このアレンジャーは凄い・2
昨日、クインシー・ジョーンズの話をしたが、今日もその続き。ジャズのアレンジャーで「このアレンジャーは凄い」と思った最初のアレンジャー、クインシー・ジョーンズ(写真右)。一度聴いたら絶対に忘れない音やコーラスの重ね方、リズムの使い方、ブラスの使い方。
Quincy Jones『Sounds...And Stuff Like That!!』(写真左)。クインシー・ジョーンズのアルバムで、今まで、一番聴いたアルバムは、と言えばこの盤である。1978年の作品。そうそうたるメンバーを集めて、もの凄く格好良いアレンジ・ジャズを展開する。
とにかく、全曲、クールで格好良い。最上級のファンクネス。ジャズをベースとしつつ、R&B、ソウルミュージックを存分に融合した、とにかくクールなアルバム。ドラミングの音を聴くと、直ぐにそれと判るスティーブ・ガッド。こちらもやっぱり、フェンダーローズの音を聴くと、直ぐにそれと判るリチャード・ティー。伝説のフュージョン・グループ「Stuff」から、この2人の参入が、クールなファンクネスを演出する。
1曲目の「Stuff Like That」は、とにかく格好良い。熱いファンクネス。弾けるリズム。それでいて、底に流れるジャジーな雰囲気。4曲目「Tell Me a Bedtime Story」は、ハービー・ハンコックのエレピのアドリブ・ソロにそのままストリングスをユニゾンでかぶせた(凄いアレンジ!・凄いアイデア!)、なんともはや、クラクラするほど格好良い「これぞ粋なアレンジ」の究極の逸品。
そして、個人的な極めつけは、ラストの「Takin' It to the Streets」。原曲はドゥービー・ブラザースの曲だが、このドゥービーの曲も、とてつもなくファンキーで、とてつもなくゴスペルチックなんだが、このクインシーのアレンジ、このアルバムでの演奏は、そのドゥービーの曲を上回る、うねるようなファンクネス。激しくソウルフルなボーカル。心が震えるようなゴスペルチックなコーラス。燃えるような間奏部のサックス。ああ、素晴らしい。なんてクールなんだ。この1曲だけでも、このアルバムは「買い」である。
このアルバムは、ダンス・ミュージックには少し距離を置きつつ、ジャズ、フュージョンのエレメントを十分に残こした、クインシーのペンなる「ジャジーなアルバム」。クインシーのアルバムの中で、僕が最高傑作と位置づけている凄いアルバム。良いアルバムです。聴けば判る!
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