ファンキー・ジャズの愛聴盤
動機はともあれ、ファンキー・ジャズをとっても聴きたい精神状態なので、ファンキー・ジャズ三昧の毎日である。昨日は、Nat Adderley(ナット・アダレイ)のアルバムをご紹介した。今日は、ナットの兄貴、アルト・サックス奏者の Cannonball Adderley(キャノンボール・アダレイ)のアルバムをご紹介したい。
『74 Miles Away』(写真左)。1967年の作品。ファンキー・ジャズ・ブーム、真っ只中。パーソネルは、Nat Adderley (cor, vo) Cannonball Adderley (as) Joe Zawinul (p, el-p) Victor Gaskin (b) Roy McCurdy (ds)。後のスーパーバンド、Weather Report の Joe Zawinul(ジョー・ザビヌル)の参加が目を惹く。
そのザビヌルが作曲した4曲目「74 Miles Away」が素晴らしい出来である。実にアーティスティックなファンキー・ジャズなんだろう。ファンキー・ジャズの本質である「俗っぽさ」と「過剰な粘り」を、しっかりと踏襲しつつ、実にアーティスティックな響きを持つ、優れた出来の楽曲と演奏である。
この「74 Miles Away」を聴くと、やはり、ファンキー・ジャズは良い。やはり、ファンキー・ジャズは立派に「純ジャズ」の範疇に留まっている、と思う。この「74 Miles Away」は、ファンキー・ジャズの名曲、名演のひとつではないか。初めて聴いた時、ビックリしたのを覚えている。
そして、冒頭の「Do Do Do (What Now Is Next) 」の、最高に「俗っぽい」、最高に「猥雑で、過剰なノリ」に、ファンキー・ジャズの真髄を感じる。単純にエンターテインメントを追求した、オーバー・ファンクなノリ。うねうねと腰をくねらすようにアルトを吹き上げるキャノンボール。その官能的なノリに呼応する聴衆。熱気溢れるパフォーマンス。
高中音域を中心に吹き上げることの出来るアルト・サックス。アルト・サックスがファンキー・ジャズのシンボルかな。そして、キャノンボールのアルトは、そのファンキーさに「黒さ」と「俗っぽさ」と「熱気」を含ませる。ファンキー・ジャズの巨匠。キャノンボールは僕のお気に入りである。
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