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2008年11月 9日 (日曜日)

70年代ツアー・ライブの名盤

昨日よりも更に冷え込んだ日曜日。午後からは時雨。東京・千葉では、最高気温は、13度までしか上がらなかった。これはもう冬である。どんより曇った空。鬱陶しいことこの上なし。なんとなく、物寂しい日曜の夕暮れである。

ちょっと景気付けがしたくて、久しぶりに、70年代ロック・ライブの名盤の一枚、ジョー・コッカー(Joe Cocker)の『Mad Dogs & Englishmen』(写真左)を聴く。レオン・ラッセル(Leon Russell) の人脈を最大限に生かし、ボーカリストのJoe Cocker をサポートした、いわば2人の金字塔的なライブアルバムです。

1970年に行われた『Mad Dogs & Englishmen』ツアーの記録で、ニューヨークのフィルモア・イーストでライヴ録音されたものです。このツアーは、レオン・ラッセルを中心に、総勢43名ものオールスター・メンバーのバンドを組織し、57日間で65のステージを行う凄まじいツアーだったそうです。舞台裏には、酒とドラッグが蔓延していたそうですが、演奏そのものは素晴らしく、70年代ツアー・ライブの名盤の一枚でしょう。

全てが、数ヶ月で計画され、組織され、実行され、放棄され、空中分解したツアーだったそうで、興行的には大問題のツアーだったみたいです。でも、ライブ録音全体を覆う、当時、ロック流行のスタイルであった「スワンプ」色が、実にロックっぽくて良いです。
 

Joe_cocker_mdaem

 
特に面白いのは、ビートルズの名曲「She Came in Through the Bathroom Window」を始めとする、「Something」「Let It Be」「With a Little Help from My Friends」 のスワンプ化。見事に「スワンプ化」されていて、実にファンキーで、ゴスペルチックです。

この『Mad Dogs & Englishmen』については、通常盤とデラックス盤が出ていますが、もちろん、お勧めは、デラックス盤です。まず収録曲数が全然違う。通常盤未収録曲を含めて26曲。通常盤が、確か14〜5曲だったと思うので、10曲以上も多い。当日のライブ公演をほぼ網羅した完全盤でしょう。リタ・クーリッジの「スーパースター」などは、リタのボーカルの音程が外れまくっており、ちょっと聴くのに忍びない音源もあるんですが、他の未収録曲は概ね良好です。

バンド全体の演奏のテクニックも、1970年という時代を考えると「良好」です。当時のライブ音源は、バンドのテクニックがショボくて、記録としては良いけど、鑑賞に耐えないライブが多々あったのですが、この『Mad Dogs & Englishmen』は及第点。デラックス盤はCD2枚分ですが、十分に鑑賞に耐えます。

スワンプ好き、アメリカン・ルーツ・ロック好きの方々には、お勧めのライブ・アルバムです。スワンプ色、ゴスペル色溢れる演奏は堪えられません。Disc2の7曲目「Give Peace a Chance」なんか、完全にゴスペルです。滋味溢れる、ファンキーなゴスペルを味わって下さい(笑)。

このアルバムは、まだロックが商業化する前、ロックの好きなミュージシャンが集まって、ロックの好きな聴衆と交歓する。そんな「純な」時代のロック・ツアーの記録と言えるでしょう。人の根幹をなす「ひたむきさ」と「欲望」が見え隠れする、そんな人間味溢れるライブ・アルバムです。
 
 
 
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