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2008年8月 2日 (土曜日)

スタンダードなトリオはいかが

暑いですね〜。ほんとに暑い。東京は31度を超す暑さ。でも、湿度が高くて、体感温度はもう「酷暑」レベル。でも、西日本はもっと大変ですね〜。大阪で34度、福岡では37度。いやはや、酷暑お見舞い申し上げます。皆さん、熱中症などに気をつけて下さいね。

さて、ピアノ・トリオの企画盤と言えば、過去から多々あるが、成功例は決して多くない。曲は皆が知っている大スタンダード曲を並べて、演奏するミュージシャンは「とりあえず」という感じで、聴き手好みの展開の演奏を繰り広げて終わる、というご都合主義的なアルバムが多いのは、プロデュース側の問題だろう(特に、日本のレコード会社には猛省を促したい)。

さて、ついこの間、iTunes Storeを徘徊していて、Tommy Flanaganの『Master Trio』(写真左)を見つけて、即ゲット。欲しかったんだよね、このアルバム。パーソネルは、Tommy Flanagan(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds) 。1983年の録音。このパーソネルを見て、直感的に「あっ、日本企画製作盤だ」を思われる方は、ジャズ通ですね。

ズラーっと並ぶ大スタンダード。そして、パーソネルに名を連ねるのは、ジャズ界のスター達。日本企画製作盤の特徴をしっかりと兼ね備えています。これだけだと、触手は伸びないですが、このアルバム、LP時代に聴いたことがあります。
 

Tommy_flanagan_master_trio

 
日本企画製作盤だということで、全くもって、内容は期待していなかったのですが、(それがかえって良かったのか)このアルバムを初めて聴いた時、「ん〜っんんんっ」と思いました。なかなか素晴らしい内容だったからです。

どの大スタンダード曲も、さすがはフラナガン、ちょっとひねりを効かせたアドリブを繰り広げます。続く、ロンのベースもなかなか小粋なベースラインで応酬。トニーのドラミングは、相変わらず、刺激的で、驚くべきポリリズムで応酬。

特に、このアルバムで驚いたのは、ロンのベースで、このアルバムがリリースされた1983年当時、ロンのベースについては、僕は評価していませんでした。アタッチメントを付けて電気的に増幅されたブヨブヨのベース音、ピッチが合っていない、音程の不安定なベース音。僕の耳には聴けたもんじゃなかった。

でも、このアルバムでは、彼の実力通りのベースが繰り広げられていて、これは、フラナガン効果とも言えるでしょうね。それほど、フラナガンのインプロビゼーションは職人芸的で、ひねりを効かせていて、実に刺激的だ。トニーのドラミングは、それはもう人間業とは思えません(笑)。しかも、フラナガンを引き立て、フラナガンを前面に押し出すドラミングは、それはそれは美しい。

ここでのフラナガンのピアノは、優雅でハッキリとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなくファンキー芳るもの。アグレッシブで刺激的なフラナガン。もともと、バップ・ピアニスト出身、これが彼の本質でしょう。決して力任せではない、抑制されたドライブ感が素晴らしい。これぞ、職人芸ですね。

フラナガンのピアノ・トリオに駄作無し。この『Master Trio』は、明らかに日本企画製作盤ですが、内容は良いです。聴いていて気持ちが良い。時々引っ張り出してきては聴きたくなる、愛聴盤の一枚になりそうです。
 
 
 
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