さすが、ジョー・ザビヌル
今年の春は雨が多い。今日も朝から雨。しかも「寒い」。朝、1階玄関のポストまで、新聞を取りに行くのが日課なのだが、玄関から出たら「寒っ」。今日の東京の最高気温は11度。吐く息が白い。冬に逆戻りである。
今日は、うちのカミさんは友達と遊びに出ていて、一人寂しい晩ご飯の「松和のマスター」です(笑)。しかし、晩ご飯は「松和のマスター」スペシャル、カレーヌードルのコロッケ添え。遠く学生時代にあみだした、究極の一品。そして、そのスペシャルを食した後は、バーボンをダブルで2杯いただく。う〜ん、至福のひとときである。
さて、昨日、ジョー・ザビヌルの「ワールド・ミュージック系ジャズ」について語った。1986年にリリースした『Dialects』では、シンセとサンプリングを駆使しすぎたあげく人工的な音作りになり、その反省にたって、1992年にリリースされた『My People』は、あまりに肉声の部分がリアルで、その部分だけを聴くと「これってジャズ? これって何のアルバム?」って感じになった。
では、ザビヌルの「ワールド・ミュージック系ジャズ」の最高作っていうのはあるのか? そこは、さすがにザビヌルは素晴らしい。これがあるんですね。2002年にリリースされた『Faces & Places』(写真左)です。
これは、ワールド・ミュージック系エレクトリック・ジャズとして、素晴らしい内容です。人工的で機械的な『Dialects』、あまりにワールド・ミュージックが全面に出過ぎた『My People』、その間をとって、エレクトリック・ジャズとワールド・ミュージックが、ほどよい割合でミックスされた、優れた内容のワールド・ミュージック系ジャズのアルバムになった。
この素晴らしい内容のアルバムを聴くと、ザビヌルって、こういう音楽がやりたかったのか、と感じ入って、感慨深いものがある。アーシーな音作りに変化していったウェザー・リポート。その中核人物がジョー・ザビヌル。
特に、この『Faces & Places』を聴くと、フッと、僕は大好きなんだが、一般的には、内容が良く判らないアルバムとして、ウェザー・リポートの唯一の失敗作的な評価をされている『Mr.Gone』って、こんな感じの音作りにしたかったのでは、と思ったりする。
エレクトリック・ジャズの部分は、どこをとっても「ザビヌルの音」。音の重ね方、ビッグバンド的なドライブ感のあるフレーズ、そして、シンセを知り尽くした「多彩なシンセの音」。どこをとっても、洗練され、成熟したザビヌルのキーボードである。そのザビヌルのキーボードに、ワールド・ミュージックの様々な要素が絡み合う。「これぞ、究極のフュージョン・ミュージック」って感じです。
明日も午後まで雨だそうな。でも、気温は回復するみたい。春の冷たい雨、というか、冬のような冷たい雨は、そろそろ、勘弁していただきたい(笑)。
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