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2008年6月の記事

2008年6月30日 (月曜日)

ノンビリ、ホンワカなジャズ

鋭く切れ込むような、テンション高く、スカッとするジャズも良いが、このジメジメする梅雨の頃から真夏にかけては、ちょっと暑苦しく感じることがある。そんな時は、ノンビリ、ホンワカ、まん丸なジャズが聴きたくなる。

ノンビリ、ホンワカな、まん丸なジャズ。僕は時々、アート・ファーマーが、フリューゲルホルンで吹き通したアルバムを取り出しては、バーボン片手に、本を読みながら、ゆったりした気分で聴き流す。

フリューゲルホルン(下の写真)とは、外観はコルネットに似るが、より管の内径が太い金管楽器の一種。音色は、トランペット、コルネットと比較して、「より太く」「より豊かで暗く」「甘く美しい」。コルネットと同程度には機敏と言われるが、速いパッセージは苦しい。また、使用するマウスピースの深さから、高音域の演奏はより難しいとされる。

Flugel

このフリューゲルホルンの特性を活かした、ノンビリ、ホンワカ、まん丸なジャズ・アルバム。今日、聴いたアルバムは、アート・ファーマーの『Interaction』(写真下左)。1963年7月の録音。パーソネルは、Art Farmer (flh) Jim Hall (g) Steve Swallow (b) Walter Perkins (ds) 。

このアルバム、結構、巷では評判が悪かったりする。「下手くそ」「凡庸」などとバッサリ切るジャズ愛好家の方もいる。でも、僕は、このファーマーの、まったりとした、ホンワカ、まん丸なフリューゲルホルンの音色が癖になって、このアルバムは、時々、取り出しては聴いている。
 

Art_farmer_interaction

 
冒頭の「The Days Of Wine And Roses(酒とバラの日々)」や、3曲目の「My Little Suede Shoes」等のスタンダードで、ファーマーのフリューゲルホルンが良い味を出している。ファーマーのフリューゲルホルンの音色が、まったり、ホンワカ、まん丸で、ノンビリした音色なので、なんだか下手くそに感じるが、音程はしっかりしており、結構、端正なアドリブを繰り広げている。

注目すべきは、ジム・ホールのギターで、まったりとした、まん丸な音色でありながら、テンションの高い、テクニック溢れるハード・バップ・ギターを聴かせてくれる。このアルバムでは、意外にホールが弾きまくっていて、繰り返し聴いていると、ジンワリ〜ジンワリと、ホールのギターが染みてくる。

ウォルター・パーキンスのドラムも、繊細かつ柔軟、テクニカルで小粋で小技の効いた、パーカション的なドラミングを効かせてくれる。スティーブ・スワローのベースが効いている。まったり、ホンワカ、まん丸で、ノンビリした雰囲気の演奏の中で、しっかりとビートを効かせて、演奏のボトムを支えている。

僕はこのアルバムが好きです。まったり、ノンビリ、ホンワカ、まん丸なジャズ。時には、こんなジャズも良い。特に、この季節になると、時々、引っ張り出しては聴きたくなる。僕にとっては、そんな不思議な魅力を持ったアルバムです。
 
 
 
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2008年6月29日 (日曜日)

オールマンズ、再び...

今日は一日雨。それも結構強い雨が降り続いて、今日は買い物にも出ず、終日、家でホームページ開設の準備作業に没頭。その作業のバックで、今日はオールマン・ブラザース・バンド(以下オールマンズと略す)が流れている。

雑誌「ストレンジ・デイズ」の特集が、オールマンズ。オールマンズ・ファミリーのソロ作品6タイトルがSHM-CD (紙ジャケ) 仕様で登場するのを受けての特集なんだろう。僕にとって、今でも時々聴くほどの「お気に入りバンド」であるオールマンズ。久しぶりにオールマンズの記事を興味深く読み返した。

Allmans_an_evening_firstset

オールマンズのライブといえば、「フィルモア・イースト・ライブ」だが、他にもそれに匹敵するライブ盤がある。再々結成後のライブ盤になるが、お勧めなのが『An Evening with the Allman Brothers Band: First Set』(写真左)。新生オールマンズの初のライブ・アルバムで、1991年から1992年にかけてのツアーから、3カ所のテイク。

再々結成後初のライヴ・アルバムということで新曲ばかりかなあと思いきや、ファースト・アルバムから『Dreams』、セカンド・アルバムから『Revival』、「イート・ア・ピーチ」から『Melissa』と『Blue Sky』、と70年代のアルバムからのチョイスが泣かせる。アコースティック仕様の『Melissa』は渋いし、インスト・ナンバー「Nobody Knows」は格好良い。演奏内容も良く、テンションも適度で、一気に聴き通してしまう。

特にWarren Haynesのギターが良い。Jaimoe、Marc Quinones、Butch Trucksのダブル・ドラムス、ワン・パーカッションの編成は迫力満点。再々結成後のオールマンズは、実に魅力的なグループとなっています。『An Evening with the Allman Brothers Band: First Set』は、オールマンズ・マニアの方々には、お勧めの一枚です。
 
 
 
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2008年6月28日 (土曜日)

懐かしきジョー・ウォルシュ

梅雨空が続いている。一日スッキリしない曇り空。しかも、じっとり高湿度。ちょっと動くと汗が噴き出てくる。というもの、4.5畳の納戸に蟻が上陸していることを嫁はんが突き止めてから、いきなりの大掃除状態に。いやはや、4.5畳の納戸は綺麗になりました。

昨日は、本業の仕事の方で、結構、テンションの高い仕事をしており、流石に、金曜日の夜、精神的な疲れはピークに達し、昨晩は早々に床に入って爆睡状態でした。よって、ブログはお休みしました m(_ _)m。

さて、これだけジメジメした梅雨空には、爽やかな音楽が良いですね。今日は土曜日。70年代ロックが聴きたい気分。爽やかなロックといえば、ウエストコースト。ウエストコースト・ロックのが聴きたい。そういえば、最近、ジョー・ウォルシュの『But Seriously, Folks...(邦題:ロスからの蒼い風)』を安く手に入れたっけ、ということで、今日はこれ。

ジョー・ウォルシュ(Joe Walsh, 1947年生まれ)。1969年にハードロックバンド、ジェイムス・ギャングでデビュー、その後バーンストーム結成、ソロ活動後、1975年、イーグルスに加入。イーグルス解散後も、ソロ活動を継続している。1994年にイーグルスが再結成後はイーグルスを中心に活躍中。まあ、僕たちにとっては、やはり、イーグルスの最後のギタリストという印象が強いですね。
 

Joe_walsh_but_seriously

 
この『But Seriously, Folks...』は、そのジョー・ウォルシュの1978年のソロ・アルバム。本家イーグルスにとって、1978年と言えば、ウェストコースト・サウンドの到達点とも言える名作『Hotel California』のリリースと、ラスト・アルバム『The Long Run』のリリースの狭間にあたる。いわゆる、非常に微妙な時期のリリースだった訳だが、そんな悩ましい雰囲気は微塵も感じられない、爽快な内容のアルバムである。

イーグルスのメンバーも参加して、全面的にウォルシュをバックアップしており、この同一メンバーで作ったイーグルスのアルバムが、どうして、『The Long Run』の様な、なんだか良く判らない、散漫な内容のアルバムになったかが判らない。それくらい、このジョー・ウォルシュのソロ・アルバムは充実している。イーグルスのアルバム、と言って良いくらい、ジョー・ウォルシュのソロ・アルバムでありながら、イーグルスの良い部分が溢れています。

これぞ、ウエストコースト・ロックって感じがとても心地良く、演奏内容も充実していて、このアルバムは、ジョー・ウォルシュの代表作の一枚でしょう。どの曲も出来が良く、アレンジも良い。ウォルシュのこぶしの効いた歌い方が実に心地良い。

邦題の「ロスからの蒼い風」も良かった。特に「蒼い」の部分が当時、実に気に入っていて、よくいきつけの喫茶店で、友達に繰り返し語ったものだ。水中でご馳走を食べる感じの、色鮮やかなカヴァー・アートも良い感じ。

このアルバム、イーグルス・ファンはもとより、ウエストコースト・ロックのファンの方には、マストアイテムでしょう。US盤がリーズナブルな価格で出ています。今が買いかも...(笑)。
 
 
 
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2008年6月26日 (木曜日)

こんなアルバムがあったんだ...

僕はチック・コリアのマニアである。ジャズを聴き始めの頃、かの名盤『Retuern to Forever』を聴いて以来、チックのピアノ、キーボード、楽曲にぞっこんである。ジャズを聴き始めて、はや30年以上、ず〜っとチックのマニアである。

よって、チックのリーダー・アルバムはほとんど所有している。もちろん、アコースティック系もエレクトリック系も全てである。とにかく、チックのピアノのタッチが好きで、電子ピアノ、シンセサイザーの使い方から手癖が好きで、彼の作曲した楽曲の、ちょっとスパニッシュな、美しい旋律が大好きだ。

しかし、それでも、まだ、所有していないアルバムが5〜6枚あるかなあ。つい最近、iTunes Storeを徘徊していて、久しぶりに「Chick Corea」で検索してみた。が、当然、「持っているアルバムばっかだよな〜」と思って見ているんだが、前から気になっているアルバムが一枚ある。1978年録音のライブ・アルバム『Live at MIDEM』(写真左)、ヴァイヴの名手、当時、もうベテラン中のベテラン、ライオネル・ハンプトンとの共演盤である。

「MIDEM」って、毎年1月、フランスのカンヌで行われている世界最大の国際音楽産業見本市(Marche international du Disque,de L'Edition Musical et de La Video Musiqu)らしい。よって、このライブは、フランスのカンヌでのライブ録音ってことになる(録音場所については「the stage of the Theater du Casino in Cannes, France」とある)。
 

Chick_lionel

 
このアルバムの存在は、学生時代から知っていた。1978年の録音で、確か1980年前後に、日本でもLPでリリースされた思い出がある。ジャケット・デザインは全く違うが、収録曲の中に、チックの名曲中の名曲「La Fiesta」のピアノ・ソロが入っていて、この1曲だけで買おうか買うまいか、暫く悩んだ思い出がある。ライオネル・ハンプトンって、スイング・ジャズ時代の人だし、その内容が疑わしかったので、結局、買わなかった。

今回、思い切って、iTunes Storeからダウンロードしてみた。安かったしね。通して聴いてみると、思ったより、スイング・ジャズ時代の巨匠、ライオネル・ハンプトンが、モダン・ジャズしていて、しっかりとハード・バップしているのに、まず感心。この時点で、ライオネル・ハンプトンって、1908年生まれなので、70歳なんだよね。それを考えると、この演奏は素晴らしい。チックを向こうに回して、堂々とアドリブを繰り広げている。

で、チックと言えば、チックの手癖、フレーズが炸裂。どこからとってもチックのピアノだと判る所が凄い。ライブなので、演奏のノリは良い感じ。ただ、録音の塩梅なのか、マスタリングの塩梅なのか、鮮度が少し低くて、抑揚に欠けているところが惜しい。誰か、最新の技術で、デジタル・リマスタリングしてくれないだろうか。ライオネル・ハンプトンのヴァイヴも、もっと輝かしいものになると思うんだけどなあ。

それでも「La Fiesta」のピアノ・ソロは良い。録音が良ければもっと良かったのに、と返す返す惜しまれるが、とにかく曲が良いのと、チックならではのタッチが、マニアの僕にはたまらない。まあ「La Fiesta」と聞いて、それがチックのピアノだったら「なんでも通し」なんだけどね(笑)。

このアルバム、チックのマニアにはお勧めですね。持っていて損はないです。ライオネル・ハンプトンも健闘しているし、チック・コリア&ゲイリー・バートンのデュオとは、また違った感じの、ピアノとヴァイヴの共演です。
 
 
 
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2008年6月25日 (水曜日)

このシルバーは上級者向け....

