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2009年3月31日 (火曜日)

初心者向けのコルトレーン・3

ブルーノートと言えば、ジャズのレーベルの中で、最高のレーベルとして君臨している。そのブルーノート・レーベルから出ているコルトレーンのリーダー・アルバムは一枚しかない。まあ、当時、コルトレーンもいろいろと問題を抱えていた訳で、それでも、たった一枚でもブルーノートに、リーダー作が残ったというのは、実に幸せなことである。

この唯一のリーダー・アルバムが『Blue Train』(写真左)。ブルーノートの1577番。パーソネルは、Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), John Coltrane (ts), Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。1957年9月15日の録音である。

この『Blue Train』は、コルトレーンのリーダー・アルバムとしては、ちょっと珍しい部類に入る。コルトレーンはセッションというセッションに「実験、チャレンジ、鍛錬」を持ち込むことが常なミュージシャンである。しかし、この『Blue Train』は違う。実に良く練られた、しっかりとリハーサルを積んだ印象が強く感じられる、演奏全体の「構築美」が美しい。

これぞ、ブルーノートの成せる技。プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、録音前にリハーサルを欠かさない。リハーサルにギャラを払うくらいだ。それだけ、演奏の完成度を求める。このブルーノートで、さすがのコルトレーンも「実験、チャレンジ、鍛錬」という訳にはいかなかったのだろう。それだけ、実に良く練られたアルバムである。演奏の破綻もなく、メンバーも皆、迷い無く、溌剌と演奏している。

冒頭、表題曲「Blue Train」の前奏部分の「ユニゾンの美しさ」。「待ってました」と言わんばかりに飛び出すコルトレーンの雄々しくストレートなテナー。リー・モーガンの神がかったトランペトが、なんとも凄い迫力で迫ってくる。ファンキー・ムード満点、解放感いっぱいのハード・バップ・ジャズ。

Blue_train

そして、2曲目の「Moment's Notice」が良い。印象的な疾走感のあるテーマ。そのテーマをコルトレーン、モーガン、フラーの3管で颯爽とユニゾンしていく。アドリブ部に入ると、もう、皆、伸び伸びとインプロビゼーションを繰り広げて、凄い迫力と爽快感。

収録曲の中で唯一のスタンダード、4曲目の「I'm Old Fashioned」では、後のアルバム『バラード』で聴かれる「テナー・サックスの中〜高音域だけで、繊細で優しくエモーショナルにジャズ・バラードを表現する」テクニックが聴いてとれる。ビブラートの無い、ストレートなコルトレーンのテナーの特徴的な音色と共に、いや〜惚れ惚れとするバラードである。

コルトレーンのリーダー作にはどこか求道者的な色彩がつきまとう。そして、コルトレーンはセッションというセッションに「実験、チャレンジ、鍛錬」を持ち込むことが常なミュージシャンである。この「求道者的」+「実験、チャレンジ、鍛錬」という側面が、ジャズ初心者にとっての「コルトレーン」を難しくさせる。

でも、この『Blue Train』は違う。良く練られた、良くリハーサルされた、迷いのない、溌剌とした、ファンキー・ムード満点、解放感いっぱいのハード・バップ・ジャズだ。しかも、ハードバップ特有の「音の力強さ」もふんだんに感じられて、このアルバムは、ハードバップ時代を代表する一枚だろうし、初心者向けのコルトレーンの一押しの一枚である。

このアルバムを聴く度に思う。いや〜、ジャズって良いね〜、ハードバップって良いね〜。これぞ、ハードバップ、聴けば判る(笑)。
 
 
 
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