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2009年2月25日 (水曜日)

プログレも「ぶっ飛ぶ」内容

70年代ロックについては、プログレからドップリ浸かったので、70年代のプログレについては、造詣が深いつもりである。ロックの世界では「プログレ」は超絶技巧のテクニックで、明らかにアカデミックな内容を誇るのであるが、ジャズの世界に照らし合わせると、劣勢は否めない。

最近、ミシェル・ペトルチアーニやジョン・コルトレーンなど、純ジャズのハードな世界を聴きまくっていたので、さすがに「耳休め」のアルバムが聴きたくなる。通常は、70年代ロックに走るのだが、今回は、70年代フュージョンのシンセ・フュージョンに走る。

Billy Cobham(ビリー・コブハム)の『Inner Conflicts』(写真左)を聴く。gにJ.スコフィールド、S.カーン、hornにブレッカーBros.、E.ワッツ、bがA.ジョンソンで、keyにはD.グロルニック。参加メンバーが凄い。でも、固定メンバーを中心としたバンド的な演奏では無く、ゲスト・メンバーを要所要所に使っての、名実共に、ビリー・コブハムのソロ・アルバムである。
 

Inner_conflicts

 
1曲目のシンセサイザー・ファンク・ジャズが凄まじい。70年代のプログレも「ぶっ飛ぶ」勢いである。2曲目の「Muffin Talks Back」、3曲目「Nickels and Dimes」、4曲目「Barrio」は、目眩くエレクトリック・ファンク・フュージョンのオンパレードで、聴きやすく、ノリのある、なかなかの内容で、やっぱり、ジャズ畑出身のロック的演奏は凄い。

そして、ラストの「Arroyo」は、再び、シンセサイザー・ファンク・ジャズに戻って、シンセサイザーの使い方などなど、その内容は素晴らしいの一言。ジャズのジャンルでこれだけシンセサイザーを駆使する演奏というのは、当時の環境では例を見ない。フュージョンの世界でも、これだけあからさまに、シンセサイザーを前面に押し出した演奏は例を見ないので、なかなか正統な評価を得られ無いのは仕方の無いこと。

でも、シンセサイザーを駆使している70年代プログレの演奏と比べると、このビリー・コブハムの『Inner Conflicts』が、如何に優れているかが判る。その「肝」は何か。それは、シンセサイザーの演奏を支えるバックの「ビート」である。ジャズで鍛えられた、正確で粘りのある「ビート」が、シンセサイザーの旋律の底辺を支える。そこが「肝」なのだと僕は睨んでいる。
 
 
 
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コメント

ビリー・コブハムの「Inner Conflicts」はとても懐かしいアルバムです。
私は70年代後半のこの時期、友人に「一緒にバンドをやらないか?」と誘われたこともあり、突如ドラムという楽器に強い興味が湧きました。^^
当時の日本はジャズ&フュージョンブームの時代で、そちら系の人ではスティーヴ・ガッド、ハーヴィー・メイソン、そしてこのビリー・コブハムが世界三大ドラマーという感じでよく音楽雑誌などでも取り上げられ話題にもなっていました。
そこで、「ビリー・コブハムのアルバムでも何か買って聴いてみるか・・・」と思って初めて買ったのがこの「Inner Conflicts」というアルバムです。
このアルバムは長年CD化されていませんでしたが、ワーナーミュージック・ジャパンの「FUSION BEST コレクション1000」のサイトの方へ商品化してください、とリクエストなどしてみましたらその後「日本初CD化」ということが実現!(影響があったのか無かったのかは不明 笑)漸くCDでもこのアルバムが聴けるようになりました。
ビリー・コブハムのアルバムとしてはあまり昔から話題になることが無い地味な作品ではありますが、個人的には思い出のある大好きなアルバムだったりします。このアルバムについて取り上げてくれる人がいてとても嬉しかったです。感謝!

追伸、最近ジャズピアニストの佐藤允彦さんが1980年頃、当時の日本の若手ミュージシャン等と結成して活動していたフュージョン系のバンド、佐藤允彦MSB(佐藤允彦とメディカル・シュガー・バンク)の2枚のアルバム「MSB」と「MSB two」が初CD化されて発売されたのでとても懐かしくて聴いていたりします。
佐藤允彦MSBはとても興味深いサウンドで、当時の日本のフュージョン系のアルバムの中では隠れた名盤と言える作品だと思います。
期間生産限定盤としてのリリースなのでまもなく生産終了となってしまうかも知れませんが、もしも興味を持たれましたならぜひ一度MSBの2枚のアルバムをお聴きになってみてください。(個人的にはセカンドアルバムの「MSB two」が特にお薦めのアルバムです)

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