昨日、ブルーノートの1518番、ファンキー・ジャズの原点と言われる『Horace Silver and the Jazz Messengers』をご紹介しました。実は、ブルーノートの1520番に同じジャケット写真で、赤いシルバーのアルバムがある(1518番は青のシルバーでしたね)。

そのアルバムとは『Horace Silver Trio And Art Blakey-Sabu』(写真左)。1952年、1953年にそれぞれ録音されたアルバムです。昨日ご紹介した1518番は、1954年、1955年の録音ですから、カタログ番号が後でも、今回ご紹介する『Horace Silver Trio And Art Blakey-Sabu』の方が古い録音になります。

さて、このアルバム、ピアノのホレス・シルバーとドラムのアート・ブレイキー、そして曲によってベースが変わり、コンガのサブーが加わる変則ピアノ・トリオ編成。ファンキー・ピアノでならしたシルバーのピアノ・トリオですから、変則編成とはいえ、期待が高まるのですが、これがそうではない。

このアルバムは、シルバーの初の自己名義アルバム。しかも、録音年は1952ー53年。まだ、ファンキー・ジャズの言葉は無い。冒頭の一曲目「Safari」を聴けばビックリ。ファンキー・ジャズどころか、最初聴いた時は、バド・パウエルが弾いているのかと思った。1952ー53年のジャズ界。ジャズ・ピアノについては、まだまだバド・パウエルの影響が大きかったんだろう。
 

Horace_blakey_sabu

 
このアルバムでのシルバーは、バド・パウエルによく似ていて、まだ、彼特有の個性が前面に出ていない。左手の使い方が、ちょっとパウエルとは違うかな、くらい。楽曲は全てビ・バップ調。しかし、ブレイキーのドラムは違う、ビ・バップのドラミングとは明らかに違う。ハード・バップにつながるドラミングをこのアルバムで既に自分のものにしているのは立派。

加えて、このアルバム、4曲目「Message from Kenya」で、ブレイキーのドラムとサブーのコンガのデュオが展開される。出だし、いきなりサブーの雄叫び。ビックリである。加えて、またまたビックリなのが、10曲目「Nothing But the Soul」。ここでは、ブレイキーのドラムソロが展開される。この2曲でのブレイキーのドラミングは凄い。でも、このアルバムって、ホレス・シルバー名義のトリオアルバムじゃなかったっけ。

このアルバムは、何をテーマにとりまとめたのか? プロデューサーのアルフレッド・ライオンに訊いてみたい。よく判らん。でも、1952ー53年のジャズ・シーンが、このアルバムを透して見えるようで、ジャズの歴史、スタイルの歴史に興味のある方には、実に面白い聴きものだと思います。決してジャズ初心者向けのアルバムではありません。どちらかと言えば、上級者向けかと思います。

ちなみに、このアルバムの1952年の録音は、当初は、ルー・ドナルドソン(as)のリーダー・セッションの予定だったのが、ドナルドソンが都合で来られず、やむなくリズム隊だけで録音することになったそうです。その時、シルバーはオリジナル曲を持ち合わせており、この録音になった次第。シルバーのリーダー・デビュー録音はひょんなことから生まれたんですね〜。

ということで、ビートルズのベスト盤「青盤」「赤盤」のように、このシルバーの「青盤」と「赤盤」は、必ずしも対で所有しなくても良いと思われます(笑)。「青盤」はジャズ初心者の方々にお勧め、「赤盤」はジャズ上級者の方々にお勧め、って感じですね。
 
 
 
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2008年6月24日 (火曜日)

Mr.ファンキー「Horace Silver」

「脳の疲れ」を取るには、音楽が良い。僕にとっては、柔らかで優しい、それでいて、ちょっぴり心地良い刺激のあるジャズが良い。そして、なんとなく疲れが取れてきたら、今度は、ジャズの王道、典型的なハード・バップの演奏を聴くのが良い。それも、判りやすくて、ノリの良い、ミッド・テンポのファンキー・ジャズが良い。

典型的なハード・バップ&ファンキー・ジャズ。多くあるハード・バップの名盤、その中の一枚が『Horace Silver and the Jazz Messengers』(写真左)、ブルーノートの1518番。このアルバムは、ファンキー・ジャズの原点と言われる。パーソネルは、Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (d)。

録音した当時、1954年当時は「ファンキー・ジャズ」という言葉は無かったと思う。恐らく、当時、このアルバムの演奏は、ジャズの最先端、最も「クール」な演奏内容だったのだろう。ブルージーでありながら、決して暗くならず、マイナーでありながら、ポジティブな音の響き。黒人音楽独特の粘りと踊るようなビート感。この雰囲気が、当時一番「クール」な響きだったのだろう。

6曲目の「Hankerin'」がハンクの作曲以外、他の曲は全て、シルバーの作曲。この響きは、きっと作曲者のシルバーと録音メンバー達が、知恵を絞り、考えに考えて、工夫に工夫を重ねて、この響きになったんだろう。とにかく、音の重ね方、音の響き、音の雰囲気、音の回し方、どれをとっても、既に、後に「ファンキー・ジャズ」と呼ばれる特徴を十二分に備えている。
 

Horace_silver_jm

 
ファンキー・ジャズといえば、何となく、判りやすくて俗っぽい感じがするんだが、このアルバムでの演奏は、決して俗っぽくない。俗っぽいどころか、アーティスティックな香りすらする、高尚な世界。ジャズが芸術である、ということを思い出させてくれるような、素晴らしい演奏。どの曲も素晴らしい演奏。ハード・バップのショーケースである。

トランペットのドーハムが溌剌としていて、テクニックも申し分無く、「ドーハムってこんなに巧かったっけ」と嬉しくなる。モブレーのテナーもダイナミックで、「モブレーってこんなに雄々しかったっけ」と嬉しくなる。シルバーのピアノは実にファンキーで、ブレイキーのドラムは申し分無い。おっとっと、ワトキンスのベースもファンキーだ。

このアルバムには、シルバー最初のヒット曲「The Preacher」が収録されている。テーマが実にキャッチャーで旋律が追いやすく、口ずさめる名旋律である。僕には、「線路は続くよどこまでも」と「権兵衛さんの赤ちゃんが風邪ひいた」とがミックスされたような旋律に聴こえて、実にユーモラス。ヒットしたのは良く判る。とにかく、判りやすくて、ノリの良い、絵に描いたようなファンキー・ジャズの名曲である。

この「The Preacher」について、エピソードをひとつ。ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、どうしてもこの「The Preacher」が、いまいち俗っぽくて好きになれない。もう少しアーティスティックであっても良いのではないか。それでも、この「The Preacher」はヒットした。当然、当時弱小レーベルだったブルーノートの台所が潤った。自転車操業が一息つき、腰を据えて、アルバムを作る環境が出来上がった。そういう意味では、「The Preacher」という曲は、ブルーノートからみれば、孝行息子的なヒット曲ということになる。

それでも、アルフレッド・ライオン、晩年、インタビューに応えて一言、「今でもあの曲(The Preacher)は、corny(新鮮味のない, 陳腐な、感傷的な, の意)だと思っている」。う〜ん、ジャズの歴史にその名を残す名プロデューサー、アルフレッド・ライオンの面目躍如である。
 
 
 
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2008年6月23日 (月曜日)

典雅なピアノ・トリオ....

昨日の昼過ぎから、降る降る降る降る雨が降る。いや〜、よく降りますねえ〜。今日も会社からの帰り、最寄りの駅を出たら、どば〜っと雨。梅雨だから仕方がないとはいえ、やっぱり雨は好きになれないなあ。

さて、このところ、本業の方で、頭脳労働忙しく、土日休んでも、なかなか「脳の疲れ」が取れない。こんな時って、刺激的な音楽は駄目。脳が破裂する。脳が疲れた時は焦らず騒がず、柔らかで優しい、それでいて、ちょっぴり心地良い刺激のあるジャズが良い。

このところ、お気に入りなピアノ・トリオがある。ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)の『For My Father』(写真左)。パーソネルは、Hank Jones(p),George Mraz(b),Dennis Mackrel(ds)。

ジャズ界で有名な「ジョーンズ3兄弟」の長男ハンク・ジョーンズがリーダー。弟のサドもエルビンも兄貴よりも先に天国に召されちゃって、さぞかし寂しい思いをしているんだろうな。順番、逆やもんな。特に、エルビンとはついこの前、何十年ぶりかに一緒にやっていたばかりなのに。ハンク・ジョーンズは1918年生まれなので今年で87歳。現役ジャズピアニストとしては最長老であろう。

Hank_jones_for_my_father

で、この『For My Father』である。このアルバムでのハンクのピアノは、一言で言うと「典雅(てんが)」。「典雅」とは「正しく整っていて上品なさま」の意。これほどまでに「典雅」なジャズ・ピアノは聴いたことが無い。

高速で超絶技巧なインプロビゼーションを展開する訳でもない。アブストラクトでフリーで尖ったフレーズで攻める訳でもない。全ての演奏をミッド・テンポからスロー・テンポで固めて、ピアノとベースとドラムが、平等にアドリブを交換する。なんの変哲も無い、どちらかというと地味なピアノ・トリオなんだが、実に味がある、玄人好みの演奏なのだ。

ミッド・テンポからスロー・テンポだからといって、弛緩は一切無い。逆に、演奏の底にピーンと張った「心地良い」テンション。ピアノ・タッチは、柔らかで優しいタッチながら、しっかりと鍵盤を押し切っている。自らの年齢とテクニックと、しっかりと折り合いをつけて、ハンクの年齢ならではの「典雅」で「ジェントル」なピアノを聴かせてくれる。こんなにしっかりとしたタッチの「典雅」なジャズ・ピアノは他に聴いたことが無い。職人ハンクの面目躍如。

ベースのムラーツも良い。太くてタイトな「ブンブン」となるベース。かといって、決して前に出て目立つことは無い。大人のベース。そして、このアルバムで感心したのが、デニスのドラム。Dennis Mackrelの名前には、あまり馴染みが無かったのだが、このアルバムでのドラムは素晴らしい。繊細ではあるが、確かなテクニックとタイム感覚に支えられた、そうハンクと同じ「典雅」で「ジェントル」なドラム。

良いピアノ・トリオです。高速で超絶技巧なインプロビゼーションで、ピアノとドラムとベースとが、三つ巴になって、丁々発止とやりあう、手に汗握るアドリブ合戦も良いが、大人のジャズとして、この『For My Father』みたいなアルバムが、意外と飽きが来なくて、愛聴盤になっていったりするのだ。

この『For My Father』、「脳の疲れ」に実に良い感じです。
 
 
 
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2008年6月22日 (日曜日)

懐かしの Olivia Newton John

一週間ほど前、ボーッとテレビを見ていて、仲間由紀恵が出演するロッテのガム「キシリトール(XYLITOL)」のテレビCMから、懐かしい曲が流れてきた。どっかで聴いた、懐かしいボーカル。これって、確か、オリビア(Olivia Newton John)ちゃうか?

