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2008年9月 9日 (火曜日)

続・ビル・エバンスを愛でる一枚

今日は朝から快晴。空気は秋の爽やかな、湿度の少ない空気。風が適度にあって、風に当たり続けると肌寒ささえ覚える。夜、会社からの帰り道、道すがらの畑や公園から、虫の声が聞こえる。一週間前の日中はまだ蝉が鳴いていたのになあ。この夏から秋の季節の変わり目は、いつも劇的に展開する。
 
さて、昨日、ビル・エバンスを愛でる一枚として、『At Shelly's Manne-Hole』をご紹介した。今日も、気分は純ジャズ。この涼しさ、この爽やかさ、やっぱりビル・エバンスでしょう。今日もビル・エバンスの隠れ名盤をご紹介したい。今日も、リバーサイドからの一枚である。

そのアルバムとは、『How My Heart Sings! 』(写真左)。1962年5月、6月の録音である。パーソネルは、Bill Evans (p) Chuck Israels (b) Paul Motian (d)。ラファロ亡き後の最初のセッション。妖艶な女性顔のジャケットで有名な『Moon Beams』と対をなすアルバムである。
 
How_my_herart_sings

このアルバムでは、そこはかとなく覇気溢れるエバンスのピアノが聴ける。地味という評価を良く聴くが、僕はそうは思わない。確かに、シンプルな展開が主。ひねりを入れた、複雑な展開はこのアルバムでは影を潜めている。全体的にリラックスしたミディアムテンポの曲が多い。Chuck Israelsのベースに合わせた演奏スタイルと言えなくも無い。

しかしながら、ここでのエバンスのピアノは、肩の力が抜けた、タッチの柔らかい、それでいて、しっかりした「音立ち」。そこはかとなくドライブ感のあるインプロビゼーション。テクニックと才能を尽くした、複雑な展開だけがジャズではない。

シンプルな展開ではあるが、単純に聴こえないのは、ただ単純にバリバリ弾き続けるのではない、エバンスが、そのピアノ・タッチに、実に繊細に、技術を尽くして、緩急と幽玄自在なイントネーションを与えているからだ。どの曲も聴き応えのある、どう聴いてもエバンスの個性溢れる演奏である。

ベースがスコット・ラファロじゃない為、軽視されがちなアルバムですが、良いです。シンプルで、そこはかとなく覇気溢れるタッチのエバンスを体験するなら、このアルバムが良いのではないかと。

ジャケット写真を見る度に「こりゃ〜、ミシェル・ペトルチアーニではないか」と思うのは、僕だけでしょうか(笑)。
  
  
 
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