聴き惚れる「Feelin' Allright Live」
昨日は、季節外れの「まとまった雨」に見舞われた千葉県北西部地方。その余波が残ったのか、今日は「曇りのち晴れ」なんて言っていたのに、夕方まで、どんよりとした曇り空で「スカッ」と晴れない。風もヒンヤリして、なんだか「うら淋しい」秋の夕暮れ。
こんな「うら淋しい」気分を払拭するには、70年代ロックが良い。しかも、ガッツのあるやつが良い。質実剛健風のギター中心のアルバムが良い。
さて、僕のお気に入りの「70年代ロック・ギタリスト」の一人、デイブ・メイソンが、久しぶりに音楽雑誌やネット情報を賑わしている。何かどうなったのか、良く判らないが、今年6月に、日本でライブ・アルバムを発売、この10月には、21年ぶりのソロ・アルバムをリリース。にわかに脚光を浴びている。
「デイブ・メイソン」の名を聞いて、「知ってる知ってる」って即座に答える人って、70年代ロックの、かなりの「通」です。70年代、日本では人気がなかったからなあ。知る人ぞ知る、玄人好みのギタリスト&ボーカリストでした。
ちゃんとご紹介しておくと、デイブ・メイソンは、スティーヴ・ウィンウッドらと共に、伝説のグループ「トラフィック」の創成に関与し、エリック・クラプトンらに先駆けてスワンプ・ミュージックに接近したサウンドを展開し高い評価を得たことでも有名。ソロになってからも数々の名盤を生み出してきたギタリスト、シンガー&ソングライターです。
僕が、デイブ・メイソンを知ったきっかけは、1976年にリリースされた、ロック・ライブ・アルバムの伝説的名盤の一枚『Certified Live(邦題:情念)』。素晴らしい内容のライブ盤です。この伝説的名盤から、彼のソロ・アルバムを中心に、彼のキャリアを遡っていきました。
でも、このライブ・アルバム『Certified Live』を凌駕するアルバムは無いんですね。当時より、僕は、デイブ・メイソンの本質はライブにあり、デイブ・メイソンはライブ・アルバムを聴くべき、と常々思ってきました。そんな思いを持ちつつ、今でも、時々『Certified Live』は聴いてます。
そんなところへ、いきなり今年『Feelin' Allright Live』(写真左)がリリースされるんですから、あらビックリ。一時かなり混乱しました。いつのライブなのか、内容はどうなのか、最初、情報が無くて困りました。そもそも、最近のデイブ・メイソンって調子はどうなのかも含めて・・・。
そんな時、役に立つのが「iTunes」。iTunesにアップされていた、2004年USでリリースされた『Live At XM Radio』を試聴して、最近のメイソンの好調さが理解できました。ということで、当然、この『Feelin' Allright Live』はゲットしました。往年のデイブ・メイソンが堪能できて「大満足」の一枚です。
『Certified Live』の頃から、既に32年が経過しているので、当時のライブと比べると、明らかに「衰え」が感じられるのは仕方のないところ。でも、その「衰え」が、良い意味で「渋さ」になっているところが実に良い。『Certified Live』では、まだまだなんとなくミュージシャンとしての「青臭さ」が感じ取れるところがあるんですが、この『Feelin' Allright Live』では、円熟味溢れる「渋さ」で一杯です。デイブ・メイソンのミュージシャンとしての「誠実な年輪」が感じられる、実に良いライブ・アルバムです。
どの曲も往年の名曲ばかり。デイブ・メイソンのヒット・パレード、ベスト・アルバム的な構成ですが、決して、懐かしのメロディーになっていない、そのバイタリティに感動します。逆に、今の若手ミュージシャンに、この類の音は出せないのでは、と思います。
やっとロックの世界にも「縦の繋がり」が出始めたのでしょうか。ベテランと若手がそれぞれも持ち味を生かして、ロックというジャンルをアーティスティックな世界へ押し上げていく。僕にとっては、そんな時代が到来しつつあるのでは、という期待感を持たせる、今回のデイブ・メイソンのライブ・アルバムのリリースでした。
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