調べてみたら、そのCMって「クローバー篇」と「ペンキ塗り篇」と2パターンあって、このCMで使われているソングは、やはり、オリビア(Olivia Newton John)の「そよ風の誘惑(愛は眠らない)」。僕には、原題の「Have You Never Been Mellow」の方が通りが良い、1975年、ビルボード1位に輝いた名曲である。

久しぶりにオリビアのボーカルを聴いて、無性に彼女の「Take Me Home, Country Roads(故郷に帰りたい〜カントリー・ロード)」を無性に聴きたくなった。僕にとっての最初のオリビアとの出会いは、この「Take Me Home, Country Roads」なのだ。

この曲が聴けるアルバムは、と探し始めたら、まずはベストアルバムが引っかかるが、ベストアルバムではいけない。深夜ラジオで初めて彼女のボーカルを聴いた、「Take Me Home, Country Roads」を聴いた、1973〜74年当時の彼女のアルバムがあったはず。

Let_me_be_there

で、あったあった。『Let Me Be There』(写真左)である。1973年発売、日本では未発表の3rdアルバム。アルバム・タイトルの「Let Me Be There」はビルボードでは6位まで昇り、その年のグラミー賞にも輝きました。

このアルバムでのオリビアは、とても全体的にとても明るく、柔らかいボイスで、リラックスした雰囲気で歌っており、アルバム全体の雰囲気は、ポジティブでポップで健康的な「カントリー・ロック」といった感じですね。全編を通して、落ち着いて、リラックスした気分で聴けます。

今回入手したCDは、オーストラリア盤で、デジタル・リマスターが施されており、音が実に良いです。「Take Me Home, Country Roads」を久しぶりに聴いて、ベースが効いた、メリハリのある伴奏だとは思いませんでした。音の粒立ちも良く、これから購入する方には絶対のお勧めです(ジャケットの右下にDigitally Remasteredと書かれているのが、オーストラリア盤だそうです)。

「Take Me Home, Country Roads(故郷に帰りたい〜カントリー・ロード)」を久しぶりに聴いて、想いは、高校時代へ。ロックを聴くのに疲れたら、家で密かにオリビアを聴いたっけ。特にこの「故郷に帰りたい」は、本家本元ジョン・デンバーのバージョンと共に、大好きな楽曲です。

なんだか、宮崎アニメの『耳をすませば』を観たくなってきました(笑)。
 
 
 
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2008年6月21日 (土曜日)

「美しき生命」は聴き心地良し

昨晩から、やっとまとまった雨が降り出した。今日は、雨が降ったり止んだりの典型的な梅雨空。夏至の日の今日、本格的な梅雨空に戻った千葉県北西部地方です。

昨晩は、久しぶりにブログをお休みしました。本業の仕事の方が立て込んでいて、さすがに今週は精神的に疲れました。新しいものを生み出すには、それなりの労力が伴いますが、頭脳労働という世界は、精神的な疲れが激しい。そんな訳で、昨晩は、ちょっとした「お疲れ休み」でした。

さて、今日は土曜日。外は本格的な梅雨空。そんな中で、夕方カットに行くまで、昼からはノンビリ。最近入手した、コールドプレイの最新アルバム『美しき生命(原題:Viva La Vida or Death And All His Friends)』(写真左)を聴く。

『美しき生命』は、コールドプレイの4枚目のアルバム。コールドプレイとは、英国のロックバンド。1996 年、ロンドン大学で出会った4人が結成。コールドプレイがデビューして以来発表したアルバムはすべて全英ナンバーワンを獲得。全世界で、2005年に最も多く売れたアルバムが『X&Y』で、発売から半年のあいだに830万枚を売上げた。

コールドプレイは、大阪のお嬢の薦めで聴き始めたグループなんだが、これがもう、70年代英国系ロックバンドの雰囲気を継承していて、そういう意味で、ブリティッシュ・ロックの正統な継承者である。これが、実に良い音出していて、最近のロックバンドの中では、お気に入りのバンドである。

Coldplay_viva

その独特なウェットな雰囲気、濡れている音と湿ったエコー。曇った空の様にくすんでいるが、所々に日差しが差し込む様な「ほのかな明るさ」。泣いちゃっているような、深いエコーのかかったボーカル。叙情的なギターの音。印象的に活躍するピアノ。どれを取っても、ブリティッシュ・ロックの独特な音作りを踏襲しており、70年代英国プログレッシブ・ロックを聴き慣れた耳には、実に懐かしく、実に耳に馴染む、とても心地良い音だ。

最近、i-PodのCMを観てたら良い曲が流れてきて、その時、直感的に思ったのは「これはコールドプレイの音じゃないのか」。調べてみたら、確かにそれは彼らの曲でした。そのコールドプレイが、2008年6月11日に出した新作が『美しい生命』。これが、実に良い。まだ5〜6回しか聴いていないので、詳細に踏み込んだ御紹介は出来ないが、前作『X&Y』からは大きくステップアップしたというか、次なる展開に大きく踏み出した、マイルストーン的な内容である。

とにかく、全体の雰囲気が「ポジティヴ」になった。独特のウェット感、濡れている音と湿ったエコーはそのままなんだが、曇った空が明るく、ところどころ晴れ間が見えるようになった感じ。ボーカルも情感豊かではあるが、躍動感溢れ健康的。特に、ギターが前面に出て大活躍し、ピアノ・バンドからギター・バンドへの衣替え。収録されているどの曲も出来が良い。今までリリースされたアルバムの中では、群を抜く出来だと思う。

この『美しき生命』を聴くと、以前のアルバムにも増して、1970年代ブリティッシュ・ロックとの親和性が感じられて、70年代ロックのマニアである僕にとっては、実に聴き心地の良い「コールドプレイ」である。
 
 
 
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2008年6月19日 (木曜日)

ちょっと反則なんだが・・・

先週の土日の梅雨の中休みの晴天から、今週はまとまった雨が無い。スカッと晴れることは無いんだが、空は明るくて、19時まで明るい。この夏至の季節は大好きで、この19時まで明るいって、なんだか一日の時間が長くなったように感じて、学生時代から大好きな季節だ。

さて、ジャズの話題。最近、久々に、チャールズ・ロイドの1960年代後半のライブアルバムを何枚か聴いた。チャールズ・ロイドと言えば、いずこからか、突如、フラワームーブメントと共に登場し、その「したたかなビジネス手腕」と「時代を見据えたアンテナ」で時代の寵児となり、「機を見るに敏な、いかさま商人」と言われる。

ちょっと厳しい言い方じゃないの、と思われる方もいらっしゃるかと思うが、実は、僕も長年、そう思っている。今日の話題となるロイドのライブアルバムである『Flowering』(写真左)や『Forest Flower』(写真右)を聴いていただくと判ると思うが、ロイドのサックスはまったくのジョン・コルトレーンのコピーである。

コルトレーンは晩年、フリー・ジャズに走り、情感を叩き付けるような、鬼気迫るフリー・インプロビゼーションを延々と長時間に渡って吹き続け、さすがのコルトレーン・ファンも、どんどんコルトレーンがら離れていった。当然、「機を見るに敏な」ロイドは、そんなフリーキーなコルトレーンのコピーはしない。

コルトレーンのトーンを真似ながらも、心地よく聴きやすく判りやすい「擬似コルトレーン」を演じることによって、聴衆の心を掴んだ。フワフワした音とコルトレーンそっくりの音色。そして判りやすいインプロビゼーション。

コルトレーン亡き後、「コルトレーンがこんな風に吹いてくれたら」という一般聴衆の願いをそのまま実現した、実に胡散臭いテナー・サックスである。特に、『Forest Flower』は、時折、ジャズ入門書にジャズ初心者向けの推薦盤として名前が上がっているが、なぜこのアルバムがジャズ初心者向けの推薦盤なのかが良く判らん。

「胡散臭いんなら何故聴くのか」と問われることが時々あるが、ジャズ鑑賞のマナーとしては、ちょっと反則なんだが、それはバックの演奏にある。この時代のチャールズ・ロイドのバックは、キース・ジャレット(p)、セシル・マクビー(b)、ジャック・デジョネット(ds)。なんと、キースとデジョネット(かの「スタンダーズ」のピアノとドラム)は、ここで出会っていたのだ。
 

Charles_lloyd

 
チャールズ・ロイドがサックスを吹いているバックでも、このリズム・セクションの3人は、自分たちの好きなように演奏している風で、リーダーであるロイドのサックスを盛り上げたり、持ち上げたり、目立たせたりはしていない。と言うか、ロイドの音は聴いていない風。逆に、ロイドがリズム・セクションの変化に合わせて吹いているような、一種異様な雰囲気のライブである(笑)。

とにかく、ロイドのバックで弾きたおすキースのピアノは凄い。後に「スタンダーズ」で聴かれるキースの手癖、トーン、アプローチ、音色はしっかりとこの時期に、既に確立されているのが判る。良く聴き耳をたてると、この時期、もう既に「弾きながら唸って」います(笑)。

特に、ジャズ・スタンダードの曲でのキースのピアノは素晴らしい。後の「スタンダーズ」でのインプロビゼーションのプロトタイプがここで既に聴ける。キース・ファンの方には、一度、聴いていただきたいです。ここでのキースを聴くと、思わずニンマリとしますよ。

ドラムのデジョネットも同様で、さりげないポリリズムの中、間と密度を硬軟自在に織り込みながら、切れ込み鋭い、ピアノに絡むようなドラミングは、既にこの時期に確立されているのが判る。逆に、セシル・マクビーのベースは良いことは良いんだが、新旧のベースが入り混ぜとなった状態で、ちょっとキース+デジョネットのコラボレーションとの間には少し溝がある、というか、少しソリが合っていないのが残念。しかし、かなり尖った、当時において最先端のベースは迫力満点。

とにかく、このチャールズ・ロイドのリズム・セクションを張っていた、キース、デジョネット、マクビーのトリオは凄い。特にキースのピアノには納得する。「栴檀は双葉より芳し」である。

チャールズ・ロイドの「時代の寵児」としての時代の終焉は早かった。しかし、キースとデジョネットは、逆に、着実に一流への階段を上っていった。そして、1983年、ゲイリー・ピーコックをベースに迎え、伝説のピアノ・トリオ「スタンダーズ」として、最初のアルバムを録音する。それ以降の「スタンダーズ」の躍進は、ジャズ界の伝説となっている。
 
 
 
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2008年6月18日 (水曜日)

