バイオリン・ジャズはいかが?
ジャズは楽器を選ばない。楽器であれば、その楽器を弾きこなせることが出来れば、どんな楽器でもジャズを演奏できる。例えば、クラシックでは無くてはならない楽器、バイオリンもそう。数が少ないながらも、優れたジャズ・バイオリニストは存在する。
パッと浮かぶのは、ステファン・グラッペリ、ジャン・リュック・ポンティ、そして、寺井尚子。いずれも、バイオリンのバーチュオーソで、卓越したバイオリンのテクニックを基に、優れたジャズ演奏を披露する。
今日、ご紹介するのは、ステファン・グラッペリ。1908年生まれ〜1997年没。ジャズ・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトの相方としても知られ、彼と共に「フランス・ホットクラブ五重奏団」を結成し、第二次世界大戦前から晩年まで精力的な演奏活動を続けた。そのグラッペリのアルバムの中で、僕が一番好きなアルバムが『Young Django』(写真左)
1979年の作品。パーソネルは、Philip Catherine (g), Stephane Grappelli (vln), Larry Coryell (g), Niels-Henning Orsted-Pedersen (b)。ドラムレス&ピアノレスで、「フランス・ホットクラブ五重奏団」を想起させる編成。ドラムレス&ピアノレスが「粋」である。形式はジプシー系スイング。ギターがリズムとコードのパートを請け負って、グラッペリのバイオリンが縦横無尽に駆け抜ける。
当時71歳のグラッペリの演奏が、とにかく絶品。バイオリン独特の「枯れた味わい」のある音色が、実にしみじみとしていて良い。そして「ノリ」。グラッペリのバイオリンの「ノリ」が凄い。そして、このアルバムは録音が良くて、グラッペリのバイオリンの音が生々しい。
「革命児」と呼ばれたラリー・コリエル、「ヤング・ジャンゴ」と呼ばれたフィリップ・カテリーンのギターが凄い。オベーションの音が生々しく、新しい。そして、ベースのペデルセンのベースが良い。さすがペデルセン、と思わせる、ブンブンというベースの音。スイング感。ドライブ感。
バイオリン・ジャズの楽しむのに、格好の一枚です。ジャズのスイング感、ドライブ感が体験でき、ジャズ初心者の方へも絶対のお勧め。良いアルバムです。
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