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2008年12月 5日 (金曜日)

不思議に「ねじれた」個性派ギター

最近の純ジャズのジャンルでの、エレクトリック・ギタリストの中で、好きなギタリストと言えば、パット・メセニーとジョン・スコフィールドである。まあ、パットとジョンスコが「純ジャズ」か、という部分で、異論のある方もおられるかと思うが、僕の中では、このパットとジョンスコは、歴とした「純ジャズ」エレクトリック・ギタリストである。

ジョン・スコフィールド(以下ジョンスコと略す)。1951年、オハイオ州デイトン生まれ。1974年、バークリー音楽院卒業。ビリー・コブハムとジョージ・デュークのバンドに参加。1983年、マイルス・デイヴィス・グループに加入。アルバム『スター・ピープル(1983)』『デコイ(1984)』『ユア・アンダー・アレスト(1985)』に参加、ディヴィスのグループのメンバーとしてツアーに1985年の夏まで同行。と、錚々たる経歴の持ち主である。

僕がジョンスコと出会ったのは、1985年リリースの『Still Warm(邦題:鯔背)』(写真左)。邦題の『鯔背』というのが気になって手に取ったのがきっかけ。マイルス・グループに所属していたのは知っていたので、彼のマイルス・グループを経験してのソロ・アルバムってところが興味津々。

ジョンスコのギターは、不思議に「ねじれた」というか、ちょっと外れた、というか、とにかく一聴するだけで「ジョンスコ」と判る、とても個性的なギターです。なんて表現したらいいのかなあ。まず、音色が唯一無二。そして、インプロビゼーションでの音の選び方、音の使い方、音の重ね方がちょっと変。間の取り方とリズムが独特。う〜ん、言葉にはしにくいジョンスコのギターです。一度、聴いたら判るですけどね〜。
 

Still_warm

 
で、この『Still Warm』、良いんですよね〜。ジョンスコとしては、あまりトンガっていなくて、ソフト・アンド・メロウな雰囲気が実に聴きやすい。それでいて、不思議に「ねじれた」というか、ちょっと外れた、彼独特の音の選び方、音の使い方、音の重ね方、間の取り方は、しっかりと体験することができます。どの曲も良い雰囲気です。優しくて攻撃的なジョンスコの個性的なエレクトリック・ギターの音色が、徹底的に楽しめます。

D.グロルニック(key)、O.ハキム(ds)、D.ジョーンズ(b)といった面々がバックを固めていて、このバックとの相性が抜群です。このリズム・セクションをバックに、ジョンスコは弾きまくっています。でも、弾きまくっている、って感じがしないのが、ジョンスコのテクニックの凄さだと思います。結構、複雑なことをやっているんですけどね。

エレクトリック・ギターがベースの、エレクトリック純ジャズの世界ですが、十分に個性的で十分にジャズ性を保っているところが「ニクイ」。さすが、マイルスがチョイスしただけのことはある、ワン・アンド・オンリーな、エレクトリック純ジャズ・ギタリストだと思います。

わざと音を外したフレーズは、独特の緊張感を提供し、ず〜っと聴いていたら、ふとアルトサックスの雄、ジャキー・マクリーンを思い出しました。やっぱりジャズって、正統なテクニックに裏打ちされた「個性」が大切なことを再確認した次第。やっぱり、ジョンスコって良いですよね〜。
 
 
 
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