最近のトラックバック

« Know What I Mean? | トップページ | これは「ジャズ入門盤」じゃない »

2008年9月28日 (日曜日)

クインテットの「ビル・エバンス」

ビル・エバンスというピアニストは、トリオ編成の時が一番素晴らしい、というような「フォーマット限定」のピアニストではない、と昨日書いた。

昨日は、キャノンボール・アダレイと組んだ「Know What I Mean?」をご紹介したが、今日は、トランペットのフレディー・ハバード、ギターのジム・ホールと組んだ、クインテット構成のリーダー・アルバムをご紹介したい。そのアルバム・タイトルは『Interplay(インタープレイ)』(写真左)。

1962年7月の録音。パーソネルは、Freddie Hubbard (tp) Bill Evans (p) Jim Hall (g) Percy Heath (b) Philly Joe Jones (d)のクインテット構成。当時、若き精鋭トランペッターのフレディー・ハバードをフロントの管に添え、バッキングの彩りに、ジム・ホールのギターを加えた、ちょっと異色とも言えるクインテット構成である(普通は、もう一本、サックスなどの管を加えるんだけど)。

ドラムに、フィリー・ジョー・ジョーンズが座っており、このアグレッシブなバップ・ドラミングを供給するフィリー・ジョーの存在が、このアルバムの全体トーンを決めている。それというのも、以前、このブログでも書いたが、エバンスは、演奏の時、組むドラマーの特性に合わせた弾き方をする。フィリー・ジョーの時には、実に楽しそうに、アグレッシブにピアノをドライブさせる傾向にある。

恐らく、相性が合うんだろう。そして、良く聴いてみると、アグレッシブで荒くれっぽいという先入観のあるフィリー・ジョーのドラミングだが、4曲目のタイトル曲「Interplay」では、意外とセンシティブなドラミングも披露していて、フィリー・ジョーのドラマーとしての特性を見直したりするのだから面白い。

Interplay

『Undercurrent』『Intermodulation』の2枚の傑作デュオ・アルバムの存在を見ても判るとおり、ギターのジム・ホールとエバンスの相性は「抜群」。

ギターもピアノも、コード楽器とリズム楽器の両面を持つ、ある意味、厄介な楽器なんだが、エバンスとホールは、コード楽器として、音を重複させることなく、「ギター+ピアノ」での相乗効果が出るような、効果的な弾き方を披露し、バンド演奏の裾野を拡げている。そして、リズム楽器としては、ドラムのビートをベースに、役割分担よろしく、ギターが旋律を奏でる時はピアノがリズムを、ピアノが旋律を奏でる時はギターがリズムを担当している。この役割分担が、このアルバムでは絶妙である。

フレディー・ハバードは、当時、若き精鋭、マイルスや亡きクリフォード・ブラウンの後を継ぐものとして、テクニック抜群、歌心抜群、将来を嘱望されたトランペッターである。

確かに上手い。確かに、必要最低限の歌心も備えている。基本的に不満は無い。でもなあ〜。ハバードのソロを聴いていると、マイルスそっくりなのが、どうも気になる。オープンもミュートもマイルスの影がつきまとい、歌心を見せる面でも、マイルスの「歌い方」そっくり。このハバードの存在が、不満と言えば不満かな。もう少し、癖のある、中堅トランペッター(ヶニー・ドーハムとか)をもってきたほうが、面白かったと思う。

それでも、このアルバムには、ジャズの楽しさが、一杯に詰まっています。どの曲も実にスインギーに、実に楽しそうに演奏されていて、これぞ「インテリジェンス・ハード・バップ」って感じで、スタンダード楽曲を中心に、理知的に、ドライブ感溢れる演奏を繰り広げています。

僕も、ジャズ初心者の時代には、大変、お世話になったアルバムで、意外と録音状態やバランスも良く、何度聴いても聴き飽きない、優れた内容のアルバムです。ジャズ初心者の方には、お勧めの佳作だと思います。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

« Know What I Mean? | トップページ | これは「ジャズ入門盤」じゃない »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/24095159

この記事へのトラックバック一覧です: クインテットの「ビル・エバンス」:

« Know What I Mean? | トップページ | これは「ジャズ入門盤」じゃない »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