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2008年4月18日 (金曜日)

我が愛しのフィービー・スノウ

昨晩から、結構激しい雨。夜半過ぎには、ざあざあ音をたてて降っていたが、明け方には北風も強まって、ごうごう、ざあざあ、喧しいくらいになって、なんと朝5時過ぎに目が覚めてしまった。

通常なら「おいおい勘弁してくれよな」ってことになるが、今日は「まあ、しゃあないな」。フフッ、今日は仕事はお休み。雨が降ろうが、槍が降ろうが、今朝は通勤しなくていいので、完全な「傍観者」。朝の7時過ぎには、雨風強く、小さな台風が来たような悪天候になったけど、今日は「あ〜、これは皆、大変やなあ」と思いながら、窓の外を眺めるだけ(笑)。

今日の午前中は、強い雨風は治まること無く、ただただ、家の中でゴロゴロ。こんな激しい雨風の日は、暖かい部屋の中で、一気にボックス盤などを聴き通すなど、ゆったりとした音楽に浸りきるに限ると、午前中は、キース・ジャレットのソロ・ピアノ『サンベア・コンサート』一気聴き。1976年の日本公演のライブ、CD6枚組ボックス盤を一気に聴き通す。しみじみとして、なかなかに良い感じである。

午後からは、先週、我がMacの主力機がぶっ壊れて、ついに新機種を発注したので、新機種へ移行する為の準備と調査に明け暮れる。音楽の無い静かな環境での作業は苦手。子供の頃から、完璧な「ながら族」なので、音楽が必要。外は小やみになったとはいえ、まだ雨が続く。

う〜ん、そう、こんな雨の春の午後は「ブルース」である。それも、ライトな現代的な「ブルース」が良い。でも、そんなミュージシャンがいるのか。これがいるんですね。1970年代後半、一世を風靡した、女性ボーカリスト、フィービー・スノウです。
 

Phoebe_snow_first

フィービー・スノウは、1952年7月、NY生まれ。高校生の頃に、カントリー・ブルースやジャズなどに開眼。1972年半ば、NYのビター・エンドのアマチュア・ナイト・ショーに出た際に認められデビュー。デビュー・アルバムは、1974年6月リリースの『Phoebe Snow』(写真左)。邦題は「サンフランシスコ・ベイ・ブルース/ブルースの妖精フィービ・スノウ」だったと記憶しています。

この『Phoebe Snow』、ジャズ、カントリー、ソウル、ゴスペル、フォークなど、アメリカン・ルーツ・ミュージックの様々な音楽の要素が反映されていて、聴いていて実に楽しい。しかも、そのアメリカン・ルーツ・ミュージックの様々な要素の中で、一番全面に出てくるのがブルース。

オールド・スタイルのブルースのエッセンスがアルバム全編を覆っている、実に落ち着いた、実に渋〜いアルバムである。「San Fracisco Bay Blues」が実に良い味を出していて、この曲が、このアルバム『Phoebe Snow』のアルバム全体の雰囲気を代表しています。

良いフィーリングです。今日のような、春の雨の日にピッタリな、ウェットで感傷的、力強くて繊細な、フィービー・スノウのライトでオシャレな「ポップなブルース感覚」。

数曲でテナー・サックスを吹いているズート・シムズをはじめ、「harpo's Blues」で小粋なピアノを聴かせるテディ・ウィルソン、オルガンで参加のボブ・ジェームス、良いアクセントを添える効果的なパーカッションはラルフ・マクドナルドなど、バック・ミュージシャンもジャズ畑中心に、そうそうたるメンバーで脇を固めています。

フィービー・スノウのやや低音を効かせた、芯が強いが、優しく丸いボーカル、これがヒーリング効果抜群。しばしば、仕事の手を止めて、聴き入ってしまうほどである。

早朝、激しい雨音で叩き起こされたけれど、久しぶりの平日休み。雨を雰囲気を出来る限り楽しむために、選んだ音楽。今日はことごとく当たって、なんだか精神的に充実した平日休みになりました。
 
 
 
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コメント

懐かしいですね、「サンベアコンサート」。
発売当時、レコード買いました。
しかし、レコード故もう20年は聴いてません。
その後「テリーライリー」を聴いた時、何か近いものを感じたんですが。
その確認もあり、聴いてみたいと思うときはあるんですが、如何せんプレイヤーがないので。

ピカビアさん、こんにちは。松和のマスターです。
 
「サンベア・コンサート」は、キース・ジャレットの日本縦断
ソロ・コンサートのライブ盤で、札幌・東京・名古屋・京都・
大阪+アンコールで、構成されており、LP時代は、確か10枚組
と記憶しています。

LP時代の「サンベア・コンサート」と言えば、ラズウエル細木
の漫画に、この「サンベア・コンサート」のLP時代の堅牢な
セットケースが殺人の凶器に使われたという話があったことを
思い出しました(笑)。

CD6枚全て聴き通すと、キースとはいえ、全てが、ベスト
パフォーマンスでは無いということが判ります。しかし、
そこから、優れたインプロビゼーションを生み出す過程での
苦闘・苦難を垣間見ることができて、ドキュメントとしても
優れたライブ盤だと思います。
 

10枚組みでしたか。
自分で買ってたのに忘れていました。
兎に角高かったのは覚えています。
何故買ったのかは、今でも不思議です。
薄れた記憶を紐解くと、当時は「札幌」が好きだったような。
今聴くと、また違うんでしょうね。

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