ジェネシスは「大人のプログレ」

高校時代の前半、僕はプログレ小僧だった。とにかく、プログレッシブ・ロックが大好きで、学校から帰ったら、勉強しながら「プログレ」。寝る前、床に入って「プログレ」。大学に入って、ジャズに嗜好がシフトしてからも、ジャズに聴き疲れた「耳休め」に、気分展開に聴くのは「プログレ」だった。

そんな高校時代、プログレ・バンドの中で、ジェネシスが苦手。ジェネシスは、70年代、プログレッシブ・ロックバンドとして名を馳せたが、これはビックリ、フィル・コリンズ中心に、80年代を代表するポップバンドとして、180度の転換、宗旨替えしたイギリスのグループである。

僕にとって、プログレ時代のジェネシスは摩訶不思議なプログレ・バンドだった。キング・クリムゾンの様に、圧倒的な演奏力と構築力、そしてカリスマ性を誇る訳でもない。イエスの様に、超絶技巧な演奏テクニックとシンフォニックで劇的な展開を「売り」にする訳でもない。ELPの様に、圧倒的体力を全面に押し出した、体育会系バカテク集団でもない。ピンク・フロイドのように、演奏の雰囲気とアルバム・コンセプトで勝負する訳でもない。

Genesis_1

プログレ時代のジェネシスは、演奏力もあるし、楽曲の構築力もある。ピーター・ガブリエルのカリスマ性も魅力。でも、彼らの演奏は戯曲的であり、ミュージカル的であり、加えて、ちょっとトリッキーな雰囲気は、どうしても、高校時代〜大学時代の、僕の「うら若き鑑賞耳」には、どうしても理解できなかった。というか、戯曲的でメロディアスでない分、その中世戯画的なジャケットデザインと共に、苦手なプログレ・バンドだった。

高校時代〜大学時代の若い時代には理解できなかったジェネシスの、その戯曲的な、ミュージカル的な雰囲気が気にならなくなって、それなりに楽しめるようになったのは、社会人になって、30歳を過ぎてからである。そういう意味で、僕にとってジェネシスは「大人のプログレ」的存在である。

今では『Foxtrot』(写真左)、『Nursery Cryme』(写真右)など、この戯曲的な雰囲気をジェネシスの個性として楽しみ、楽曲のバックで唸りを上げるメロトロンと、大活躍するレトロなトーンのハモンド・オルガンを聴くだけで口元が緩む。プログレ時代のジェネシスの音は、典型的な1970年代初期のプログレッシブ・ロックの音の一つである。

この『Foxtrot』、『Nursery Cryme』のジャケットデザインは、今では大好きなデザインとなった。まあ、子供の頃は苦手だった食べ物が、大人になって好きになる。僕にとってのジェネシスは、そんな感じの「大人のプログレ」である。

最後に、『Nursery Cryme』の邦題『怪奇骨董音楽箱』は、凄いセンス(良い意味で)の邦題である。そのアルバムの内容、ジャケットデザインにピッタリの邦題。ピンク・フロイドの『Atom Heart Mother』 の邦題『原子心母』に匹敵する秀逸な邦題である。
 
 
 
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2008年6月17日 (火曜日)

爽やかフュージョン、心地よし

今日も、ちょっと爽やかな、梅雨の中休み状態が続いている千葉県北西部地方。朝夕、通勤の往き帰り、なかなか気分が良い。夕方も日が長いので、ちょっと明るい夕焼け状態の中を、ゆったりと歩いての家路は、なかなか風情があって良い。

さて、この爽やかな夏の入り口の6月。梅雨の雨空はジメジメして不快指数満点でいけないが、梅雨の中休みの爽やかな日には、爽やかなフュージョンが良い。本を読みながら、ホームページの更新準備をしながら、ブログ用の原稿を書きながら、「ながら」のバックは爽やかなフュージョンが良い。

それも、軽く聴き流せるのではなくて、ちょっとパンチがあって、心地良い刺激があって、時に聴き耳を立て、時に、気分転換に、音に身を任せることのできる、爽やかなフュージョンが良い。

そんな、この季節にピッタリのフュージョンとして、最近、お気に入りで良く聴くアルバムが、小林香織の『Glow』(写真左)。前作『Fine』に続く3rdアルバムは、継続して、ライトフュージョン路線。前作『FIne』については、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」にて、「ジャズの小径」のコーナー・2006年6月号でご紹介しているので、こちらの方をご覧下さい。
 

Kkobayashi_glow

 
さて、今回の『Glow』、アルト・サックスのテクニックも順調に進歩して、良く鳴るアルトが良い雰囲気。明るく、適度に熱気があって、ポジティブで、爽やかなフュージョン・アルバムに仕上がっています。フルートもフィーチャーして、良いアクセントになっています。

彼女のアルト・サックスは、今までにない特徴があると思ってます。ジャズの世界の中では、今までのアルト・サックス奏者は、かのビ・バップの祖、天才アルト奏者であるチャーリー・パーカーの影響を、何らかの形で受けていたのですが、彼女のアルトには、そのパーカーの影が無い。どちらかと言えば、デイヴィッド・サンボーンの影響は、そこここに感じますが・・・。そういう意味では、矢野沙織とは、アプローチが正反対ですが、矢野と同様、ジャズ界の新世代を彩る、期待のミュージシャンの一人と言えるでしょう。

9曲目「TOY'S JAM」では、日本の伝説のロック・ギタリストChar(!)。6曲目「MONOCHROME」では、塩谷哲のピアノ。ラストの10曲目、ビージースの「愛はきらめきの中に」では、国府弘子のピアノ。と、ゲスト・ミュージシャンも良く選ばれていて多彩で、とても楽しいアルバムに仕上がっています。

デビュー・アルバムの頃と比べると、アルト・サックスのテクニックも音色も、とても向上したと思います。美人女性の演奏する「ビジュアル・ジャズ」、と揶揄する硬派ジャズ・ファンの方々もいらっしゃるでしょうが、彼女の実力は着実に上がってきています。しっかりと鍛錬し、「ならでは」の個性を積み上げ、アルバム一枚一枚、成果を上げつつある小林香織は、これからも実に楽しみなミュージシャンだと思います。
 
 
 
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2008年6月16日 (月曜日)

「まだまだロックキッズ」更新です

一昨日から、完全に「梅雨の中休み状態」の千葉県北西部地方。日向に出ると流石に暑いが、日陰は爽やかな風が吹いていて、気持ちが良い。もうすぐ夏至、日も長いし、本当にこの季節は良い季節だ(晴れれば、だけど)。

さて、今日は、一年に一回の「人間ドック」の日。ここ2年は、生活習慣を徐々に改め、悪くなってきた様々な数値を改善するべく、努力している訳であるが、今回は中性脂肪の値が劇的に減った。けど、悪玉コレステロールの値がなかなか改善しない。う〜ん、どうしたものか。そして、そろそろ、定期的に、胃の内視鏡検査の時期がきているみたい。う〜ん、鬱陶しいなあ。

さて、先ほど、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の別館、「懐かしの70年代館」の「まだまだロックキッズ」のコーナーを更新した。今回の特集アーティストは「ニコレット・ラーソン」。

Nicolette_photo

米国西海岸ロックの歌姫の筆頭、リンダ・ロンシュタットの妹分として、1978年に、ファースト・アルバム『Nicolette(愛しのニコレット)』でデビュー。当時、このアルバムの冒頭を飾る、ニール・ヤング作の「Lotta Love(溢れる愛)」が大ヒットしました。

ニコレット・ラーソンは、独特な個性あるヴォーカルと爽やかな抜けるような、可愛らしいハーモニー、サウンド的には、ウエストコースト・ロックのジャンルの中で、カントリー・ロック辺りに包含されると言ったら良いだろう。今回は、彼女のトリビュート・アルバムをはじめに、1970年代の彼女のアルバム中心に、ご紹介しています。

改めて、ニコレットについてまとめてみて、1970年代のニコレットが、やっぱり愛らしくて好きだな。ちょっと「おしゃま」なカントリー・ガールって感じが実に可愛い。こういう感じに弱いんだよな。学生時代の密やかな「お気に入り」でしたね〜 (^_^)v。
 
 
 
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2008年6月15日 (日曜日)

トミフラと言えば「Overseas」

今日も朝から爽やかな晴天。完全に梅雨の中休みである。これだけ爽やかな「梅雨の中休み」なら大歓迎。晴天とはいえ、スカッと晴れ渡った感じではないが、雲がある分、夏の日差しが和らげられて、気温もそこそこで、涼しい位。

さて、6月9日のブログ6月10日のブログと、2日に渡って、トミー・フラナガンのピアノについて語ったわけだが、トミー・フラナガンと言えば、ジャズ入門として、必ずと言って良いほど、その名前があがるリーダー・アルバムがある。『オーバーシーズ(Overseas)』(写真)である。

トロンボーンのJ.J.ジョンソンのクインテットがヨーロッパに演奏旅行した際、ストックホルムで、フロントを除いたピアノ・トリオの録音が行われ、その時の記録が、この『オーバーシーズ』。1957年8月15日の録音です。パーソネルは、トミー・フラナガン(p),ウィルバー・リトル(b),エルヴィン・ジョーンズ(ds) です。

1950〜60年代、トミー・フラナガンは、ハード・バップの様々な名盤セッションに、サイドメンとして名を連ねて、「名盤請負人」なんていう、良く判らないニックネームを付けられていますが、フラナガンのリーダー・アルバムは数える位しかありません。その一枚がこの『オーバーシーズ』です。

その内容は素晴らしいものです。リーダーのフラナガンは、正統バップ系のピアノよろしく、アグレッシブに、優雅でハッキリとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、ほのかな近代的響きと、そこはかとなくファンキー芳る、彼独特のピアノ・タッチで、気持ちよさそうに、それぞれの曲を弾き進めて行きます。

もともと、歌伴で鍛えた職人芸、フラナガンは、それぞれの曲の雰囲気に合わせて、ピアノ・タッチやインプロビゼーションのテンポや内容にきっちりと変化を付けて、弾いて行きます。この辺が、実にニクイですね。もうこの1957年時点で、フラナガンのピアノは完成の域に達していることが判ります。

Overseas

そのフラナガンのアグレッシブな、正統バップ系ピアノに合わせて、エルビン・ジョーンズのドラミングが、バッシバッシとアグレッシブに叩きまくっている。でも、無造作に単純に叩きまくっている訳では無く、抑えるところ、盛り上げるところ、TPOをしっかりわきまえた、実に機微に飛んだドラミングだと思います。しかし、全編、ブラッシュ・ワークだというのは信じ難い事実ですね。

この『オーバーシーズ』のエルビンのドラミングについては、色々と言われていますが、まあ、エルビンが勝手に叩きまくって、フラナガンがそれに煽られて、アグレッシブなピアノを弾かされている、なんていう評価は当たらないでしょう。もともと、フラナガンは、純正バップ・ピアニストなんですから、アグレッシブな部分は、フラナガンとしては自然なものでしょう。

トミー・フラナガンのリーダー・アルバムが多くリリースされ始めたのは、1970年代後半以降ですから、それまでのフラナガンのピアノについては、サイドメンでの演奏しか聴くことができなかったので、「フラナガンのピアノは枯れた味わい」なんていう変な評価になったのかもしれません。

