鹿男あをによし
昼から順調に天気は崩れて、夕方には、徐々に雨の匂いがしてきた、我が千葉県北西部地方。明日は雨やなあ。月曜日の朝からの雨は精神的に嫌やなあ。カーペンターズのヒット曲「Rainy Days And Monday(雨の日と月曜日は)」にもあったよな。Rainy days and mondays always get me down。
さて、今日は音楽の話題から離れて、ちょっとDVDの話を。我が家はあまりテレビドラマに凝る家ではない。月9なんてほとんど見ないし、話題のドラマも設定が面白いな、と思わない限り触手が伸びない。まあ、テレビ局にとっては扱いにくい家なんでしょうね。
そんな我が家が、今年「はまった」テレビドラマがある。2008年1月17日から3月20日まで、フジテレビ系で毎週木曜22:00~に放映された、玉木宏主演の連続テレビドラマ『鹿男あをによし』。男性小説家・万城目学の小説を原作にした、コメディ・ファンタジー・タッチのドラマである。
このテレビドラマに注目した理由は、ドラマの設定。ネタバレになるので簡単に言うと「奈良の女子高に赴任した教師が奈良公園の鹿に命を受け、日本の滅亡を防ぐために奮闘するファンタジー・ドラマ」。奈良公園の鹿が絡む、という設定が良い。そして、タイトルの「あをによし」が良い。奈良の枕詞、最近ではなかなかお目にかからなくなった。
そして、最初の第一話を見て「はまった」。「マイ鹿」のくだりで爆笑。この「マイ鹿」話については、僕も学生時代からの「得意ネタ」で、この「マイ鹿」話から「奈良市民、みんな鹿」説まで展開し、史実を織り交ぜて、なぜそうなったのか、を史学的にも論証し、それはそれは壮大な奈良物語に仕立て上げてました。当時、我が大学の史学科の「裏の成果」とも言えましょう(笑)。
このドラマ、とにかく面白かった。奈良が舞台。それも考古学の世界。僕の得意ジャンルである。「鹿男あをによし」では、箸墓古墳は出てくるわ、黒塚古墳は再登場、橿原考古学研究所は出てくるわ、奈良文化財研究所はでてくるわ、三角縁神獣鏡はでてくるわ、「邪馬台国と卑弥呼と三角縁神獣鏡の関連」もでてくるわ、もうウハウハである。
ドラマの展開も良い。奈良特有の懐かしさと鹿・狐・鼠とその運び番達が大地震の鎮めの儀式をつかさどるという童話世界が楽しい。でも視聴率が10%前後だったのが不思議です。
「こんなに面白いドラマなのに何でだ!?」と思っていたら、全ドラマを収録した『鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版』(写真左)が、この7月に出た。ちょっと高額なので躊躇していたのだが、欲しくて仕方が無い。特典映像も興味をそそる。で、遂に手に入れてしまいました。
原作の小説「鹿男あをによし」(写真右)も面白いですよ。藤原君が男性の設定で、ちょっと戸惑いますが、原作の方が余計な演出が無くてシンプル。適度な長さで、面白くて、読み易い調子の文章ですから、一読をお勧めします。
さあ、この秋は「鹿男あをによし」を全話、見直すのだ。楽しみやなあ。箸墓古墳、黒塚古墳、橿原考古学研究所、奈良文化財研究所、三角縁神獣鏡、邪馬台国、卑弥呼、めくるめく考古学の世界、ファンタジーである。
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