ノンビリ、ホンワカなジャズ
鋭く切れ込むような、テンション高く、スカッとするジャズも良いが、このジメジメする梅雨の頃から真夏にかけては、ちょっと暑苦しく感じることがある。そんな時は、ノンビリ、ホンワカ、まん丸なジャズが聴きたくなる。
ノンビリ、ホンワカな、まん丸なジャズ。僕は時々、アート・ファーマーが、フリューゲルホルンで吹き通したアルバムを取り出しては、バーボン片手に、本を読みながら、ゆったりした気分で聴き流す。
フリューゲルホルン(下の写真)とは、外観はコルネットに似るが、より管の内径が太い金管楽器の一種。音色は、トランペット、コルネットと比較して、「より太く」「より豊かで暗く」「甘く美しい」。コルネットと同程度には機敏と言われるが、速いパッセージは苦しい。また、使用するマウスピースの深さから、高音域の演奏はより難しいとされる。
このフリューゲルホルンの特性を活かした、ノンビリ、ホンワカ、まん丸なジャズ・アルバム。今日、聴いたアルバムは、アート・ファーマーの『Interaction』(写真下左)。1963年7月の録音。パーソネルは、Art Farmer (flh) Jim Hall (g) Steve Swallow (b) Walter Perkins (ds) 。
このアルバム、結構、巷では評判が悪かったりする。「下手くそ」「凡庸」などとバッサリ切るジャズ愛好家の方もいる。でも、僕は、このファーマーの、まったりとした、ホンワカ、まん丸なフリューゲルホルンの音色が癖になって、このアルバムは、時々、取り出しては聴いている。
冒頭の「The Days Of Wine And Roses(酒とバラの日々)」や、3曲目の「My Little Suede Shoes」等のスタンダードで、ファーマーのフリューゲルホルンが良い味を出している。ファーマーのフリューゲルホルンの音色が、まったり、ホンワカ、まん丸で、ノンビリした音色なので、なんだか下手くそに感じるが、音程はしっかりしており、結構、端正なアドリブを繰り広げている。
注目すべきは、ジム・ホールのギターで、まったりとした、まん丸な音色でありながら、テンションの高い、テクニック溢れるハード・バップ・ギターを聴かせてくれる。このアルバムでは、意外にホールが弾きまくっていて、繰り返し聴いていると、ジンワリ〜ジンワリと、ホールのギターが染みてくる。
ウォルター・パーキンスのドラムも、繊細かつ柔軟、テクニカルで小粋で小技の効いた、パーカション的なドラミングを効かせてくれる。スティーブ・スワローのベースが効いている。まったり、ホンワカ、まん丸で、ノンビリした雰囲気の演奏の中で、しっかりとビートを効かせて、演奏のボトムを支えている。
僕はこのアルバムが好きです。まったり、ノンビリ、ホンワカ、まん丸なジャズ。時には、こんなジャズも良い。特に、この季節になると、時々、引っ張り出しては聴きたくなる。僕にとっては、そんな不思議な魅力を持ったアルバムです。
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