彼の演奏技術は非常に高く、伴奏時には、それぞれのソロイストに合わせて、そのソロイストを引き立てるような弾き方、音色でサポートすることができる。特に伴奏時には、ソロイストの前へ出るなんてことは、あり得ませんから、「枯れた」の部分は良く理解できませんが、フラナガンの伴奏は、ソロイストに合わせた「味わい」で攻めるピアノというのは判ります。

とまあ、とかく誤解されがちなトミー・フラナガンのピアノですが、そんな難しい評価など関係なく、この『オーバーシーズ』でのフラナガンのピアノは素晴らしいです。ジャズ・ピアノとして、様々な要素が詰まっていて、いわゆる「教科書的なアルバム」ですね。ジャズ・ピアノを聴き進めて行く時、ジャズ初心者としては必聴のアルバムでしょう。

そうそう、忘れちゃあいけない。地味でなかなか話題に上らないのですが、ウィルバー・リトルのベースも堅実サポートで好感が持てます。特に、最近リイシューされた「50THアニバーサリー・エディション」でのリマスタリングされた優れた音で、ウィルバー・リトルのベースは再評価です。

最後に、この『オーバーシーズ』には、有名どころで、2種類のジャケットがあります(写真参照)。どちらも『オーバーシーズ』なんですが、僕は1970年代に、この『オーバーシーズ』をLPで購入したので、左の「Cが一杯並んだ」ジャケット・デザインの方に馴染みがあります。ちなみに、写真右の「若き日のフラナガンの横顔写真」のジャケット・デザインは、1986年に、DIWから未発表3曲を加えての完全版が発売された時の「EPオリジナルジャケット」です。
 
 
 
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2008年6月14日 (土曜日)

カウント・ベイシーのピアノ

岩手・宮城内陸地震については、お見舞い申し上げます。私の住むところは、千葉県北西部地方で、結構、地震の多いところです。朝、なんかユラユラするなあ、と思って、最初は立ちくらみか、眩暈か、と思っていたんですが、横揺れが激しくなって、いやいや、これは地震だと気がつきました。

ゆったりとした揺れ方から、震源地は近くない、これはちょっと遠方の震源やなあ、とぼんやり考えながら、テレビを見ると、ちょうど、岩手、宮城、山形、秋田の県境を震源とするM7.2の地震であることを速報していました。

時間が経つにつれ、その被害の内容が明らかになっていきます。震源に近い、栗原、一関に大きな被害が出ていることが判ります。一関といえば、有名なジャズ喫茶「ベイシー」があります。ジャズ喫茶「ベイシー」は大丈夫なのでしょうか。とにかく、被害にあわれた地方の方々には、改めて、お見舞い申し上げます。

さて、一関の「ベイシー」を安否を気にしていたら、そのジャズ喫茶名の由来となった、ジャズ・ビッグバンドのリーダー&ピアニストである、カウント・ベイシーをふと思い出した。

カウント・ベイシーは、ジャズ・ビッグ・バンドのリーダーとして有名だが、裏技として、ピアニストとしても、「知る人ぞ知る・マニアご用達・玄人好み」のピアノ・トリオのアルバムを幾枚か、リリースしている。

Basie_for_the_first_time

その一枚が『For the First Time』(写真左)。ベイシーのピアノは、とても特徴がある。まず、とにかく音数が少ない。必要最低限の音数しかかけない。聴けば直ぐ判る。スカスカである(笑)。でも、しっかりとスイングしているのだ。しかもブルージーな雰囲気が底をしっかりと流れる。これが面白い。音数は少なくても、左手とリズム感が抜群で、実にスイング感溢れ、そこはかとなくブルージーなジャズ・ピアノを披露してくれる。

加えて、僕の密やかな楽しみとしては、ベイシーのオルガン。ファッツ・ウォーラーに教わったというスタイルらしく、ロングトーンを活かした、ディープで、ブルージーな雰囲気で聴かせるスタイルが粋で、実に味わい深い。ジャズ・オルガンの巨匠、ジミー・スミスとは全く違うスタイルで最初は戸惑いますが、何回も聴き重ねるにつけ、その味わいがジンワリと染みてきます。

パーソネルは、レイ・ブラウン(b)、ルイ・ベルソン(ds)という名手たちで固められて、1974年5月22日の録音。1974年と言えば、ジャズの世界ではフュージョン全盛期に向かう頃。そんな電気楽器の台頭の中、こんなに玄人好みの渋いピアノ・トリオが録音され、リリースされていたことに、ジャズという音楽ジャンルの懐の深さを改めて感じます。

スタイルとしては、完璧にスイング・ピアノなのですが、その音数の少なさと効果的な音の使い方、独特なスイング感とリズム感は、カウント・ベイシーのワン・アンド・オンリーなもので、最新のモダン・ジャズ・ピアノも太刀打ち出来ない、ジャズの真髄の一つがここにあります。ジャズは「スタイル」では無いことをベイシーは教えてくれます。
 
 
 
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2008年6月13日 (金曜日)

ポールのライブを「もう一丁!」

昨日、『Paul Is Live』について語った。で、この『Paul Is Live』を3度繰り返し聴いて、なんとなく物足りなさを感じた。もっと聴きたい。であれば、もっと聴きたい時、選ぶポールのライブは『Tripping the Live Fantastic』(写真左)だろう。今日は、ポールのライブを「もう一丁!」(笑)。

この『Tripping the Live Fantastic』は、ウイングスのラスト・ライブから12年が過ぎ、89年9月から90年6月にかけて行われた、なんと、これが初のソロ・ツアーをほぼ全編を収めたライブ・アルバムである。CDにして2枚組のボリューム。

Paul McCartney, Linda McCartney, Robbie McIntosh, Hamish Stuart, Chris Whitten, Paul 'Wix' Wickens と、ほぼ昨日ご紹介した『Paul Is Live』と同一メンバーのライブ演奏。圧倒的な演奏力。良い雰囲気、良い演奏のライブです。このライブ・バンドは上手い。加えて、ポールのボーカルも絶好調。と、ここまでは昨日と同じです(笑)。

収録曲が魅力的。ビートルズ時代〜ウイングス時代〜ソロに至るまでの、その当時までのポールの全キャリアから、それぞれの時代の名曲がチョイスされている。このライブアルバムがリリースされた当時、ほぼ半数を占めるビートルズ・ナンバーに対して、評論家から過去の栄光にすがっている、というような批判があがった。でもね〜、演奏している全ての曲は、ポール自身が書いた曲なんだよね。演奏して何が悪い。

演奏の内容が、過去と比べて色あせたようなら、その批判も一部認めよう。でも、このライブアルバムを聴けば、当時の心ない評論家の批判が全く的外れで、評論家として恥ずかしいことだったことが良く判る。演奏レベル、演奏内容共に、ポールのキャリアを通じて最高に充実している。
 

Tripping_the_live_fantastic

 
逆に、充実しすぎていて、CD2枚組を一気に聴き通すのは「トゥー・マッチ」である。耳にもたれる。CD一枚ずつ、別々の日に楽しむのが、僕にとっての、この『Tripping the Live Fantastic』の一番効果的な楽しみ方。

但し、不満がいくつかある。「Get Back」のアレンジについて、アルバム『Let It Be』のフィル・スペクターの編集そのままのアレンジを踏襲しているのには疑問が残る。ポールの『Let It Be』に対するスタンスが良く判らん。

それから、ラストのメドレー「Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End」は、演奏して欲しく無かった。このメドレーは、ビートルズ最後のアルバム『Abbey Road』のラストを飾る伝説のメドレー。ここで、ポールがソロで演奏するって、この『Abbey Road』を私物化しているようで、なんだか釈然としない。
 
最後に、この「Get Back」と「The End」のドラミングは、リンゴ・スターでないといけない。リンゴのドラミングだけが、この「Get Back」と「The End」のドラミングであって、他のドラマーが叩くなんて、僕にとって、ナンセンス極まりない。これって、ちょっとポールって無神経過ぎやせんか〜(笑)。

まあ、その脳天気なところが、ポールの良いところでもある(苦笑)。不満はあるとはいえ、このライブアルバムは、昨日ご紹介した『Paul Is Live』と併せて、ポールの最高のライブ・アルバムである。圧倒的な演奏技術とパフォーマンス。いつ聴いてもこれらのライブには「脱帽」である。
 
 
 
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2008年6月12日 (木曜日)

ポールのライブはどれも良い

今朝は打って変わって、強い雨。昨日とは打って変わって、気温がグッと下がって、ちょっと肌寒い朝。だから梅雨って好きじゃない。間物のスーツをクリーニングに出さずに持っていて良かった。

ロシアから帰還してからというもの、ロシア旅行中は音楽をほとんど聴かなかったので、ジャズ三昧、ジャズ漬けの毎日である。流石に、10日が過ぎて、ちょっと、ジャズにくたびれた。今日は、ちょっと「耳休め」に、ロックを聴く。

今日のロックは、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)の『Paul Is Live』(写真左)。ポールのライブ・アルバムの中で、手に入れようと思う度に廃盤状態で、購入することが出来ず、この5年ほど、ず〜っと手に入れよう手に入れようと思いながら、なかなか手に入らない因縁の一枚である。

ポールのライブ・アルバムは、ウィングス時代の『Wings Over America』から始まって、『Tripping The Live Fantastic』、『Unplugged』、『Back In The U.S.』と、優れたものばかりである。圧倒的な演奏力と圧倒的なボリュームで、これでもかと言わんばかりの充実した内容。てんこもり過ぎて、耳にもたれ気味になることもある、圧倒的な密度。

そんな中、『Paul Is Live』だけ、耳にすることなく今月までが過ぎた。で、やっとのことで手に入れて、聴いたんだが、これがまた良いライブ・アルバムでした。『Paul Is Live』は、1993年リリースのライブ・アルバムですが、リリース当時の、新旧とりまぜた選曲がとても良いライブ・アルバムです。
 

Paul_is_live

 
なんといっても、出だしが「Drive My Car」。この曲、ビートルズ時代の曲ですが、格好良いんですね。僕の大好きな『Rubber Soul』の冒頭の1曲目でしたね〜。そして、ビートルズ時代のポールの曲で、僕の大好きな「All My Loving」が入っているのには感動した。前奏無しにいきなり「くろ〜ずゅ〜あい〜」と入るところにいつも痺れる。バックのギターのジャジャジャジャジャジャ・・・の連続弾きも格好良い。

この『Paul Is Live』、ビートルズ時代の曲が結構入ってますが、ビートルズがライブ活動を休止した後の『Rubber Soul』以降のアルバムからの選曲が魅力的で、しかも期待に違わず、素晴らしい演奏になっています。とにかく、このライブ・バンドは上手い。加えて、ポールのボーカルも絶好調。

特に、ライブのラスト部、16曲目「Lady Madonna」からの「Paperback Writer」〜「Penny Lane」〜「Live And Let Die」の流れは圧巻。とても良い雰囲気、良い演奏のライブです。う〜ん、ポールのライブ・アルバムって、どれも良いな〜。名作ばかりである。

