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2009年1月21日 (水曜日)

たまには「空振り」もある・・・

長年、ジャズのアルバムをコレクションしていると、たまには「空振り」もある。買う前には、ちょっと吟味して「これは」というものをゲットするように心がけてはいるんだが、時折「すけべ心」が出て、失敗することが、たまにある。

今回の「空振り」は、Eddie Henderson(エディ・ヘンダーソン)の『Manhattan In Blue(邦題:黄昏色のマンハッタン)』(写真左)。邦題の「黄昏色のマンハッタン」を見て、これは胡散臭いなあとは思っていたんだが・・・。

エディ・ヘンダーソンの名誉の為に言っておくが、エディ・ヘンダーソンが悪いのではない。このアルバムのプロデュースが悪いのだ。おおよそ、日本のレコード会社に言い含められたのだろう。結果、なんだか訳の分からないアルバムになってしまっている。

エディ・ヘンダーソンのトランペットが、とにかく変。ミュートはマイルス・デイビスの様に吹き、オープンはフレディ・ハバードの様に吹く。といって、どちらの場合も中途半端。心から進んで、こんなペットを吹いているとは思えない。とにかく、聴き手に迎合する吹き方なのだ。誰が言い含めたんだ?

バックもなんだか判らん。中途半端で煮え切らない、消化不良の様なハードバップのリズム。パーソネルを見れば、ピアノはケヴィン・ヘイズ (Kevin Hays) 、ベースがエド・ハワード (Ed Howard)、ドラムスはルイス・ナッシュ (Lewis Nash)ではないか。

Eddie_manhattan

このメンバーでこのリズム・セクションは無いだろう。型にはまった、煮え切らないリズム・セクション。これではフロントも盛り上がらんだろう。

そして、このアルバムのひとつの「売り」「サプライズ」が、フュージョン・アルトの雄、グローヴァー・ワシントン JR. (Grover Washington Jr.) の参加。かのフュージョンの名盤『ワインライト』をリリースし、「クリスタルの恋人たち」で一世を風靡した、伝説のアルト・サックス奏者である。このフュージョン・アルトの雄が、ソプラノ・サックスを携えて、純ジャズのセッションに参加しているのだ。

で、結果は「イマイチ」。実にショボいソプラノである。聴いていて「がっかり」する。これは完全にミスチョイス。企画としては「これはいけるぜ」と思ったんだろうが、結果は×。それでもリリースしてしまうところが日本のレコード会社らしい。恐らく、ライオン率いるブルーノート・レーベルだったら、いや、他のジャズ・レーベルでも、これは「お蔵入り」ではないか。

ずら〜っと並ぶ、日本人好みの「ど」スタンダード曲のオンパレード、そして、雰囲気優先の邦題「黄昏色のマンハッタン」。どうしてこうなるんだろう。「売りたい気分」丸見えである。それでも「空振り」してしまうんだから、とにかく反省。僕も偉そうに言えたものではない。

パーソネルを見渡すと、なかなかの陣容なのに、この「スカスカ」の、全く引っかかりの無い内容はない。「日本人ジャズ・ファンの好み」という型にはめて、音の出し方からリズムまで、事細かに指示した結果だろう。演奏の水準はまずまずなのに、このメンバーなのに、もうちょっと、なんとかなったのでは・・・。

完全なプロデュース・ミスである。世界のジャズ・ファンに、これが日本人のジャズ・プロデュース能力だと思われたら困るなあ。しかも、スイングジャーナルの「ゴールドディスク」に選定されているとは恐れ入った。

最後にもう一度言うが、演奏メンバーの責任では無い。プロデュースする側の問題だ。いかに優れたミュージシャンでも、良いプロデュースが無いと、優れた才能も台無しになる、『Manhattan In Blue(邦題:黄昏色のマンハッタン)』は、そんな「好例」である。
 

 
 
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