こんなアルバムがあったんだ...
僕はチック・コリアのマニアである。ジャズを聴き始めの頃、かの名盤『Retuern to Forever』を聴いて以来、チックのピアノ、キーボード、楽曲にぞっこんである。ジャズを聴き始めて、はや30年以上、ず〜っとチックのマニアである。
よって、チックのリーダー・アルバムはほとんど所有している。もちろん、アコースティック系もエレクトリック系も全てである。とにかく、チックのピアノのタッチが好きで、電子ピアノ、シンセサイザーの使い方から手癖が好きで、彼の作曲した楽曲の、ちょっとスパニッシュな、美しい旋律が大好きだ。
しかし、それでも、まだ、所有していないアルバムが5〜6枚あるかなあ。つい最近、iTunes Storeを徘徊していて、久しぶりに「Chick Corea」で検索してみた。が、当然、「持っているアルバムばっかだよな〜」と思って見ているんだが、前から気になっているアルバムが一枚ある。1978年録音のライブ・アルバム『Live at MIDEM』(写真左)、ヴァイヴの名手、当時、もうベテラン中のベテラン、ライオネル・ハンプトンとの共演盤である。
「MIDEM」って、毎年1月、フランスのカンヌで行われている世界最大の国際音楽産業見本市(Marche international du Disque,de L'Edition Musical et de La Video Musiqu)らしい。よって、このライブは、フランスのカンヌでのライブ録音ってことになる(録音場所については「the stage of the Theater du Casino in Cannes, France」とある)。
このアルバムの存在は、学生時代から知っていた。1978年の録音で、確か1980年前後に、日本でもLPでリリースされた思い出がある。ジャケット・デザインは全く違うが、収録曲の中に、チックの名曲中の名曲「La Fiesta」のピアノ・ソロが入っていて、この1曲だけで買おうか買うまいか、暫く悩んだ思い出がある。ライオネル・ハンプトンって、スイング・ジャズ時代の人だし、その内容が疑わしかったので、結局、買わなかった。
今回、思い切って、iTunes Storeからダウンロードしてみた。安かったしね。通して聴いてみると、思ったより、スイング・ジャズ時代の巨匠、ライオネル・ハンプトンが、モダン・ジャズしていて、しっかりとハード・バップしているのに、まず感心。この時点で、ライオネル・ハンプトンって、1908年生まれなので、70歳なんだよね。それを考えると、この演奏は素晴らしい。チックを向こうに回して、堂々とアドリブを繰り広げている。
で、チックと言えば、チックの手癖、フレーズが炸裂。どこからとってもチックのピアノだと判る所が凄い。ライブなので、演奏のノリは良い感じ。ただ、録音の塩梅なのか、マスタリングの塩梅なのか、鮮度が少し低くて、抑揚に欠けているところが惜しい。誰か、最新の技術で、デジタル・リマスタリングしてくれないだろうか。ライオネル・ハンプトンのヴァイヴも、もっと輝かしいものになると思うんだけどなあ。
それでも「La Fiesta」のピアノ・ソロは良い。録音が良ければもっと良かったのに、と返す返す惜しまれるが、とにかく曲が良いのと、チックならではのタッチが、マニアの僕にはたまらない。まあ「La Fiesta」と聞いて、それがチックのピアノだったら「なんでも通し」なんだけどね(笑)。
このアルバム、チックのマニアにはお勧めですね。持っていて損はないです。ライオネル・ハンプトンも健闘しているし、チック・コリア&ゲイリー・バートンのデュオとは、また違った感じの、ピアノとヴァイヴの共演です。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« このシルバーは上級者向けです。 | トップページ | 懐かしきジョー・ウォルシュ »
コメント