最後に、ジャケットも洒落ている。あのビートルズのラスト・オリジナル・アルバムとなった『Abbey Road』のジャケットを飾った、Abbey Road Studio前の横断歩道を、再び使っている。今度はちゃんと靴を履いている(笑)。

ちょっと自慢話になるが、3年前、ロンドンに行った時に、このアビーロードを訪れた(写真下)。アルバム『Abbey Road』のジャケットそのままの風景に感動した。下の写真には写っていないけど、当然、この横断歩道を何度も渡って、記念写真を撮って貰った(笑)。
 

 Abbey_road_2
 
 
 
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2008年6月11日 (水曜日)

「スペイン!」

チック・コリア作の「スペイン」という曲が大好きである。大好きというか、フリークというか、マニアというか、「スペイン」が収録されているアルバムと判れば、躊躇いなくゲットする位である(笑)。

今回、購入した新譜は、デビッド・マシューズ総帥率いる、マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(以下MJOと略す)の『スペイン』(写真左)。チック・コリアの名曲「スペイン」を筆頭に、「アルハンブラの思い出」「恋のアランフェス」など、郷愁を誘うメロディー〜「スペイン」の雰囲気を存分に配した、ジャズ・ビッグ・バンドのアルバムである。

そりゃ〜あなた、「スペイン」が入っていたら、ゲットするしかないではないか(笑)。日本盤で、2,800円とちょっと割高だが、「スペイン」収録の魅力に勝てず、即ゲットである。

このMJOの新譜『スペイン』の収録曲は以下の通り。

1.スペイン
2.恋のアランフェス
3.剣の舞(組曲「ガイーヌ」より)
4.ラプソディ・イン・ブルー
5.アルハンブラの思い出
6.闘牛士の歌(歌劇「カルメン」より)
7.フィエスタ・デ・エスパーニャ
8.アメージング・グレイス

こりゃまあ、ジャズ・ビッグ・バンドで演奏するには、ちょっと難しそうな曲ばかりを選んでいる。デビッド・マシューズの面目躍如。どの曲も、かなり工夫してアレンジした跡が、実に良く判る演奏である。

Mjo_spain

チック作の「スペイン」は、ビッグ・バンドでは演奏しにくい曲だと思う。テーマ部だけでも、音程の高低がドラスティックで、跳んだり跳ねたり、高いキーから低いキーに飛び跳ね、テンポも途中小休符が散りばめられ、ビッグ・バンドでは、各楽器がピッタリと息のあったアンサンブルの実現が実に難しい楽曲である。

確かに、MJOは苦労している。それでも、このビッグ・バンドとしては難しい楽曲を、実に上手く演奏している。MJOのメンバーの力量と心意気を強く感じる演奏である。ビッグ・バンドとしては、実に良く演奏している。努力賞。

郷愁を誘うメロディー〜「スペイン」をテーマにしている割りには、「ラプソディー・イン・ブルー」とか、「アメージング・グレイス」が収録されているのは疑問符。徹底的に「スペイン」的雰囲気で押すべきだっただろう。「ラプソディー・イン・ブルー」は健闘しているが、特に「アメージング・グレイス」の収録は疑問。出来は良くない。

収録曲は、僕にとっては、ちょっと俗っぽい曲ばかりなので、聴く立場としては食傷気味。でも、演奏する側としては、結構楽しめる、デビッド・マシューズ総帥のアレンジ。デビッド・マシューズ総帥のアレンジは良い。苦労の跡が忍ばれる。

結論。このアルバムは、ジャズ初心者の方々には、ちょっとお勧めできません。ジャズ中級者、ジャズ・ビッグ・バンドに興味のある方々には、お勧めです。デビッド・マシューズのアレンジの妙は、ジャズ・ビッグ・バンドに興味のある方々には必聴でしょう。しかしながら、ジャズ・ビッグ・バンドの演奏を純粋に楽しむなら、この『スペイン』よりも、気軽に楽しめるアルバムは他にある。

でも、僕にとっては、チックの名曲「スペイン」が収録されているだけで、このアルバムはOK。しかも、ビッグ・バンドとしては難度の高いこの曲を、MJOという職人ジャズ集団が、ほんとうに工夫して、なんとか高い水準にまで引き上げている。それだけでも、僕はこのアルバムを手にして、満足である。
 
 
 
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2008年6月10日 (火曜日)

トミフラをもう一丁!

今日は朝から良い天気。湿度も少なくカラッとした爽やかな朝。気分の良い出勤。音楽は、昨日聴いたトミー・フラナガンが忘れられなくて、今日もトミー・フラナガン。トミフラをもう一丁!

今日は『セロニカ』(写真左)。タイトルから察しがつくように、全9曲中8曲がモンク作曲 。セロニアス・モンクとジャズ界のパトロンとして知られるモンクの良き理解者であったニカ婦人に捧げてレコーディングした名盤。

パーソネルは、昨日の『スーパー・セッション』とは、メンバー変わって、トミー・フラナガン(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、アート・テイラー (ds)。ムラーツのベースは、しなやかにブンブン唸って、スイング感満点、テイラーのドラムは、出るところは出て、引くところは引くという粋なドラミングで魅了する。特にブラシが素敵だ。

Thelonica

優雅でハッキリとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなくファンキー芳るフラナガンのピアノで、セロニアス・モンクの「クセがあるけど親しみやすく奥深いメロディ」がどう表現されるのか、興味津々のアルバムであるが、これが良い。聴き始めるてしばらくすると「う〜ん、素晴らしい」と感嘆の声を上げてしまう。

優雅なフラナガンのピアノと彼の職人芸で、モンクの曲が、フラナガン仕様として響く。こんな優雅でクッキリとした、爽快感とスイング感溢れるモンク曲のピアノ・トリオは、ワン・アンド・オンリーだ。実に美しく、実にスインギーだ。うっかりすると、演奏されている曲がモンクの作なる曲であることを忘れてしまう。

ちなみに、表題曲の「セロニカ」は、このアルバムの中で唯一、モンクの作でない曲。他でもないトミー・フラナガン自身の作曲である。「セロニカ」とは、モンクのファーストネームのセロニアスと、ニカ婦人(正式にはパノニカ・ケーニッヒスウォーター男爵夫人)の名前を足して作った言葉。粋やねえ。

ジャケット良し、内容良し、エンヤ・レーベルのトミフラは、小粋な佳作が目白押しである。
 
 
 
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2008年6月 9日 (月曜日)

気持ちの良いピアノ・トリオ

僕のお気に入りのピアノ・トリオとは・・・。ドライブ感溢れる曲は、ピアノがしっかりとしたタッチで、疾走感溢れ、ドラムがドスン、ドドドと響き、ベースがブンブンと唸りを上げる。そして、バラードは、ピアノはリリカルで情感溢れ、ドラムは芯がしっかり入った繊細なサポート、ベースは寄り添うような優しいベースラインで支える。

こんなピアノ・トリオが良い。ピアノはしっかりとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなく芳るファンキーな雰囲気が良い。そんなジャズ・ピアノの担い手、そのお気に入りの一人が「トミー・フラナガン」。

1970年後半以降の彼のピアノ・トリオのリーダー作は、どれもが優れている。特に、Red Mitchell (b) Elvin Jones (d)とのトリオは名人芸、職人芸の極みである。

今日は、久しぶり(2年ぶり位かな〜)に『Super-Session』(写真左)を聴く。先にご紹介した、Tommy Flanagan (p) Red Mitchell (b) Elvin Jones (d)の職人芸トリオである。1980年2月の録音。収録曲は以下の通り。

1. Django
2. Minor Mishap (Minor Perhaps)
3. Too Late Now
4. I Love You
5. Richel's Rondo
6. Things Ain't What They Used To Be
 

Tommy_flanagan_supersession


どの曲もどの曲も、素晴らしい演奏ばかり。ジャズの良さ、ジャズの楽しさが満載の良いアルバムです。1曲目の「Django」を聴き始めたら、ついつい最後まで聴いてしまう、魅力的な演奏が詰まっています。

トミー・フラナガンは、しっかりとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなくファンキー芳る、実に僕好みのピアニストです。ドライブ感溢れる彼のピアノは、実に爽快です。

トミー・フラナガンは「伴奏でこそ、その真価を発揮する」なんて、お門違いな評価をされていたりしますが、とんでもないです。トミー・フラナガンは、純正バップ・ピアニストです。しかも、彼の演奏技術は非常に高く、伴奏時には、それぞれのソロイストに合わせて、そのソロイストを引き立てるような弾き方、音色でサポートすることができる。

でも、自らがリーダーの場合は違う。自らが一番やりたいスタイル、自らが一番映えるスタイルで勝負する。そのフラナガンのスタイルが、このアルバム『Super-Session』に溢れている。

良い感じのピアノ・トリオ。気持ちの良いピアノ・トリオ。今日も梅雨空だけど、このフラナガンのピアノを聴けば、エルビン・ジョーンズのドラミングを聴けば、そして、レッド・ミッチェルのベースを聴けば、心はスカッと爽快感 (^_^)v。
 
 
 
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2008年6月 8日 (日曜日)

Watermark...「友人K」の思い出。

7日から「EURO2008」が始まった。今回は、オーストリア/スイス共同開催だから、現地時間18時ということは、日本時間では、8日の1時からのスタート。開幕試合のスイス×チェコから、激しく、スピードのある試合にビックリ。ポルトガル×トルコも、得点差以上に内容のある試合で見応えがあった。

おっと、「EURO2008」とは、欧州サッカー連盟(UEFA)主催による、UEFAに加盟する国と地域の代表チームによって争われるサッカーの大会である。欧州サッカーのワールドカップみたいなもの。欧州に限って実施される国別対抗なので、ほとんど時差も無く、選手のコンディションも維持がし易く、一説には、W杯より内容が充実していて面白いと言われる。って、ホント、W杯より面白い。

さて、このところ、アート・ガーファンクルの70年代のソロアルバムをCDで揃え直している。初ソロ・アルバムの『天使の歌声(Angel Clare)』については、このブログでもご紹介した(2008年5月24日)。

アート・ガーファンクルのソロ・アルバムと言えば思い出すのが、高校時代〜浪人時代の「友人K」である。彼とは高校時代同じクラスになることは無かったが、高校2年から、クラブの親友の奴に引っ付いて、部室に出入りするようになり、浪人時代は同じ予備校で一年を過ごした。

この男、非常に変わった男で、フォーク・ギターを弾かせると、サイモン&ガーファンクルの曲だけが弾ける。譜面が読めないので、レコードを聴いて、コードを探って覚えるという。これ、初めて見た時はビックリした。でも、歌は下手やったなあ。で、サイモン&ガーファンクルの曲を良く歌わされたっけ。

それほどにサイモン&ガーファンクルが好きだった「友人K」である。当然、アート・ガーファンクルのソロ・アルバムも買い揃えていた。彼の家に遊びに行って、初めて聴かされたアートのソロが『Breakaway(愛への旅立ち)』だったなあ。サイモンとのデュエット「My Little Town」が入っていて、メルヘンチックな世界と大人の哀感が入り交じる世界をリリカルに歌うアートが素晴らしかった。

