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2009年2月14日 (土曜日)

いや〜、今日は暑かった

いや〜、今日は暑かったですね〜。僕の住む千葉県北西部地方では、最高気温が25度。朝方、にわか雨が降ったみたいでしたが、天気予報は、これまた案の定外れて、午前中は全く雨が降らないどころか、日差しが降り注いでいる。

それでは、ということで、近くの大型ショッピングセンターまで、散歩がてらに買い物へ。気温が20度位までは上がるという予報だったので、春は3月下旬の出で立ちで家を出る。10分ほど歩いて、既に日差しがきつい。暑い。嫁はんと「これって、4月中旬って感じだよね」。汗が出る。長袖シャツ一枚で十分な暖かさ。ほんまに今2月かいな?。

異常に暖かい中、汗をかきながらも、なかなか美味そうな芋焼酎を手に入れ、単行本用の日本風のオシャレなブックカバーも手に入れ、ハワイ名物のサンドウィッチなどを食して、ご満悦な中、CDの安売りに出会う。在庫処分の新品CD、レンタル落ちのCDが、なんと一枚「500円」。これは物色しない手は無い。ジャズを中心に探す。

レンタル落ちのCDでも、ジャズのジャンルになると借りる人はほとんど無く、新品同様の状態で、レンタル落ち処分で出てくることが多い。今回もそうだった。これは、と感じたアルバムをレンタル落ちで2枚ゲット。

その一枚が、ケイコ・リーの『キッキン・イット(Kickin' It)』(写真左)である。プロデューサーにベテラン名プロデューサー、ジョン・サイモンを迎えてのセカンド・アルバム。ファースト・アルバムと同様、ニューヨーク録音。まさか、このアルバムがレンタル落ちとは言え、500円で手にはいるとは・・・。嬉しいなったら、嬉しいな。

 

Kickin_it

 

このアルバム、欲しかったんやな〜。ファースト・アルバムの『イマジン』を聴いて、ぶっ飛んだのが1995年。それ以来、ケイコ・リーについては常に注目している。日本人ジャズ・ボーカルの中では、突出した才能であり、突出した個性で、特に女性ジャズ・ボーカルの世界で、世界に通用するのは彼女だけだろう。

そんな彼女のセカンド・アルバム。バックのサポート陣も、リー・ロスネス(ピアノ)、ロン・カーター(ベース)、リー・コニッツ(アルト・サックス)辺りが目を惹く。そんな充実したバックを従えて、ケイコ・リーは淡々と上質のジャズ・ボーカルを聴かせてくれる。

ケイコ・リーのボーカルは、歌うだけでジャジーな雰囲気が漂う程の「良い声」をしている。しかも音程がしっかりしており、声量も豊富。その豊富な声量をセーブしながら、叫ぶようにでは無く、8割の力で「抑制の美」を前提とした、「ほど良いテンション」のボーカルを聴かせてくれる。

加えて、スタンダードの解釈が良い。今まで、名だたる先輩が歌い上げてきたジャズ・スタンダードの定盤アレンジを敢えて採用せず、実に斬新で個性溢れるアレンジを採用している。特にそれが如実に表れているのが、7曲目の「The Man I Love」。通常はスローなバラードなんだが、ここでは速いテンポでのジャジーな表現が斬新。

そしてラストの「God Bless the Child」のケイコ・リーの堂々たる歌いっぷりはどうだ。声量タップリ、抑制が効いて、ジャジーな雰囲気が溢れ、情感タップリに歌い上げていく。そしてバックのピアノ、リニー・ロスネスの、これまた抑制の効いた、ファンキーなピアノ伴奏が光る。

バックと言えば、ベースのロン・カーターは、このアルバムではなんとかピッチも合っていて、印象的な低音で、ロンの個性溢れるベースを聴かせる。ケイコ・リーのボーカルのバックを努めているんだ、という意識があったんだろう、前へ出る「出しゃばり」な面もここには無い。でも、ロンとしては控えめなんだろうが、逆にその控えめなベースが、印象的なベースの音色と共に、しっかりとした存在感を示しているのだから、ジャズって不思議。

バックも良い。でも、やっぱり、このアルバムの主役はケイコ・リー。その独特なハスキーなボーカルで、全編に渡って、心地良いジャジーな雰囲気に包まれる。そして、彼女の卓越したテクニックのボーカルとストレートな表現が、新しいジャズ・ボーカルの響きを僕たちに伝えてくれる。良いアルバムです。中古品一掃セールのお陰ですね。
 
 
 
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