Lincoln Center Jazz Orchestra
今朝は梅雨時には珍しく、湿気をタップリ含んだ強い南風。この時期の南風は雨にはならないが、不快指数が最大になること間違い無し。案の定、朝から湿度が高く、不快指数最大の千葉県北西部地方。今日は特に、西日本では蒸し暑かったみたいですね〜。
さて、昨日は、ウィントン・マルサリスについて語った。このウィントン・マルサリスが芸術監督を務める「ジャズ・アット・リンカーン・センター(Jazz at Lincoln Center・写真右)」。このJazz at Lincoln Centerの「Lincoln Center Jazz Orchestra」については、その演奏成果について、幾枚か優れたアルバムになって残されている。
僕が今回手にれたのは「Live in Swing City - Swingin' With Duke」(写真左)。タイトルから判るように、デューク・エリントンの曲を取り上げたライブ盤。ビッグ・バンド形式の演奏で、1999年のリリース。当時の精鋭ミュージシャンを集めて結成した「Lincoln Center Jazz Orchestra」。その演奏は実に素晴らしい。
構成メンバーの詳細が判らないので申し訳ないが、恐らくは、現代ジャズの名うての強者、技術的に優れた、志の高いミュージシャンが参加していると思われる。演奏のテクニック、密度、アンサンブル、ハーモニーを聴けば直ぐに判る。とにかく上手い。でも、テクニック馬鹿では無い。歌心もあるし、ユーモアもある。教科書的な真面目一辺倒な演奏かといえば違う。その演奏は手加減無く、現代ジャズの最先端をいくテクニックなのだ。
アレンジは、デューク・エリントン楽団のオリジナルに近い。しかし、デューク・エリントン楽団のコピーでは無い。演奏の中に、過去から現在までのジャズの演奏スタイル、フリー、ファンキー、スイング、ビ・バップなどが、上手くアレンジされており、トラディショナルなデューク・エリントン楽団のアレンジと様々な過去からのジャズの演奏スタイルが上手く融合されていて、聴いていて実に興味深い。
収録曲は以下の通り。
1. Happy Go Lucky Local
2. Main Stem
3. C Jam Blues
4. Multi Colored Blue
5. Chinoiserie
6. Black And Tan Fantasy
7. Cottontail
8. Mood Indigo
9. Bli Blip
10. Harlem Air Shaft
11. Portrait of Louis Armstrong
選曲も良く考えられており、聴いて楽しい。ジャズの楽しさが体感でき、ジャズの歴史が理解できる、デューク・エリントンの曲を選んでいるのが良く判る。
これが、このウィントン・マルサリスが芸術監督を務める「Jazz at Lincoln Center」の「Lincoln Center Jazz Orchestra」の真の姿だとすると、この成果は、ジャズにとって素晴らしいものである。ジャズの歴史とスタイルの変遷、そして今日のジャズが一聴して判る、教科書のような演奏の数々。
米国が羨ましい。日本は、米国よりもジャズに対して造詣が深いと言われるが、この「Jazz at Lincoln Center」の活動を見ていると、日本はジャズなどの音楽系の芸術文化に対して、本当に投資しない国だと思う。これではいけない、と思う。
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