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2009年1月31日 (土曜日)

ジャケットは「?」だけど...

「ジャケ買い」という言葉があるが、全てが全て、優れたアルバムに、優れたジャケット・デザインを採用している訳では無い。「逆ジャケ買い」っていう状態もある訳で、まあ確率の問題っていう感じかな。

今回手に入れた、レッド・ガーランドの『I Left My Heart...』(写真左)もその一枚。ジャケットだけ見れば「これはなあ〜、あかんなあ〜」という感じで、ちょっと触手が伸びない。でも、iTunes Storeなどのダウンロード・サイトは便利なもので、30秒程度だけど「試聴」できる。この30秒の「試聴」が優れものなのだ。

この『I Left My Heart...』については、冒頭の「Will You Still Be Mine」を聴いて、「もしかしたら、このアルバムって良いかも」と思ってダウンロードしたら、これが「当たり」。

レッド・ガーランド、1955年より、マイルス・デイヴィスのバンドでの活躍が有名。左手のブロック・コードに、右手のシングルトーンという独特のスタイルで「ガーランド節」と呼ばれる。プレステイッジ・レーベルにも多くのリーダーアルバムを残す一方、サイドメンとして、多くのセッションに参加している。が、1962年に一旦引退。1970年代半ばにカムバックしたが、1984年心臓病のため死去している。

この『I Left My Heart...』は、「ガーランド節」が堪能できる、なかなかの内容のアルバムである。パーソネルは、Red Garland(p), Chris Amberger(b), Eddie Moore(ds), Leo Wright(as)。1978年5月、サンフランシスコのKeystone Kornerでのライブ録音、聴衆の暖かい反応など、ライブとしての雰囲気も実に良い感じ。
 

I_left_my_heart

 
ちなみに、LP時代は、A面はトリオ,B面にはアルトのLeo Wrightをゲストに迎えての演奏と区分けされていた。CDでは当然、そんな区分けは無いが、分けて聴いた方がそれぞれの演奏スタイルをじっくり楽しめるので、CDで聴くにしても、分けて聴いた方が良いでしょう。

実は、このアルバムでビックリしたことがあって、ガーランドの右手のシングルトーンのタッチが、ハンマーで打ち付けるように強いのだ。相当強く叩いている。故に、初めて、このアルバムを聴いた時、冒頭の「Will You Still Be Mine」を聴いた時、最初はガーランド本人とは思わず、ガーランドの若手フォロワーかと思ったくらいだ。

でも、タッチは強くても「ガーランド節」は健在。特に、フロントにアルトのLeo Wrightを据えての、バッキングに回ったガーランドは実に素晴らしい。伴奏時の能力の高さを再認識する位の素晴らしいバッキング。う〜ん、道理でマイルスが採用するはずやなあ、フロントの楽器を引き立てながら、自らの主張をしっかりとする。なかなか、こんな芸当の出来るジャズ・ピアニストは少ない。

ブルージーな「Bag's Groove」も良い雰囲気。でも僕が一番好きなのは「Please Send Me Someone To Love」。品格のあるバラードである。右手のタッチは若かりし頃より「強い」。その強いタッチに、ガーランドの矜持を感じる。実にエッジの立った、潔さを感じるスロー・バラードである。
 
良いアルバムだと思います。CDジャケットは「?」だけれど、内容は良い。「逆ジャケ買い」の一枚ですね(笑)。1950年代のレッド・ガーランドの優れたアルバムを複数枚所有していて、晩年のガーランドを聴いてみたい、という方に是非お勧めです。ジャズ喫茶でかかりそうな「隠れた佳作」です。
 
 
 
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