分類不可能な「ポップ・ロック」
まだまだ蒸し暑い日が続きますね〜。さすがに9月になってからは、朝10時ぐらいまでは涼しい風が吹いたりして、なんとか暑さもしのげるんですが、昼前からは日差しが強くて、グングン気温が上がって、昼過ぎには「蒸し暑さ」最高点です。
それでも、7〜8月上旬の「酷暑」的な暑さを振り返ると、まだまだ涼しくなったほうだと実感します。アルバム鑑賞の方も、「酷暑」の頃はさすがに、ジャズやロックは聴く気を無くしましたが、今では、なんとかジャズもロックも毎日聴いてますものね。
そんなこんなで、最近、ロックの方は、米国のプログレッシブ・ロック事情について、再整理しています。米国って、内容の難しいもの、分かり難いものって駄目みたいで、プログレッシブ・ロックにしたって、内容的、テクニック的に勝っている「イエス」「キング・クリムゾン」よりは、「ピンク・フロイド」や「EL&P」の方が人気が高い。つまり、難しいのものは駄目なんですね。
僕のプログレッシブ・ロックの定義は、演奏形態は「インストルメンタル中心」で、「曲が長く(つまり長尺モノということ)、歌詞は思索的であり(つまりは理屈っぽく)、クラシックやジャズの要素がふんだんに散りばめられており(つまりはアデミックっぽい)、しかも、変速拍子の嵐(単調でなく、バラエティに富む)」。
ちなみに、昔、「ボストン(Boston)」という、インスト中心のバンドがあるんだが、この「ボストン」がプログレッシブ・ロックの範疇に属するのか否かという議論を良く聞いたなあ。
ボストン(Boston) は、トム・ショルツによる作詞作曲、編曲、演奏、サウンド・エンジニアリング、総合プロデュースとレコーディング・プロセスの殆ど全てを行ったソロ・プロジェクト。代表的なアルバムは、『幻想飛行』(写真左)、『ドント・ルック・バック』(写真右)の2枚が挙げられる。「No Computers」「No Synthesizer Used」とか「ハンドクラップは全て本物の手拍子」のクレジットが、その「ヲタク」度を増幅させる(笑)。
その音楽は、「チューブラー・ベルズ」のマイク・オールドフィールドや「エイジャ」のスティーリー・ダンと同類の録音ヲタクが、その技術の限りを尽くして制作したもので、これがまあ、AORの雰囲気をプンプンさせながら、その音の作りは、仰々しくてドラマチックな「プログレ」そのもの。商業ロックの到達点のひとつとして君臨するもの。
しかしながら、前述のプログレッシブ・ロックの定義に照らし合わせると、インスト中心ではあるんだが、曲はそう長くなく、組曲風でもない。歌詞は思索的どころか、青春ドラマのように判り易く、クラシックやジャズの要素はほとんど無い。しかし、変則拍子は結構多用している。こうやってみると、ボストン(Boston)は、どうしても「分類不可能」となる。
プログレッシブ・ロックと言うよりは、イギリスのハード・ロックと、プログレッシブ・ロックの良いところを、アメリカ人ならではのセンスでポップに消化したもの、と思っている。まあ、プログレッシブ・ロックでは無いでしょう。アメリカン・ポップ・ロックの位置付けかな。
とにかく、米国ロックならではの、判り易くて、ノリ易い、メリハリの効いた演奏がふんだんに盛り込まれている。この『幻想飛行』〜『ドント・ルック・バック』の2枚を聴き通したら、結構、疲れます(笑)。
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