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2008年6月 6日 (金曜日)

初夏はフュージョン、チックやね〜

初夏はフュージョンが良い。僕の場合、フュージョンとくれば、お気に入りは、チック・コリアとなる。仕事に疲れた頭には、お気に入りのミュージシャンが良い。通勤帰りの音楽は、チック・コリアである。

『Return To Forever』で、突如、楽園ジャズを展開し、時代の寵児となったチック・コリア。これは、誰が何と言おうと「純ジャズ」の範疇の、実に優れた、奇跡と言っても良いほどの名盤中の名盤である。

そんなチックが、突然、『Hymn Of The Seventh Galaxy(邦題:第7銀河の賛歌)』で、全面的にメンバーチェンジをして、エレキ・ギターを全面に押し出し、ロックやファンクのイディオムを大胆に導入した、ハードコアな、超重量級サウンドで、我々の度肝を抜きました。

そんなハードコアな、超重量級サウンドの「Return To Forever」の最終形というか、完成形を見たアルバムが『Romantic Warrior(邦題:浪漫の騎士)』(写真左)。 1976年2月の録音。パーソネルは、 Chick Corea(p,key), Al DiMeola(g), Stanley Clarke(b), Lenny White(ds)  。

そのハードコアでテンションの高い、超絶技巧なフュージョンは、とても4人だけの演奏とは思えない、それはそれは、重厚でハイレベルなものです。

「浪漫」という形容詞がつけば、それはもうチック・コリアの独壇場。冒頭の「Medieval Overture」の前奏から、チック節が全開。どこから聴いてもチックの世界。
 

Romantic_warrior

 
冒頭の「Medieval Overture」から5曲目の「The Magician」までは、チックのキーボードが全面に出て、チックのアレンジ、コンポージングの世界が展開されていて、ここまでくれば、バンドとしての演奏と言うよりは、チックとそのバック・バンドという雰囲気で、もう「Return To Forever」というバンドは必要無いって感じです。

それほど、ここでのチックは輝いている。とにかく、キーボードの使い方、鳴らし方が実に上手い。惚れ惚れする。旋律を美しく歌い、メロティを際だたせるキーボードは、恐らくチックの右に出る者はいないだろう。それだけ、彼は電子キーボードに精通している。チックのキーボードを愛でるには、この『浪漫の騎士』は最適の一枚である。

が、である。ラストの6曲目「Duel Of The Jester And The Tyrant (Part 1, 2)」を聴いて頂きたい。この演奏こそが、バンドユニットである「Return To Forever」の面目躍如。凄い演奏である。エレクトリック・ギターのAl DiMeola、 ベースのStanley Clarke、ドラムスのLenny Whiteが、ソロで輝いている。そして、バンド全体の一体感、秀逸なグループサウンド。

ラストの 「Duel Of The Jester And The Tyrant (Part 1, 2)」だけでも、このアルバムの価値があるっていうもの。その演奏の凄まじさ、テンションの高さ、は聴いていて、怖くなるほどです。僕は、大学時代、この演奏を聴いて、プログレ中心のロックのインストに聴き慣れた耳には、それはそれは、攻撃的で圧倒的で、暫く最後まで聴き通すのが辛かった思い出があります。

逆に、このラストの「Duel Of The Jester And The Tyrant (Part 1, 2)」が楽しく聴き通すことが出来るようになって、ジャズ・フュージョンを聴くことに自信を持ったことも懐かしい思い出。この『浪漫の騎士』は、僕にとって、実に思い出深いアルバムの一枚です。
 
 
 
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