインスト・アルバムだということが、直ぐに判ることろがこのアルバムの優れた部分のひとつである。
最後に、余談というか思い出話になりますが、冒頭の「Star Cycle」はテレビで、そう、金曜日の新日本プロレス中継で、BGMとして使われていました。確か、次週以降の対戦カード紹介のバックに流れていたんではないかしら。そうそう、当時のアナウンサーは古館一郎だったはず。当時、その事実を目の当たりにした時、「この名演をこんな放送(当時のプロレスファンの方々・ゴメン!)のバックに流すのか〜」と、目が点になったのを覚えています(笑)。
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