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2008年7月15日 (火曜日)

夏はウエストコースト・ロック

しばらくジャズの話題が続いた。「マスター、70年代ロックはどうなったんだい」なんて声が聞こえる。でも、この激しい蒸し暑さじゃあ、ハード・ロックや複雑なプログレは聴く気がおこらない。

おいおい、じゃあ夏は、バーチャル音楽喫茶『松和』の懐かしの70年代館は開店休業状態かい、っていう声が聞こえますが、いえいえ、そうではありません。ということで、今日は70年代ロックの話題である。

さすがに、これだけ集中してジャズを聴き続けたら、耳にもたれ始めた。ということで、耳休めには、やはり、70年代ロックである。暑い夏。夏のロックは、やっぱ、ウエストコースト・ロックでしょう。

夏になると聴きたくなる70年代ロック。ダントツは「イーグルス(Eagles)」である。イーグルスに出会ったのは、高校2年生の時であった。小学生の頃から、ゴスペルやカントリー&ウエスタンなど、アメリカン・ルーツ・ミュージック好きである。イーグルスの「Take It Easy」を初めて聴いた時、ああ、良いバンドだなあ、と思った。それ以来、イーグルスはウエストコースト・ロックの中でも、大のお気に入りである。

特に、好きなアルバムが『One Of These Nights』(写真左)である。4作目にして、初の全米ナンバー1を記録した大ヒットアルバム。このアルバムには、学生時代の思い出が一杯詰まっていて、今でも好きだし、今でも聴いては感動して、情緒不安定な時にはウルウルしてしまう(笑)。
 

One_of_these_nights

 
3曲目の「Hollywood Waltz」は大好きな曲で、イーグルスの楽曲の中では、全く話題に上がらない曲だが、僕はこの曲が大好きだ。イーグルズの楽曲の中でも5本の指に入る名曲だと思っている。このアメリカン・ルーツ・ミュージック満載のワルツはいつ聴いても良い。情緒的なスチールギター、郷愁を煽るマンドリンの調べ。印象的なボーカル。そして、イーグルスならではの爽快感溢れるコーラス。

6曲目の「Take It to the Limit」は、もっと好きな曲だ。勇壮なストリングスのアレンジ。印象的な歌詞。ランディ・マイズナーの名バラード。そして、このアルバムで、グループを去るバーニー・レドンによるアルバム最終曲「 I Wish You Peace」。胸がキュンと締め付けられる様な、情感溢れる、やさしい曲。

ふと高校3年生の夏を思い出す。学園祭向けの映画を作っていた頃。映画が出来るのかどうか、出来たとして皆の評価はどうなのか、そして、この映画を作り終えた後、僕には何が残るのか。結構なプレッシャーと孤独感の中、撮影の準備に、夏休みはほとんど毎日、学校に来て、映研の部室にこもっていた。演出の確認、シナリオの手直し、撮影アングルの検討、そんな孤独な作業のバックで、イーグルスの『One Of These Nights』が流れていた。

「Hollywood Waltz」「Take It to the Limit」「 I Wish You Peace」を聴くと、しみじみとしてしまう。夏の終わり、夏休みの終わり、綺麗な夕焼けを見ながら、一人で部室に残っていて、これらの曲がかかると、なぜか郷愁を感じ、寂寞感を感じて、不覚にもはらはらと涙した。そんなことを、今でも思い出すことがある。

しかし「One Of These Nights」の様なファンキーな曲もある。「Vision」の様なリズミックな曲もある。そして、極めつけは「Lyin' Eyes」。軽快なメロディーと重厚で美しいハーモニー。疾走感と爽快感溢れる、ウエストコースト・ロックを代表する名曲名演の一曲。これらのポジティブな曲を聴くと、郷愁と寂寞感を乗り越え、明日に向けてのやる気と克己心が芽生えるのだ。
 
 
 
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