そろそろ決着を着けなければ
この一年、いろいろな角度から聴き続けてきたバンドがある。クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(略称CCR)である。このバンドがどうしても気になって、彼らのアルバムを聴き続けてきた。
CCRは、アメリカ南部特有の泥臭いサウンドを持ち味としたサザンロックの先駆者的存在、とされているが、そうなんだろうか。1968年にスワンプロック(南部のロック)のカバー曲「スージーQ」がヒット、当時ヒッピー文化が全盛だったサンフランシスコでは異色の存在として脚光を浴びる、とあるがそうなんだろうか。
すべてのスタジオアルバムとライヴアルバムが見事に復刻され、CD約1枚分におよぶCCR結成以前の音源も入った6枚組ボックス盤(写真左)をiPodに放り込んで、ちょくちょく聴いてきたんだが、このCCRって、サザンロックじゃないやろ〜。
デビュー・アルバム『Creedence Clearwater Revival (1968)』から『Bayou Country (1969)』『Green River(1969)』の3枚は、音の作り、ボーカルの雰囲気ともに、サイケデリック・ロックの雰囲気が色濃く出ている。ヒッピー文化において、アメリカン・ルーツ・ミュージックを踏襲する流れというのは、CSN&Yもそうしたように、当時のロック・バンドの流行だった。スワンプロックの「スージーQ」をカバーしたのは、その流行に乗っただけのような気がする。
今回、CCRを聴き込んで判ったのは、CCRの本質は「サイケデリック・ロック」だということ。特に、John Fogerty(ジョン・フォガティ)のリード・ギターのフレーズ、Stuart Cook(ステュアート・クック)のベース・ラインは、「サイケデリック・ロック」雰囲気が色濃く出ている。
4枚目の『Willy and the Poor Boys (1969)』から、アメリカン・ルーツ・ロックを大胆に採り入れて、サウンドの広がりを求めるが、どうしても、リード・ギターのリフやフレーズ、ベース・ラインに「サイケデリック・ロック」独特の雰囲気が強く出てしまい、どうしても新しい展開には至らない。
でも、これがCCRの個性であり、面白さなんだよな〜。70年代ロックの新しい音に乗り切れない、1960年代後半のヒッピー文化を色濃く引きずったCCRは、サンフランシスコのロック・シーン、ひいては西海岸ロック・シーンの中で、実に個性的な存在だったことが窺い知れる。
4枚目『Willy and the Poor Boys (1969)』、5枚目の『Cosmo's Factory (1970)』は、サイケデリック・ロックからの脱皮を図ろうとするCCRではあるが、70年代ロックの新しい音に脱皮しきれない、CCRの苦悩、というか不器用さが見え隠れして、なんだか頼りなさそうでもあり、なんだか時代遅れの個性が逆に面白かったりする。
そして、解散までのラスト2枚『Pendulum (1970)』『Mardi Gras (1972)』に至るのであるが、実は、この2枚が、僕にとってはCCRのベストだったりするのだが、その話はまた明後日に。
明後日って何、と思った方は、実に注意深い方ですね。そう明日は今年最後の忘年会。恐らく午前様になるので、明日のブログはお休みします。
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