« 爽やかフュージョン、心地よし | トップページ | ちょっと反則なんだが・・・ »

2008年6月18日 (水曜日)

ジェネシスは「大人のプログレ」

高校時代の前半、僕はプログレ小僧だった。とにかく、プログレッシブ・ロックが大好きで、学校から帰ったら、勉強しながら「プログレ」。寝る前、床に入って「プログレ」。大学に入って、ジャズに嗜好がシフトしてからも、ジャズに聴き疲れた「耳休め」に、気分展開に聴くのは「プログレ」だった。

そんな高校時代、プログレ・バンドの中で、ジェネシスが苦手。ジェネシスは、70年代、プログレッシブ・ロックバンドとして名を馳せたが、これはビックリ、フィル・コリンズ中心に、80年代を代表するポップバンドとして、180度の転換、宗旨替えしたイギリスのグループである。

僕にとって、プログレ時代のジェネシスは摩訶不思議なプログレ・バンドだった。キング・クリムゾンの様に、圧倒的な演奏力と構築力、そしてカリスマ性を誇る訳でもない。イエスの様に、超絶技巧な演奏テクニックとシンフォニックで劇的な展開を「売り」にする訳でもない。ELPの様に、圧倒的体力を全面に押し出した、体育会系バカテク集団でもない。ピンク・フロイドのように、演奏の雰囲気とアルバム・コンセプトで勝負する訳でもない。

Genesis_1

プログレ時代のジェネシスは、演奏力もあるし、楽曲の構築力もある。ピーター・ガブリエルのカリスマ性も魅力。でも、彼らの演奏は戯曲的であり、ミュージカル的であり、加えて、ちょっとトリッキーな雰囲気は、どうしても、高校時代〜大学時代の、僕の「うら若き鑑賞耳」には、どうしても理解できなかった。というか、戯曲的でメロディアスでない分、その中世戯画的なジャケットデザインと共に、苦手なプログレ・バンドだった。

高校時代〜大学時代の若い時代には理解できなかったジェネシスの、その戯曲的な、ミュージカル的な雰囲気が気にならなくなって、それなりに楽しめるようになったのは、社会人になって、30歳を過ぎてからである。そういう意味で、僕にとってジェネシスは「大人のプログレ」的存在である。

今では『Foxtrot』(写真左)、『Nursery Cryme』(写真右)など、この戯曲的な雰囲気をジェネシスの個性として楽しみ、楽曲のバックで唸りを上げるメロトロンと、大活躍するレトロなトーンのハモンド・オルガンを聴くだけで口元が緩む。プログレ時代のジェネシスの音は、典型的な1970年代初期のプログレッシブ・ロックの音の一つである。

この『Foxtrot』、『Nursery Cryme』のジャケットデザインは、今では大好きなデザインとなった。まあ、子供の頃は苦手だった食べ物が、大人になって好きになる。僕にとってのジェネシスは、そんな感じの「大人のプログレ」である。

最後に、『Nursery Cryme』の邦題『怪奇骨董音楽箱』は、凄いセンス(良い意味で)の邦題である。そのアルバムの内容、ジャケットデザインにピッタリの邦題。ピンク・フロイドの『Atom Heart Mother』 の邦題『原子心母』に匹敵する秀逸な邦題である。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

« 爽やかフュージョン、心地よし | トップページ | ちょっと反則なんだが・・・ »

コメント

現在21歳高校からYES危機を聴いてそれからプログレ中毒者になりました。いろいろ聴いてジェネシスもナーサリークライから入りました。一度聴いてセンスはあるけどなんかしっくりきませんでした。が。10回くらい聴いてそうしたらもうジェネシス中毒・・
ピーターガブリエルが抜けるまでの作品は全部聴きましたが、foxtrot. Selling England by the Pound
の二枚は別格に頭がおかしいと思いました。
音楽構成やらピーターの奇妙なボーカルラインとかすごすぎて、こういう音楽を聴くと悲しくなりますが、めげず音楽を作りたいと思います。

プログレバカさん、はじめまして。松和のマスターです。

「プログレの深く妖しい森」へようこそ(笑)。Yesの『危機』を
聴いて、プログレ中毒になったというのは、いや〜正統派ですね。

ジェネシスも『怪奇骨董音楽箱』から入られたとか。いや〜これも
正解(笑)。ジェネシスは80年代のポップ路線より、圧倒的に
70年代のプログレ路線が良いですよね。英国プログレらしさが
プンプン香って、いや〜良いですよね。

70年代プログレにめげずに、音楽頑張って下さい。
 

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ジェネシスは「大人のプログレ」:

« 爽やかフュージョン、心地よし | トップページ | ちょっと反則なんだが・・・ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

カテゴリー