Yes Songs Side C & Side D
昨日の続きである。英国のプログレバンド、イエスの傑作ライブ『Yes Songs』のLPでいうところの「Side C & Side D」である。
プログレならではの長尺物で、心ゆくまで弾きまくっているんだから、メンバーのソロのパートなんて必要ないだろう、と思うんだが、イエスの連中は、やるんですね〜、ソロ・パートを(笑)。
最初はギターのスティーブ・ハウ。4枚目のオリジナルアルバム『こわれもの』で披露したソロ・パート「Mood for a Day」を忠実に再現する。つまりは、オリジナルアルバムの演奏って、多重録音じゃあないんだよ、ってことを言いたいってこと。クラシック・ギターの奏法を彷彿とさせる「バカテク」に、思わず「息をのむ」。
続いて、キーボードのリック・ウェイクマン。ソロ・パートのタイトルは「Excerpts from "The Six Wives of Henry VIII"」なんだが、途中、ハレルヤ・コーラスが入ったりして、クラシック・マナーの繊細かつ流麗、ダイナミックなマルチ・キーボードを聴かせる。ウェイクマンの手癖が満載で、このソロ・パート、高校時代から好きです。
当時、プログレのキーボードは、EL&Pのキース・エマーソンと、このイエスのリック・ウェイクマンの二人が代表的プレイヤーで、プログレ・ファンの中でも、エマーソン派とウェイクマン派に分かれていた。エマーソン派の方がメジャーだったんだが、僕は圧倒的にウェイクマン派。
この『Yes Songs』のソロ・パートを繰り返し聴いては「こんな風にマルチ・キーボードで弾いてみたい」と何度思ったことか。このウェイクマンのソロ・パートの終わりのサイレンの様なシンセサイザーの音が、次の曲「Roundabout」の前奏につながる辺りは、いまでもゾクゾクする。
いわゆるD面のラスト「Long Distance Runaround/The Fish」では、クリス・スクワイアのベース・ソロが聴ける。「Long Distance Runaround」から始まって、途中、ソロ・パートの「The Fish」(オリジナルは「こわれもの」に収録)が入って、また、「Long Distance Runaround」に戻るんだが、この後半の「Long Distance Runaround」部の終わりに、再度、クリス・スクワイアのベース・ソロが入る。
この終わりの部分のスクワイアのベース・ソロが壮絶。「これがベース・ソロか?」と疑いたくなる、一聴すると、まずは「ギター・ソロ」と勘違いするほどの「ギター・ライク」なベース・ソロ。エレキ・ベースをブンブンいわせながら、ギターの様なソロ演奏を延々と繰り広げる。とにかく凄い。エレベのジミヘンである。
この『Yes Songs』の「Side C & Side D」は、イエスのメンバー・ソロが堪能できる。それも、ライブの余興としての、顔見せ的なソロ・パートではなく、思わず仰け反ってしまいそうな、それはそれは超絶技巧な凄まじいソロ演奏を披露する。加えて、しっかりと歌心も備えていて聴き応え十分。当時のイエスのメンバーの「演奏力の凄まじさ」を再認識するのだ。
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