『Kind Of Blue』50周年限定盤
インターネットを利用しての「アルバム発売情報の収集」について、最近、実に楽になった。情報提供メールや情報ポータル、情報提供ブログの充実で、ほんと楽になった。速報ベースの情報は、毎日、仕事から帰宅して確認するが、速報ベース以外の情報は、土曜日の朝、まとめて確認するようにしている。
今朝、除法メールを一通一通確認していて、久しぶりに「オッ」と目を見張ったのが、マイルス・デイヴィスの『Kind Of Blue』50周年限定盤の発売予告。内容は、完全未発表テイクも収録した2CD、特大ポスターや未発表写真を掲載した60ページに及ぶ豪華ブックレット、55分のドキュメンタリーなどを収録したDVD、180グラムの青盤カラーLP(アナログ)など、とのこと(下写真参照)。
『Kind Of Blue』(写真下左)は、モード・ジャズの金字塔、いや、ジャズの金字塔。永遠の名盤である。パーソネルは、Miles Davis (tp) Cannonball Adderley (as) John Coltrane (ts) Wynton Kelly (p) Bill Evans (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 。1959年3月、4月の録音。トータル・セールスは実に1,000万枚を超えている、ジャズ界のモンスター・アルバムである。
1曲目「So What」から始まり、「Freddie Freeloader」、「Blue In Green」、「All Blues」、「Flamenco Sketches」のたった5曲が収録されているだけのアルバムなんだが、この演奏内容が凄い。ジャズというフォーマットでの「奇跡」だろう。これだけ美しいジャズの響きがあるか、これだけ美しい構築美があるか、これだけ美しいインプロビゼーションがあるか。
アドリブ、インプロビゼーションがある限り、ジャズは一発勝負、同じ演奏は2度生まれないのが宿命なのだが、その2度と生まれ得ない、ジャズの奇跡的な演奏がここに詰まっている。ジャズを聴き始めて、2年目くらい、ジャズ初心者の学生時代、この『Kind Of Blue』を初めて聴いた時の衝撃は忘れない。まず思ったのが「これがジャズの演奏か?」。
ジャズの演奏って、ちょっと俗っぽくて、大衆的で、ちょっと雑然とした、熱気溢れる演奏ばかりだと思っていた。アーティスティックな面は少ないだろうと思っていた。でも、この『Kind Of Blue』を聴いて、その印象はガラッと、180度転換した。『Kind Of Blue』を聴いて、70年代ロック鑑賞の後、ジャズ鑑賞を自らの趣味にしたことに間違いなかったことを確信した。
しばらく途絶えていた、アルバム・コレクターの心をくすぐる限定盤ボックスの発売である。実に楽しみだ。LPも聴けるよう、久しぶりにレコード・プレイヤーを調整しておかないとね。フフフ、楽しみだなあ。
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