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2008年12月28日 (日曜日)

「トホホ」なジャケットだけど...

「ジャケ買い」という言葉がある。「ジャケ買い」の意味は、良いジャケット・デザインのアルバムにハズレは無い、という経験則である。特に、ジャズ鑑賞の世界では、この「ジャケ買い」信奉が強い。確かに、ジャズのアルバムの世界においては、優れた内容のアルバムほど、ジャケット・デザインが秀逸である。

しかし、その経験則の当てはまらないものだってある。というか、ジャズの世界で「ジャケ買い」の正反対で、なんでこんなに「トホホなジャケット」なんだと、そのジャケット・デザインが呆れるほど「トホホな」アルバムほど、その正反対にその内容が優れているってことが多い。いわば「外れジャケ買い」である。

このCurtis Fuller(カーティス・フラー)の『Imagination』(写真左)も、その「トホホなジャケット・デザイン」最右翼の一枚(笑)。キリコの様な、ダリの様な、シュールリアリズム風のイラストなんだが、その描きっぷりのイージーさと、なんだかだらしなく楽器がぶら下がっているのが、実に「トホホ」である。しかし、である。このジャケット・デザインにビビってはいけない(笑)。これが、なかなかの内容のアルバムなんですよ。

本作はフラーのリーダー7作目。1959年のリリース。Blue Note からデビューしたのち、Savoy移籍後の1作目である。そうか、だから全編に渡って、覇気溢れる演奏を繰り広げているんやね。そう、全編に渡って、ポジティブで覇気溢れる演奏が素晴らしい、これぞハードバップと喝采をあげたくなるような、絵に描いたようなハードバップ的演奏である。

Imagination

ややオリエンタルな雰囲気の前奏が印象的な「Kachin' 」から始まる。このオリエンタルな雰囲気というのも、ハードバップ全盛時代の特徴。様々な音楽の要素をジャズは柔軟に融合していく。2曲目の「Bang Bang」は、ハイテンポで超絶技巧な音世界。フラーの超絶技巧な演奏テクニックが堪能できる。トロンボーンって、こんなに速く演奏できる楽器だったのか、と感動すら覚える。

3曲目の「Imagination」は、打って変わってスローテンポのバラード。肺活量が必要なトロンボーンは、スローな演奏には骨が折れる楽器のひとつなんだが、そんなことは微塵も感じさせずに、フラーは、スローなテンポで、ロングトーンを揺るぎなる吹き通していく。格好いいぞ、フラー。

パーソネルはと見れば、Curtis Fuller(tb), Thad Jones(tp), Benny Golson(ts), McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Dave Bailey(ds)。ピアノのMcCoy Tyner(マッコイ・タイナー)の参加が目を惹く。それとベースのJimmy Garrison(ジミー・ギャリソン)もである。この二人、後に、コルトレーン・カルテットのリズムセクションを担うことになる。

4曲目の「Blue De Funk」とラストの「Lido Road」では、ゴルソン・ハーモニーが楽しめます。ゴルソン・ハーモニーとは、テナーサックスで参加のBenny Golson(ベニー・ゴルソン)のアレンジの特徴のこと。ゴルソンは作編曲も得意なサックス奏者で、ユニゾン部、ハーモニー部の楽器の音の重ね方が、彼独特の響きを醸す出すので、いつ頃からか「ゴルソン・ハーモニー」と呼ばれるようになったそうです。

最後、余談になるが、全編に渡って、ベニー・ゴルソンがいつになくハッスルして、結構巧みなテクニックでテナーを吹き切っている。これって僕にとっては驚きで、ゴルソンって、作編曲には才能のあるミュージシャンだけど、演奏テクニックとなると「ちょっとなあ」って印象だったので、このアルバムでの溌剌とした、テクニック溢れるゴルソンにはビックリした。
 
 
 
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