Watermark

その「友人K」も一浪で目出度く「R大文学部」に合格し、離ればなれになって、お互い顔も見ることもなく、疎遠となった。まあ、大学が全くの別方向にあるんだから、出会うチャンスもほとんど無い。しかし、大学1回生の秋、一度、大阪梅田の紀伊國屋書店でバッタリと会って、彼の家まで遊びに行ったことがあった。

その時、彼の部屋で聴いたアルバムが『Watermark』(写真左)。ソングライター、ジム・ウェッブの作品で固めたソロ3作目。瑞々しいアートのボーカルが素晴らしく、シンガーとしてのアートの魅力が思う存分発揮された作品。傑作です。

「友人K」は、その頃、失恋したらしく、「失恋した時は、アート・ガーファンクルのソロ・アルバムが一番良いんや」ってなことを長々と語り、改めて、一曲目の「泣きながら目覚めて」を聴き返しながら、「俺は、大学を卒業したら、東京に行って漫画家になる。まずは漫画家のアシスタントになって修行して、漫画家になる」と語り出した。とても本気で言っているとは思えず、適当に「それも一つの人生かもな」なんて無責任な意見をする僕。

でも彼は本気らしく、「俺が漫画家になったら、おじん(当時の僕の愛称)の書いたエッセイを基に、漫画を書くから、その時は、あれ貸してくれよな」と言うので、「ええよ」と答えておいた。「あれ」とは、僕が高校時代から浪人時代にあった様々な出来事を素材に書きためたエッセイである。

それ以来、彼と出会うことは無かった。それでも、社会人になって、漫画家がデビューするのを聞けば、その漫画家の写真を雑誌で確認したり、ネットで確認したが、彼の顔を見ることは無かった。それどころか、同窓会名簿を確認したら「消息不明」となっていた。

どこに行ったのだろう。元気にしているんだろうか。東京に出てきたんだろうか。僕が高校時代から浪人時代にあった様々な出来事を素材に書きためたエッセイは、もう手元には無いが、もう一度書けと言われれば、書く用意はある。

アート・ガーファンクルの『Watermark』を聴く度に、ジャケットを目にする度に思う。「友人K」がヒョッコリ出てきたら面白いのになあ、と。
 
 
 
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2008年6月 7日 (土曜日)

「ジャズの小径」6月号の更新〜!

昨日の昼過ぎから、やっとスッキリ晴れ始めた千葉県北西部地方。今日も朝から良い天気で、昼前辺りには湿度も下がって、爽やかな陽気になった。

でも、夕方が近づくにつれ、ヒンヤリとした東風が強くなってきて、ちょっと半袖では肌寒いかな、って感じになってきた。今年は天候不順、スカッと爽やかに晴れた日が少なく、湿気を含んだ冷たい東風が吹いて、気温が上がらない。

さて、バーチャル音楽喫茶『松和』ジャズ・フュージョン館、月毎更新の人気コーナー「ジャズの小径」の6月号をアップしました。今月は、テオ・マセロの追悼特集としました。

テオ・マセロは、ジャズの帝王、マイルス・デイビスのプロデューサーとして有名で、彼がプロデュースを担当したのは、1959年の『スケッチ・オブ・スペイン』から、1983年の『スター・ピープル』まで。特に、エレクトリック・マイルスでの、彼のテープ編集の成果は素晴らしいものばかりです。

そのテオ・マセロが、2月19日に亡くなりました。このブログでもお知らせしましたが、今回は、そのブログ掲載時の原稿に修正加筆を加えて、「ジャズの小径」にアップしました。

Teo_macero

最近、コンプリートボックス盤と称して、エレクトリック・マイルスの諸作の編集前の音源がどんどん出てきて、やはり、エレクトリック・マイルスの諸作は、テオのテープ編集無くして、あれほどまでの傑作にはならなかったと思いますね。とにかく、マイルスの諸作における、テオのテープ編集は素晴らしいの一言。

本音を言えば、若い頃は、複数の別々の演奏からセレクションして、テープを継ぎ足し、ひとつの架空の演奏を創り出していく作業は、なんとなく「まやかし」みたいで好きじゃなかったです。「ええとこ取り」する訳ですから、そりゃ〜「良い演奏」になるでしょうね〜、って感じで。潔くないというか、なんか詐欺みたいで、その話を初めて聞いたときは、マイルスとテオがペテン師に見えました(笑)。

しかしながら、コンプリートボックス盤で編集前の演奏を聴くにつけ、このテープ編集作業は、ハイレベルの演奏を、更に、それ以上の「高みの内容」にバージョンアップする作業だったと理解するようになりました。

編集前の演奏って、冗長なところがあるとか、アドリブがいまいちだとか、評価する人たちがいますが、ジャズ演奏としては、エレクトリック・マイルスの諸作なんかは、相当ハイレベルな演奏の中での話なんですよね。つまり、問題のあるところを削除するんじゃない、更に「高みの内容」に昇華する作業が、このテオの編集作業なんですよね。

アルバムを作品と見なせば、このテープ編集は「ギリOK」ですね。ジャズの醍醐味である、一発必中のアドリブや、再現性のないワン・アンド・オンリー名演奏を体験したければ、ライブに足を運ぶべきでしょう。アルバムにそれを望むのは「お門違い」というもの。
 
 
 
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2008年6月 6日 (金曜日)

初夏はフュージョン、チックやね〜

初夏はフュージョンが良い。僕の場合、フュージョンとくれば、お気に入りは、チック・コリアとなる。仕事に疲れた頭には、お気に入りのミュージシャンが良い。通勤帰りの音楽は、チック・コリアである。

『Return To Forever』で、突如、楽園ジャズを展開し、時代の寵児となったチック・コリア。これは、誰が何と言おうと「純ジャズ」の範疇の、実に優れた、奇跡と言っても良いほどの名盤中の名盤である。

そんなチックが、突然、『Hymn Of The Seventh Galaxy(邦題:第7銀河の賛歌)』で、全面的にメンバーチェンジをして、エレキ・ギターを全面に押し出し、ロックやファンクのイディオムを大胆に導入した、ハードコアな、超重量級サウンドで、我々の度肝を抜きました。

そんなハードコアな、超重量級サウンドの「Return To Forever」の最終形というか、完成形を見たアルバムが『Romantic Warrior(邦題:浪漫の騎士)』(写真左)。 1976年2月の録音。パーソネルは、 Chick Corea(p,key), Al DiMeola(g), Stanley Clarke(b), Lenny White(ds)  。

そのハードコアでテンションの高い、超絶技巧なフュージョンは、とても4人だけの演奏とは思えない、それはそれは、重厚でハイレベルなものです。

「浪漫」という形容詞がつけば、それはもうチック・コリアの独壇場。冒頭の「Medieval Overture」の前奏から、チック節が全開。どこから聴いてもチックの世界。
 

Romantic_warrior

 
冒頭の「Medieval Overture」から5曲目の「The Magician」までは、チックのキーボードが全面に出て、チックのアレンジ、コンポージングの世界が展開されていて、ここまでくれば、バンドとしての演奏と言うよりは、チックとそのバック・バンドという雰囲気で、もう「Return To Forever」というバンドは必要無いって感じです。

それほど、ここでのチックは輝いている。とにかく、キーボードの使い方、鳴らし方が実に上手い。惚れ惚れする。旋律を美しく歌い、メロティを際だたせるキーボードは、恐らくチックの右に出る者はいないだろう。それだけ、彼は電子キーボードに精通している。チックのキーボードを愛でるには、この『浪漫の騎士』は最適の一枚である。

が、である。ラストの6曲目「Duel Of The Jester And The Tyrant (Part 1, 2)」を聴いて頂きたい。この演奏こそが、バンドユニットである「Return To Forever」の面目躍如。凄い演奏である。エレクトリック・ギターのAl DiMeola、 ベースのStanley Clarke、ドラムスのLenny Whiteが、ソロで輝いている。そして、バンド全体の一体感、秀逸なグループサウンド。

ラストの 「Duel Of The Jester And The Tyrant (Part 1, 2)」だけでも、このアルバムの価値があるっていうもの。その演奏の凄まじさ、テンションの高さ、は聴いていて、怖くなるほどです。僕は、大学時代、この演奏を聴いて、プログレ中心のロックのインストに聴き慣れた耳には、それはそれは、攻撃的で圧倒的で、暫く最後まで聴き通すのが辛かった思い出があります。

逆に、このラストの「Duel Of The Jester And The Tyrant (Part 1, 2)」が楽しく聴き通すことが出来るようになって、ジャズ・フュージョンを聴くことに自信を持ったことも懐かしい思い出。この『浪漫の騎士』は、僕にとって、実に思い出深いアルバムの一枚です。
 
 
 
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2008年6月 5日 (木曜日)

Steps〜Steps Ahead...最高。

今日は肌寒い東京である。モスクワやサンクトペテルブルグより寒いとは「どうよ」。日本は湿度が高いので、余計に寒く感じる。風邪を引きそうだ。しかも、ジェットラグの影響で、今日は朝から眠たくて仕方が無い。「眠たい眠たい」で、一日が終わった(笑)。

さて、音楽の話題である。今年は、なんだか肌寒く、天気に恵まれないが、日差し眩しく、緑豊かな、初夏の季節。この爽やかな季節の僕のトレンドは「フュージョン」である。初夏は、爽やかで、硬派な「フュージョン」に限る。

今日は、ステップス・アヘッドである。Mike Mainieri(Vib)とMichael Brecker(ts)が中心となったアコースティック・ジャズ・グループ「ステップス」。ベースはEddie Gomez、ピアノはDon Grolnick、ドラマーはSteve Gadd。ベースのEddie Gomez以外、当時のフュージョン畑で活躍していたスタジオ・ミュージシャン系で固められたバンドが、フュージョン全盛期に「メインストリーム・ジャズ」を演ったことで話題となった、1980年、東京・六本木ピットインでのライブ録音『Smokin' in the Pit』(写真左)。

これが斬新だった。新しい感覚のフォービートって感じがして、学生時代から今まで、ず〜っと、愛聴盤です。とにかく、不思議な感覚のフォービート。

しかし、1983年、正式にグループ名を”Steps Ahead”に変更しての再スタート。マイク・マイニエリ(Vib)とマイケル・ブレッカー(ts)の中心メンバー以外、メンバー総入れ替えで、1985年リリースの『Magnetic』で、突如「メインストリーム・ジャズ」から「超絶技巧のハイパー・フュージョン」に転身。

Steps_ahead

そして、今日聴いたのは、大傑作ライブとしての誉れ高い『Live in Tokyo 1986』(写真右)。1986年7月30日、東京・簡易保険ホールでのライブ録音である。これが「凄い」。なんとなんと、ドラムスにSteve Smithとギターに Mike Stern、ベースに Darryl Jonesを配している。特にドラムスのSteve Smithは、ロックバンド”ジャーニー”の黄金の時期を支えた名ロック・ドラマー。どうなるんだ、と思って聴いたら、これが凄い演奏に、とにかくビックリ仰天である。

