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2008年10月 3日 (金曜日)

職人同士の素敵なデュオ

今日は朝から快晴とのことだったが、なんだか雲が多い。日が陰るとすっかり肌寒さを感じるようになった。すっかり秋。芸術の秋、音楽の秋である。

今日は、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」からお送りしますね〜(笑)。ジャズを聴くといってもアルバムは莫大な数がある訳で、といって、常に有名盤ばかり聴いていると、なんだか疲労感も溜まる。ジャズを聴く時は、あんまり構えずに、ライブラリーを眺めて「おおっ、こんなアルバムがあったか〜」と思って聴く形が一番ストレスを感じなくて良い。

今日、そんなリラックスした気分で選んだアルバムが、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan・略称トミフラ)の『Ballads & Blues』(写真左)。トミー・フラナガンのアルバムなんで「おうおう、また渋めのピアノ・トリオ盤かい」と思われる方もあるだろうが、それは違います(笑)。

Horst Weber(ホルスト・ウエーバー)率いるエンヤ・レーベルのアルバムである。単純な受け狙いだけのアルバムを出すはずがない。このアルバムは、ひと捻りもふた捻りして、ピアノとベースのデュオ・アルバムである。1978年11月の録音。Tommy Flanagan (p) George Mraz (b)のデュオである。
 

Ballad_blues

 
そもそもピアノという楽器は打楽器の要素を持っているし、ベースだって、ビートを刻む点では、リズム・キープを担う役割を負っている。ピアニストとベーシストが卓越した演奏テクニックを持つのであれば、ドラム無しの、ピアノ+ベースのデュオを組むことは可能だろう。

ただし、ベースはその音の切れが良く、ベース音の輪郭がクッキリと立っていて、そもそもの話であるが、ピッチが合っていることが前提になるので、ジャズ界の中では、なかなかその要求にピッタリと合致するベーシストは少ない。そういう意味では、ジョージ・ムラーツ(George Mraz)は、その数少ない「要求にピッタリと合致するベーシスト」の一人。

このアルバム全編に渡って、ブンブンブンと小気味の良いベース音が正確にビートを刻み、旋律を取れば、ピッチが合っているので気持ち良くベースの旋律を聴くことが出来、ベーシスト鬼門のボウイングも、やはりピッチが合っているということは素晴らしいことで、耳障りにならずに聴くことが出来る。

理想的なパートナーを得て、ピアノのトミフラは、実に気持ちよさそうに、バラードやブルースのスタンダードを小気味よく弾き綴っていく。こんな展開になれば、もうトミフラの独壇場。実に渋くツボを押さえたジャズ・ピアノを聴かせてくれる。

トミフラのピアノは、小粋で味のある、聴き易く、それでいて玄人も満足させる「職人芸的ピアノ」です。聴けば判る。ジャズ初心者の方には、是非とも一度は耳を傾けて欲しいジャズ・ピアニストの一人です。
 
 
 
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