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2008年4月15日 (火曜日)

ヴァーヴ時代のバド・パウエル

この1〜2年のことだが、東京ではやたら電車が遅れる。時刻通りに来る鉄道として、世界一を誇った日本の鉄道の栄光もどこへやら、3〜5分は平気で遅れるどころか、混雑遅延で払い戻しってどういう事? 特に、JR東日本はちょっと「たるんでいる」。JR西日本のように、大事故を起こさねば良いが。

さて、このところ、仕事の方がちょっとテンパっている。別に残業だらけって訳では無いのだが、世の中に無いものを世の中に出そうとしているので、それなりに頭は使う。というか、かなり使う。でも、楽しい。会社に束縛されず、ちゃんと給料貰って、自由に自分のやりたいことをやれるって、なかなか幸せではないかと最近思っている。というか、あんまり、おらへんのとちゃうか、僕みたいな奴。

仕事に忙殺されると、硬派のジャズで、パキパキっと、脳みそをマッサージして貰うに限る。そんな、パキパキっとした硬派なジャズ、といえば、僕にとっては「バド・パウエル」。ピアノ、ベース、ドラムスの「ピアノ・トリオ」形式を創始した、「モダン・ジャズピアノの祖」である。

彼のピアノは、実に「男らしい」。タッチが強くてガンガン弾く。タッチが強くてガンガン弾いているんだが、早弾きは、それはもう超絶技巧、それでいて、バラードは情感タップリに、強いタッチで、しっかり弾く。これって、凄いことで、それはもう芸術的。アドリブはイマージネーション豊かに展開する。が、常に凄いかっていうと、そうではない。時には、オヨヨとずっこける(笑)。天才ゆえの「可愛げ」である。

Bud_powell_virve_1_2

彼のピークは、1940年代後半から1950年代初頭とされる。ジャズの入門書を見ると、どれもが判を押した様に、代表作は『バド・パウエルの芸術』『アメイジング・バド・パウエル』が代表作とされる。が、しかし、である。この代表作って「難しい」。ジャズ初心者の時代に聴くと何が面白いのか、何が凄いのかが、さっぱり判らない。どの演奏も、録音状態もあまり良くなく、演奏は尖っていて、とっつきにくく、超絶技巧なテクニックに驚く以外、バラードも「大声で歌っている」ようで、正直「何が良いんだ」と思う。

逆に、1950年代前半以降、麻薬やアルコールなどの中毒に苦しみ、精神障害を負ったことから、50年代中期以降の衰えは著しい。よって、一般的に、ヴァーヴ時代のパウエルは、あまり聴かれることが無いし、紹介されることも少ない。

でも、これがなかなか良いんですよ。今日は、1955年04月25日録音の『Piano Interpretations』(写真左)と、1955年のセッションを集めた『The Lonely One』(写真右)を聴く。『Piano Interpretations』(写真左)のジャケットなんて、なかなかのセンスでしょ。逆に、『The Lonely One』(写真右)のジャケットはなんとなく「怖い」(笑)。

どちらも、バド・パウエルの特徴が溢れていて、実に聴き応えがある。しかも、1940年代の最盛期にビンビンに感じられた「超絶技巧が故に、冷徹さ、とっつき悪さが全面にでる」部分が、この1955年の録音では、相当に改善され、超絶技巧の度合いはちょっと落ちたが、まだまだそれでも十分に「テクニック満点」。それでいて、バラードなんどは、歌心があって、しかもタッチは硬派で引き締まっていて、それはそれは「惚れ惚れする」。

『Piano Interpretations』は「ジャケ買い」そのままに、『The Lonely One』は、ジャケット写真にビビらずに、思い切って手にとって見て下さい。買うのもなんだなあ、という方は、しっかりとしたジャズ喫茶でリクエストしてみてはいかがでしょう。

『Piano Interpretations』の最終曲「Stairway to The Stars」は、両手を使った、美しいバラードですし、『The Lonely One』の「Willow Weep for Me」や「All the Things You Are」なんかは、往年のバド・パウエルに優しい歌心が宿っていて、取っつき易くて、なかなか聴き応えがあります。

ヴァーヴ時代のバド・パウエル。ジャズ本で紹介されることは、ほとんどありませんが、「バド・パウエル」入門盤として、好盤揃いです。思い切って、聴いてみて下さい。
 
 
 
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