最近のトラックバック

« レッド・ツェッペリン Ⅳ | トップページ | 初リーダー作は「元気溌剌」 »

2008年10月13日 (月曜日)

クオン・ヴー『残像』

3連休も最終日。この3連休は、どこにも出かけずに近場でブラブラ。ちょっぴり体調が優れないこともあるが、ノンビリ、ユタッリの3連休である。

ノンビリ、ユッタリの3連休であるからして、ゴロゴロしながら、音楽については結構聴いたなあ。日頃、聴けないアルバムを中心に聴けたのは、この3連休の成果。

それでは、この3連休に聴いたアルバムで、印象に残ったアルバムについて語りましょうか。まずは、クオン・ヴーの『It's Mostly Residual(邦題:残像)』(写真左)かな。

そもそも、クオン・ヴーとは誰か。6歳の時にアメリカに移住したという経歴を持つ1969年ヴェトナム・サイゴン生まれのトランペット奏者。パット・メセニー・グループの正式メンバーに抜擢され、2002年の『Speaking Of Now』、2005年の『The Way Up』に参加、それぞれのワールド・ツアーで来日も果たしている。

そんな彼が、2005年12月にリリースした4枚目のリーダーアルバムが、この『It's Mostly Residual(邦題:残像)』。パーソネルは、Cuong Vu (tp) ,Tsutomu Takeishi (b) ,Ted Poor (ds) ,Bill Frisell (g)。

このアルバム、ジャケット・デザインのイメージと、パット・メセニー・グループの正式メンバーだという印象だけで聴くと、大きく期待を裏切られてしまうかもしれない。このアルバム全体に流れるのは、クオン・ヴーの叙情性と、それに相反するような先鋭性、凶暴性である。
 

Cuong_vu

 
冒頭の「残像 (It's Mostly Residual)」を通して聴けば良く判る。出だしはパット・メセニー・グループの演奏を彷彿させる叙情性豊かな演奏。でも、パット・メセニー・グループの様な、広く包み込む様な、包容力のある叙情性では無いのだ。

なにか奥に潜む「暗さ」というか、緊張を強いるようなドロドロした感情が底に流れる叙情性なのだ。そして、中盤に差し掛かる辺りから、クオン・ヴーの先鋭性、凶暴性が顔を出す。叙情性の中に感じる、緊張を強いるようなドロドロした感情が、この「先鋭性、凶暴性」の予告だったか、と理解する。

そして、2曲目の「Expressions of Neurotic Impulse」で、ブッたまげる。テンション溢れる、フリーな演奏。クオン・ヴーの先鋭性、凶暴性がタップリと体感出来る。それにしても、テンションの高い、実に高度なフリー・インプロビゼーションである。クオン・ヴーの演奏力とリーダー力に感心する。

以下、3曲目以降、ラストまで続く4曲についても、音の傾向は同じ。緊張を強いるようなドロドロした感情を内包した叙情的な演奏と、その後にやって来る先鋭的、凶暴的なフリー・インプロビゼーション。アルバム全体を通して鑑賞するには、ちょっと疲れる内容ではある。

このアルバムは、クオン・ヴーの音楽観、演奏スタイルを感じるには、格好のアルバムだと思います。でも、その内容は、実にタフな内容。ジャケット・デザインのイメージとパット・メセニー・グループの正式メンバーだという印象だけで手を出すと、ちょっと厄介なアルバムです(笑)。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

« レッド・ツェッペリン Ⅳ | トップページ | 初リーダー作は「元気溌剌」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/24475819

この記事へのトラックバック一覧です: クオン・ヴー『残像』:

« レッド・ツェッペリン Ⅳ | トップページ | 初リーダー作は「元気溌剌」 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