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2008年8月20日 (水曜日)

アトランティック時代の最初の一枚 『Life Between the Exit Signs』

最近、1960年代後半、キース・ジャレットの初期のリーダー・アルバムを聴いている。初期のリーダー・アルバムは、アトランティック・レーベルからのリリースが多いので、僕は個人的に、この1960年代後半のキースを「アトランティック時代のキース」と呼んでいる。

この1960年代後半のキースは、なかなか複雑なキャラクターをしており、キース独特のボイシングで、キース独特の節回しが楽しめる曲と、フリー・インプロビゼーションをベースとした曲、ピアノとベースとドラムが対等な対話形式の曲などが、ごった煮になって、ひとつのアルバムに入っている。

このキースの初リーダー録音『Life Between the Exit Signs(邦題:人生二つの扉)』もそうである。パーソネルは、Keith Jarrett (p) Charlie Haden (b) Paul Motian (d)。1967年5月の録音。厳密に言えば、このアルバムは、アトランティック・レーベルからのリリースではない。アトランティック・レコードの傍系レーベル「Vortex」からのリリース。
 

Keith_life_between

 
冒頭の「Lisbon Stomp」では、明らかにキース・ジャレットと判るボイシングに感心し、やっぱり、インプロビゼーション部分では、既に「ウィー、ウィー」と唸っているのにも感心し(笑)、でも、途中の展開から複雑かつ難解になるところに、1960年代後半のジャズというものを感じる。う〜ん、混沌とした時代だったんやねえ。

2曲目「Love No 1」では、リリカルで耽美的な演奏に聴き入っていると、いきなり、3曲目の「Love No 2」ではフリー・ジャズに突入する。これは難解。ジャズ初心者には手に余る展開である。4曲目「Everything I Love」以降は、リリカルなピアノとフリーなピアノがごった煮になっていて、実に興味深い。でも、一般的には複雑かつ難解です。

この「アトランティック時代のキース」は、キース・マニアが、キースのピアノ・インプロビゼーションについて、温故知新をするには良いアルバムではあるが、一般のジャズファンには、ちょっと戸惑う内容かもしれない。でも、これが面白いといえば、面白いんですけどね(笑)。
 
 
 
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