シリアスなフュージョン的演奏は「ウェザー・リポート」を彷彿とさせ、カリプソ・チックな、リズミックで明るい演奏は「渡辺貞夫」を彷彿とさせる、正統派ジャズ・フュージョン。正に新世代のフュージョングループの姿をそこに見る思いがする。80年代のジャズ・フュージョンの奇跡と言って良い、ワン・アンド・オンリーな凄まじい演奏が繰り広げられる。

Keyがおらず、代わりにブレッカーがEWIを吹いたりマイニエリがMIDI Vibeを弾いたり、Steve SmithがMidi Syncのドラムを叩いたり、と当時最新のエレクトリック技術を使いまくった作品。 シンセサイザーに聴こえる音は、ブレッカーの吹く「EWI」(SAXのエレクトリックもの)です。これがまた、エモーショナルで良い。ギターはマイルス・バンドにいたスターンがギュワーンと弾きまくり、ジョーンズのベースがズンズン響く。

アコースティックの音も凄まじい。サックスはブレッカーが吹きまくり、ヴァイブはマイニエリが弾きまくり、ドラムはスミスが叩きまくる。

エレクトリック技術+アコースティック技術の「音の饗宴」。フュージョン・ジャズの最高峰の音のひとつがここにある。フュージョン・ファンはもとより、硬派のエレクトリック・ジャズ・ファンにも、お勧めです。スカッとしますぜ〜 (^_^)v。
 
 
 
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2008年6月 4日 (水曜日)

久しぶりに音楽に接した

先月の26日から昨日まで、ロシアへ旅行していたので、その旅行の間、ほとんど音楽に接していない。クラシックについては、バレエ『白鳥の湖』を観に行ったので、その時、楽しめたのだが、ジャズ、ロックなどは全くである。

通常は音楽が無ければ、いてもたってもいられない性分なのだが、流石に海外旅行になると、見るもの、聞くもの全てが、初めてのものであり、珍しいものであり、それだけで相当に楽しめるので、音楽が無くても何とかなる。だが、日本に帰ってくると、てきめんに音楽が聴きたくなる。

帰日して聴く音楽といえば、やはり「ジャズ」である。暫くぶりに聴くジャズは、遠い昔、初めてジャズを聴き始めた頃の、初心者向けの判りやすいジャズが良い。初心者向けのジャズは良い。ジャズの良さがとても判りやすい。

Mjq_django

選んだアルバムは、モダン・ジャズ・カルテット(以下MJQと略す)の『ジャンゴ』(写真左)。僕が、学生時代、ジャズに興味を持って、自分の資金で初めて手に入れた、記念すべきアルバムである。

冒頭の表題曲「ジャンゴ」を聴くだけで、ジャズの素晴らしさに改めて感動する。魅力的にアレンジされた「テーマ部」。そして、その素晴らしい「テーマ部」に導かれて展開される「アドリブ部」。典型的なハードバップのフォーマットで、実に魅力的な演奏が展開される。

この「ジャンゴ」は、ヨーロッパの香りとブルースの雰囲気が入り交じった、MJQらしい名曲・名演。「クイーンズ・ファンシー」における、ジョン・ルイスのヨーロッパ趣味も、僕には好ましい。サンクトペテルブルグで感じたヨーロッパの雰囲気が甦る。「ニューヨークの秋」には、もう惚れ惚れするばかり。

いや〜、ジャズって本当に良いね。さあ、明日から仕事である。夢の様な、モスクワ〜サンクトペテルブルグの世界から、俗世間へと舞い戻る。さあさあ、次の海外旅行目指して、頑張ろうではないか(笑)。
 
 
 
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2008年6月 3日 (火曜日)

ロシアより帰還しました (^_^)

今朝8時20分、モスクワより帰還しました。実は、5月26日の月曜日〜今日まで、ロシアに旅行していました。ロシアと言っても、モスクワ〜「黄金の環」と呼ばれるモスクワ周辺〜サンクトペテルブルグというヨーロッパに近い方面。

5月19日の週は、モスクワ地方はずっと大雨で、天気が懸念されましたが、そこは「晴れ男」の面目躍如、5月26日(月)〜6月1日(日)まで、サンクトペテルブルグで、一瞬(20分ほど)スコールに見舞われましたが、殆ど「晴れ」でした。紫外線が強くて、サングラスが欠かせない。かなり日焼けして帰日しました(笑)。

ちなみに旅行中、このブログについては、事前に原稿をアップして、タイマーにて更新をかけました。決して、ロシアからアップした訳ではありません(笑)。ちょうど、ロシア旅行の間でしたので、ブログの話題を「ロシア」の特集でまとめてみました。いつものバーチャル音楽喫茶『松和』の内容とはちょっと雰囲気がったので、戸惑った方々もあったかと思います m(__)m。

Moscow1

まだまだ、一般化していないロシア観光。ネットで検索しても、まだまだロシア旅行について、モスクワ、サンクトペテルブルグ周辺の事情については情報が不足しているので、これから、ロシア旅行を計画される方々の参考にもなるのかな、と思い、今回の『モスクワ〜「黄金の環」と呼ばれるモスクワ周辺〜サンクトペテルブルグ』の旅行については、別枠で、ホームページとしてアップしたいと思います(約1ヶ月ほど時間を下さいね)。乞うご期待。

とにかく天気が良かったこともあって、素晴らしい旅行でした。ツアーのメンバーも、若干一名の「性格破綻者」を除いて(20人程度のツアーだったら、必ず一人位いるよね)、私より遙か年配の素敵でハイソなご夫婦ばかり。添乗員さんも若いのにもかかわらず、しっかり屋さんで、目立ったトラブルも無く、メンバーと添乗員さんとが助け合って、実に気持ちの良いツアーでした。

さあ、明日から、また、日本での生活が始まります。今日は、ジェットラグで体調も万全ではなく、頭がフワフワしたままです(笑)。明日から、バーチャル音楽喫茶『松和』も平常通りの営業となりますので、よろしくお願いいたします m(__)m。
 
 
 
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2008年6月 2日 (月曜日)

イデオロギーとロック

今回のロシア大統領選で当選したメドベージェフ氏は、ディープ・パープルのファンらしい元共産圏のトップ政治家のお気に入りの音楽が、ブリティッシュ・ロックで、しかも、ディープ・パープルという図式には、ちょっと戸惑った。

現在、ロシアと言えば、ソ連が崩壊し、1992年5月、ロシア連邦条約により、最終確定した国名「ロシア連邦」を指すが、僕たちの子供時代〜学生時代は、国名は「ソビエト連邦」だった。

共産圏の盟主大国「ソビエト連邦」、その連邦を構成する、主たる民族が「ロシア民族」で、ソビエト連邦の人たちを「ロシア人」と認識していて(「ソ連人」と呼んだりしていたが、これは間違いだよな)、「ロシア」というと、民族の名称を想起する。

さて、新大統領メドべージェフ氏は、ディープ・パープルのファンと言うことは、当然、「ハイウェイ・スター」や「スピード・キング」もお気に入りだろう。ということは、パープルの名盤である『イン・ロック』(写真左)や『ライブ・イン・ジャパン』(写真右)は、絶対に所有していることになるなあ。

Deep_purple_rossia

しかし、このエピソードは、僕からすると、不思議な感じがするし、戸惑いも感じる。確かに、1970〜1980年代、米国から英国から、政治思想、イデオロギーに関係なく、ロックバンドがソビエト連邦に行き、ライブ・パフォーマンスを披露した。しかし、である。そのロックというジャンルの音楽とは、基本的に資本主義、自由主義の産物であり、共産主義とは相容れない文化なのだと思っていた。

しかし、今回のエピソードである、ロシアの新大統領がディープ・パープルのファンという。ロシアの最権力者がである。当然、若い頃は、中核の共産党員の若き幹部で、英才教育を施されているはずだ。

と言うことは、1970年代後半〜1980年代のソビエト連邦って、共産党幹部ですら、共産思想からは距離を置き始め、資本主義、自由主義の快楽、娯楽を優先的に享受していたってことになりはしないか?

1970年代後半〜1980年代、米国から英国から、政治思想、イデオロギーに関係なく、ロックバンドがソビエト連邦に行き、ライブ・パフォーマンスを披露した。それって、共産圏と自由圏の友好の意では無く、もっとダイレクトに、共産圏の人たちが、資本主義、自由主義の快楽、娯楽を優先的に欲していた、ということだったのか、思い直した次第。

音楽って、人間の思想と感情、そして、欲求の根幹を刺激するものだから、どの時代でも、政治思想、イデオロギーに優先するんだろうな。
 
 
 
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2008年6月 1日 (日曜日)

ロシアより愛をこめて...

いつの日だったか、会社からの帰宅途中、地下鉄からJRに乗り換える間、どこかの店から「ロシアより愛をこめて」のテーマが流れてきた。懐かしいなあ。この「ロシアより愛をこめて」は、1963年に製作された007シリーズ映画第2作。日本初公開は1964年。の日本語タイトルは『007 危機一発』。1972年に、『007 ロシアより愛をこめて』としてリバイバル公開された、アクションものの逸品である。

この『ロシアから愛をこめて』のテーマには、特別な思い入れがある。中学時代、岡山に転校、2学期最初のテストが音楽の縦笛のテスト。もともと、それまで、ピアノを8年間弾いていた手前、譜面は読めるし、縦笛は得意。なんとか吹き終えた訳だが、その後、「市のコンクールに出るから」という触れ込みで、ブラスバンド部員の執拗な勧誘にあって、あえなく陥落。ブラスバンド部に籍を置くこととなった。

その時に、お願いされたパートが、アルト・サックス。まあ、確かに縦笛に運指は近い。運指はともかく、リードで音を出すのに3日かかった。それから一人で練習すること2週間。晴れて、ブラスバンドの一員となって、初めて吹いた曲が、この「ロシアより愛をこめて」のテーマである。
 

Paul_007

 
さて、007シリーズのテーマ曲で、70年代ロックと言えば、ポール・マッカートニー&ウイングスの「007 死ぬのは奴らだ」だろう。ウイングス5枚目のシングルとして、イギリスで7位を記録。ビルボード(Billboard)誌では、1973年8月11日に週間ランキング第2位を獲得。これは日本でも売れた。ラジオのリクエストでもベストテンの上位にランクされていた。

実は、僕はこの「007 死ぬのは奴らだ」のテーマでは、ソロのポール・マッカートニーをやっとこさ認めた、記念すべき曲。「ハイ・ハイ・ハイ」はノリが良いが単純すぎて、「マイ・ラブ」は甘ったるくて、どうも体質に合わない。そこにこの「007 死ぬのは奴らだ」である。

ゆったりした出だしから、盛り上がり、ブラスの迫力ある響き、そして一転、オケを伴った高速ブリッジ、そして、ファンキーなボーカル部と循環展開していく、秀逸な曲、秀逸なアレンジ。この曲は良い。今でもポールの曲の中でも、好きな曲の一曲である。

当時は、映画のサウンドトラックが軽音楽の人気ジャンルの一角を占めており、ラジオの深夜放送でも、映画音楽が良くかかったものだ。あの人気のジャンルはどこへいったのだろう。
 
 
 
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