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2008年8月 9日 (土曜日)

このアレンジャーは凄い・3

1980年代に入っても、クインシー・ジョーンズの勢いは衰えない。1981年には、前作『Sounds...And Stuff Like That!!』を上回る大ヒットアルバムのリリースする。『The Dude(邦題:愛のコリーダ)』(写真左)。

このアルバムは、いよいよ。ダンス・ミュージックへの接近を果たし、ジャズ、フュージョンのエレメントを大胆に薄めながら、ギリギリのところで「ジャジーな雰囲気」をそこはかとなく維持しているのが「小粋」である。

ジャズ・フュージョンのジャンルで語ったほうが良いのか、広くブラック・ミュージックの範疇で語ったほうが良いのか、どちらが相応しいのかが判らない、これぞ「クインシー・ミュージック」と呼んで良い世界である。ブラック・ミュージックと呼ばれるジャンルの音楽要素をごった煮にして、クインシーのアレンジで統率を取った、言うなれば「究極のフュージョン」の一枚。

Qj_the_dude

フィーチャーされたヴォーカリストは、ジェームス・イングラム(男性)とパティ・オースティン(女性)。このなかからシングル・カットされた3曲目「Just Once」と、7曲目「One Hundred Ways」が81年のヒット・チャートを賑わし、冒頭の「Ai No Corrida(愛のコリーダ)」と合わせて、喫茶店やディスコ、異色なところではパチンコ屋でも、この『The Dude(邦題:愛のコリーダ)』に収録された人気曲が毎日の様にかかっていた。

しかしながら、冒頭「Ai No Corrida(愛のコリーダ)」が、どうも僕には「かなり俗っぽく」聴こえて、当時は、この『The Dude』には触手が伸びなかった。どうも際物っぽく思えてねえ。クインシー・ジョーンズも遂に俗世に身をやつしたか、と残念に思ったりもした。

が、この『The Dude』を手に入れて、実際に自分の耳で聴いてみると、これが良いんだなあ。ハービー・ハンコック、トゥーツ・シールマンス、アーニー・ワッツなどジャズ畑からはもちろんのこと、マイケル・ジャクソンがバック・コーラスに加わっていたり、スティーヴィー・ワンダーがシンセで参加していたりと、音楽のジャンルを超えた、そうそうたる顔ぶれが凄い。

今の耳で聴いても、冒頭の「Ai No Corrida(愛のコリーダ)」は、確かにちょっと俗っぽくて、複数回聴くと飽きが来るが、2曲目以降は、珠玉のクインシー・ワールド。これはもう純ジャズとは呼べず、といって、ブラコンとも違う、凄くクールなパフォーマンスがズラリ。

ジャズ、フュージョンでは無く、ジャンルにこだわらず、大きくブラック・ミュージックと捉えて楽しむ、実に広大な音世界が広がる逸品です。
 
 
 
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