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2008年7月10日 (木曜日)

このピアノ・トリオは「渋い」

今日はお疲れ休み。このところ、体力的にも精神的にも精緻繊細な仕事が続いた。いまいち、信頼、信用できない人たちに重要な仕事を依頼ということは、精神的なストレスになる。まあ、若い頃、ストレスとの戦いに手を焼いた分、今では、ちょっとやそっとではストレスでへこたれることは無いんですがね。

この歳になると、電話の声色、面と向かって話している顔つきなどで、相手が何を考えていそうなのかが類推できる。それが、また嫌でねえ。知らないこと、判らないこと、感じないことほど幸せなことは無いと最近思う。

で、今日は、グッスリ寝た。そして、野暮用を済ませて、あとはノンビリ、音楽を聴いたり、本を読んだり。とにかく、今は、仕事関係の人と会わない、人と話さない一日を作ることが大切だ。

ノンビリ音楽でも、ということで、今日ヘビー・ローテーションになったのが、ボビー・ティモンズの『Born To Be Blue !』(写真左)。まず、ジャケット写真が良いですね。ジャズらしくて渋い。収録曲は、ティモンズの自作曲が半分、他の曲はなかなか渋い曲を選んできている。

Born_to_be_blue

パーソネルは、Bobby Timmons(p), Sam Jones(b), Ron Carter(b*), Connie Kay(ds)。1963年9月10日の録音です。1963年といえば、ファンキー・ブームが一段落し、よりポップなジャズが大衆音楽として親しまれ、芸術としては「新主流派」+「フリー」が最先端ジャズとされた時代。

ファンキー・ピアノの寵児であったボビー・ティモンズ、このアルバムでは、オーバー・ファンクなコテコテ・ピアノは影を潜めています。しかし、彼のピアノの根底には、しっかりと「ファンキー&ソウルフル」な雰囲気が根付いていて、表面上は、新主流派の最先端の音作りを採り入れているところも散見され、アーティスティックな面とポピュラーな面とが上手くバランスした、趣味の良いピアノ・トリオだと思います。

左手は「ファンキーかつブルージー」で、しっかりと演奏の底辺を押さえながら、前のめりに、少し「つんのめる」ように、コロコロと転がるような右手は、十分にティモンズの個性です。一聴しただけで、ティモンズのピアノだ、と判るくらいの、本当の意味での「個性」。そこに、バックのサム・ジョーンズのベース(一部ロン・カーター)とコニー・ケイのドラムが絡む。

このバックの人選が良い効果を生み出していると思います。まず、この二人がバックに控えていれば、コテコテのファンキー・ジャズになるはずが無い(笑)。新主流派の香りと、MJQに代表されるサードストリーム系の香り。ファンキーなティモンズのピアノと上手くミックスして、ソウルフルで、気品に満ちている感じすらある。

良い雰囲気のピアノ・トリオやなあ。このピアノ・トリオは「渋い」。良い出来だと思います。情報によると、自ら生涯最高傑作と評したピアノ・トリオ・アルバムであるとのこと。納得。
 
 
 
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