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2009年1月14日 (水曜日)

味のあるキャノンボールを愛でる

ジャズの入門書やそのミュージシャンの紹介記事にも、ほとんど顔を出さないアルバムだけれども、自分の中で、密かに愛聴しているアルバムがある。

このキャノンボール・アダレイの『Cannonball Takes Charge』(写真左)。ハードバップ全盛期の1959年4月の録音。パーソネルは、Cannonball Adderley (as) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds)。アルトのキャノンボールに、ケリーのピアノ・トリオがバックについた、いかにもハードバップらしい布陣である。

ワンホーン・カルテットということもあり、キャノンボールの歌心が満喫できる。曲目もスタンダード中心で、聴きやすく魅力的。キャノンボールは、軽やかにノリのいいアルトを満喫させてくれる。いや〜、ホントに上手いですね。しかも歌心もあり、そこはかとなく漂うファンキーの香りも芳しく、心からスカッとしますね。

過去、上手すぎるとか、健康優良児っぽい「明るすぎる」アルトとか、ファンクの商人などと、とかく陰口を叩かれがちなキャノンボールであるが、絶対にそうではない。
 

Takes_charge

 
上手くてどこが悪いのか。憂いを帯びていなくて「明るすぎる」などと誰が言うのか。ファンキーさが受けて、ヒットして売れてどこが悪いのだろう。どうも過去のジャズメンに対する評価は屈折していていけない。ジャズに何か途方もない別の何か求めていたんだろう。

2曲目のバラード「 I Guess I'll Hang My Tears Out To Dry」を聴いて欲しい。フレーズの美しさ、愁いを帯びたダルな雰囲気も良い。キャノンボールの引きずるような感じのアルトが癖になる。キャノンボールは、脳天気なアルトでは無い。これだけ優れた演奏が出来る、数少ない伝説のアルト奏者なのだ。

収録されているどの曲も聴いても、惚れ惚れするわ、楽しいわ、ノリノリになるわ、グッと聴きこむわ、どの曲もアピール・ポイントがしっかりとあって、良い出来の演奏ばかりです。気軽に聴ける割に、聴くとどんどん引き込まれて、ついつい聴きこんでしまう、磁力のような不思議な魅力のあるアルバムです。

バックのウィントン・ケリーを始めとするピアノ・トリオも良いバッキングをしています。特に、ケリーは、ハッピースインガーな面をグッと押さえて、シックにまとめているところがニクイ。

決して、ジャズの入門書やキャノンボールのアルバム紹介には、なかなか顔を出さないアルバムですが、お勧めです。キャノンボール・アダレイは優れたアルト奏者です。このアルバム一押しです。
 
 
 
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