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2009年2月26日 (木曜日)

Akiko Graceのピアノって

寒い一日。我が千葉県北西部地方は、2月の中旬は観測史上初の夏日も含めて暖かい日が多かったが、2月も終わりになって、鉛色の空と寒い日が続いている。まあ、2月下旬〜3月中旬の千葉県って、南岸低気圧の影響で、雪がふったり、寒い日が続いたりするので、慣れていると言えば慣れてはいるが...。

さて、ジャズの演奏では、カルテット(4人編成)やクインテット(5人編成)等々、数人で組んでのバンド演奏が主であるが、編成が少なければ少ないほど、そのアルバム・リーダーのミュージシャンとしての本質が露わになってくる傾向が強い。

究極の小編成が「ソロ」(一人だけ)で、これこそ、演奏するミュージシャンはひとりなので、一番にそのミュージシャンの本質が露わになるかと思いきや、なかなかそうならないところが音楽の面白いところで、他に影響する人がいないので、ソロのミュージシャンは、結構我が儘に振るまうことが出来る。つまり、ソロは、そのミュージシャンのグループサウンドを前提として本質が出てこないので、ちょいとバランスの悪い編成である。

では、ソロとしての本質とグループサウンドを前提としての本質の両方が現れ出て、そのミュージシャン本質を掴みやすい編成というのは「デュオ」(2人編成)若しくは「トリオ」(3人編成)だろう。

最近、レンタル落ちで、Akiko Grace(アキコ・グレース)の『WOWOW wave2 JAZZ Street ~The Duo+』(写真左)を手に入れた。アキコ・グレースが持っているラジオ番組から生まれた1枚で、タイトルをご覧頂ければ判るが、ラジオ番組のゲストとのデュオ曲集なのだ。
 

Akiko_grace_duo

 
ヴァイオリン、ギター、フルート、サックス、ベース。それぞれ、ラジオ番組のゲストとのコラボレーションなので、それぞれ、演奏の雰囲気から全体を覆う音のカラーが違っていて、実に楽しいアルバムである。加えて、デュオ編成の演奏ばかりが集められたアルバム故に、アキコ・グレースのピアノの本質が明快に出ていて、実に興味あるアルバムに仕上がっている。

アキコ・グレースのジャズ・ピアノは、意外に過去のジャズ・ピアニストの影響を受けていないように見受けられる。敢えて言うなら、ビル・エバンスの流れを汲むということになるのだろうが、タッチは硬質で、ジャズ独特の粘りが少ない。一聴するだけだと、クラシックのピアニストがジャズ・ピアノをやっている感じなのだ。

クラシックのピアニストがジャズをやる、というパターンで有名なピアニストに、アンドレ・プレビンがいるが、このプレビンに似ている。端正で硬質で粘らないタッチが特徴で、音の重ね方響きがクリア。それでいて、インプロビゼーションのノリは「ジャズ」のノリであるが、あからさまなノリでは無く、実に奥ゆかしいノリなのだ。この辺りが、アキコ・グレースのジャズ・ピアノの本質ではないかと、このデュオアルバムを聴いていて思った。

最近、新譜として『PIANORIUM』という四季折々のテーマが盛り込まれた書き下ろしの新曲を、スタインウェイのピアノで奏でるという、ソロ・ピアノ集をリリースした。このピアノのスタイルと響き、ノリがアキコ・グレースのソロとしての本質なんだろう。

『WOWOW wave2 JAZZ Street ~The Duo+』ではとグループサウンドを前提としての本質が良く判り、アキコ・グレースのピアノは、過去のジャズ・ピアニストの影響が少ない、新しいジャズ・ピアニストとしてのスタイルを持っていると思う。まだまだ時間はかかるとは思うが、先が楽しみなピアニストの一人であることは間違いない。

ガーン、ゴーンと弾きまくるだけがジャズ・ピアノでは無い。ジャズは、奥が深く、幅が広い、包容力のある音楽ジャンルの一つなんだから...。これはジャズではない、これはジャズである、と決めつける必要は無いと思いますね〜。アキコ・グレースのピアノの「これから」を見守って行きたいと思います。 
 
 
 
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