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2008年9月 1日 (月曜日)

もともと硬派なアルトなんだけど

蒸し暑い日が戻ってきた。この2〜3日の悪天候の末、どうも湿気を含んだ暖かい空気が、冷たい空気を押し切ったらしい。まあ、まだ9月1日だからね。例年であれば、朝夕はちょっと涼しくなるが、まだまだ残暑が続く頃。でも、先週末までの涼しい日々を体験してしまうと、蒸し暑い空気がやたら体にこたえる。

さて、今日は久々に、Bob James and David Sanborn『Double Vision』(写真左)を聴く。1986年の作品。パーソネルは以下のとおり。Bob James(key), David Sanborn(as), Marcus Miller(b), Steve Gadd(ds), Paul Milton Jackson Jr.(g), Al Jarreau(vo), Eric Gale(g), Paulinho Da Costa(per)。いやはや、そうそうたるメンバーである。

デイヴィッド・サンボーン(David Sanborn・写真右)は、1945年、フロリダ州タンパ生まれ。ジャズ・フュージョン界で活躍するアルトサックス奏者。彼のアルトは、エッジの立った、切れ込むような金属的で力強い音が特徴。一度聴いたら忘れられない、一聴したらそれと判る特徴的な音。また、歌うように奏でるその音色は「泣きのサンボーン」とも呼ばれる。

サンボーンは、ギル・エバンス・オーケストラへの参加など、もともと硬派なアルトサックス奏者なのだが、フュージョンのフォーマットに乗った彼のアルバムは、「泣きのサンボーン」が前面に出過ぎて、ムード・ジャズ、スムース・ジャズになってしまうケースが多々あって、僕としては、少々不満。
 

Double_vision

 
でも、この『Double Vision』は、さすが、ボブ・ジェームス御大のプロデュースとアレンジよろしく、いつものサンボーンとは一味違った、「硬派な」サンボーンのアルトが堪能できる。

収録曲のテンポがミディアムからバラードと、アップテンポの曲が無いにもかかわらず、ムード・ジャズ、スムース・ジャズな雰囲気がしない。特徴的な音で、メロディアスなサンボーンのアルトが、適度にハードに響いて、これぞ、サンボーンの真骨頂という感じがとても良い。

バックのリズム隊も、ベースはマーカス・ミラー、ドラムはスティーヴ・ガッドですから、適度にファンクで、純ジャズ的なハードな展開もあって、「硬派な」サンボーンを後押しする。

このアルバムでのサンボーンは、聴き応え十分。サンボーンは、ムード・ジャズ、スムース・ジャズの範疇だろう、なんて思っている人は一度、このアルバムを聴いてみてはいかが。サンボーンの本質である「硬派な」一面を感じることが出来て、なかなかいけますよ。
 
 
 
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