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2008年11月10日 (月曜日)

音楽の世界は広い...と思った

寒い。寒いぞ。11月の上旬というのに、この寒さはもう「冬」やないか。う〜ん、風邪をひかんようにせんとな。この寒さは全国的みたいなんで、皆さんも風邪などひかないよう、気をつけて下さいね。

さて、このところ、アル・ディ・メオラ(Al Di Meola)をちょくちょく聴く。米国はニュージャージー州生まれ。1974年にチック・コリア率いる「リターン・トゥ・フォーエヴァー」(Return To Forever)に参加し、1976年の解散まで在籍。ラテン風味のプレイが最も特徴的。加えて、超絶技巧なギター・テクニックについては「ダントツ」。

そのアル・ディ・メオラの『Land Of The Midnight Sun(邦題:白夜の大地)』(写真左)を聴く。アル・ディ・メオラの初リーダー作。なかなかに豪勢な内容で、曲ごとにミュージシャンを変えた豪華さ。キーボードにチック・コリア、ベースにスタンリー・クラーク、ジャコ・パストリアス、ドラムにスティーブ・ガッド、レニー・ホワイトらの大物ミュージシャンが多数参加。そんなバックを従えて、アル・ディ・メオラは超絶技巧のギターを披露する。

このアルバムを聴く度に思い出す。このアルバムを初めて聴いたのは、大学に入ったばかりの時。友人宅でこのアルバムを聴いた。それまでの僕は「ロック小僧」。インストルメンタルの演奏、インプロビゼーションは、プログレッシブ・ロックが一番だと思っていた。イエスやキング・クリムゾンの変則拍子、変幻自在なインプロビゼーションが最高の演奏だと思いこんでいた。
 

Land_of_the_midnight_sun

 
そんな僕に、このアル・ディ・メオラの『Land Of The Midnight Sun』である。冒頭の「Wizard」にビックリ。印象的なリフ、メロディアスな旋律、超絶技巧なインプロビゼーション。「これはいったいなんなんや〜」。ぶっ飛んだ。プログレが一番と思っていた自分が小さく見えた。音楽の世界は広い。これは凄い演奏や、これは凄い内容や、と唖然とした。

友人が言った。「これって、ジャズとロックの融合で、クロスオーバー、最近ではフュージョンと呼ばれるジャンルの演奏なんやで」。おお、これがフュージョンか。クロスオーバーという言葉は知っていた。クロスオーバーとして紹介された、デオダートやハービー・ハンコックは知っていた。けど、このアル・ディ・メオラの『Land Of The Midnight Sun』は別次元の音だった。

アル・ディ・メオラのギターの正確な速弾きは圧巻。どの曲もエキゾチックな曲想ですが、アル・ディ・メオラの特徴であるラテン風味な要素は、ほんの少しだけ。まだ、チック・コリア率いる「リターン・トゥ・フォーエヴァー」の音の雰囲気を引きずりながら、アル・ディ・メオラならではの音世界を模索中って感じ。でも、その初々しさが、これまた良い。聴いていて爽快で、心地よさ一杯。その「爽快感」がこのアルバムの最大の良さである。

音楽の世界は広い。このアルバムを友人から聴かされた思った。ジャズ、フュージョンという未知の世界が目の前にある。これは面白いと思った。大学に入ったばかりの頃、ジャズ、フュージョンの世界に迷い込むきっかけとなった、記念すべきアルバム達の中の一枚である。
 
 
 
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