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2009年1月18日 (日曜日)

隠れた名盤は意外と沢山ある

ジャズの世界は意外と広くて深い。ジャズの入門本やアルバムの紹介本で紹介されている、名盤、佳作の類はほんの一部、氷山の一角であって、隠れた名盤ってやつは意外と沢山ある。だから、ジャズのアルバム蒐集って趣味は面白いってこと。

今回、出会った隠れた名盤は『ダンディズム』(写真左)。日本ジャズ界のジャズ・ギターの雄、渡辺香津美とジャズ・ピアノの雄、小曽根真(写真右)のデュオである。

このアルバムに惹かれた動機は1曲目の収録されている「スペイン」という曲の存在。以前にもこのブログで書いたとは思うが、僕はこの曲が大好きで、この曲を含むアルバムは、見境なく購入してしまう傾向にある。その傾向の中で、有無を言わせず即ゲット。
 

Dandyism

 
で、このデュオ・アルバム、「スペイン」はとにかく健闘している。日本人ジャズ・ミュージシャンがこのスパニッシュ色濃厚な、この演奏難易度の高い「スペイン」をここまで弾きこなすとは思わなかった。

ちょっと堅さが気になるが、スタジオ録音っていう環境もあるだろう。ライブで聴きたい。日本ジャズのミュージシャンのレベルもいよいよ世界レベルになってきたなあ、ということを実感する。

全編通じて、非常に生真面目で、日本人らしさを感じる、素敵なデュオです。もう少しノリが欲しいなあというところもありますが、それだけ、ギターとピアノのデュオは難しいということ。ここまで出来れば御の字です。逆に、ビル・エバンスとジム・ホールの『アンダーカレント』というアルバムは奇跡に近い成果と言えると思います。

「平成の『アンダーカレント』と呼ばれれば嬉しい」と渡辺香津美はのたもうたらしいが、なるほど、それだけの内容がある素敵なデュオである。いや〜、良いものを聴かせてもらった。このアルバムも隠れた名盤の一枚である。
 
 
 
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コメント

以前からブログの読者ですが、初めて書き込みをさせて頂きます。
スペインのカバーは、数あれど(吹奏楽ものも含めると)ですが、私の好きなテイクを紹介します。
 この小曽根さんと香津美さんのテイクも好きですが、紹介なさってるので除外します。
収録アルバムのみ(うる覚えな部分もありますが…)、列挙しますと、①ミッシェル・カミロとトマティートの『スペイン』(00年?)、②向井滋春の『FOUR TROMBONES』(04年)、③ビル・ワトラスの『マンハッタンの動物園』(70年代ですが、アメリカ空軍のビックバンドのアレンジに近いです。)、④角田健一ビックバンド『サバンナ』(97年)、⑤トルヴェール・クヮルテット with 本多俊之の『HIGH FIVE』(97年) 、⑥海上自衛隊東京音楽隊の「スペイン」(編曲:山木幸三郎)、⑦あんみつ(安藤正容とみくりや裕二とのユニット) etc.ですが。⑥は、近年にも録音されてますが、『ポピュラーコンサート』(03年)のテイクが好きです。
 近年、パット・メセニーの曲を⑤のような編成でアレンジしたCDを発見しまして、広島を中心に活動しているサックス四重奏 Carrefour Saxophone Quartetが演奏しています。これも良かったです。

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