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2008年3月14日 (金曜日)

Prestigeのコルトレーン

いやはや、凄い雨である。会社からの帰り、錦糸町辺りで、バケツをひっくり返したような「土砂降り」。そして、夜空に稲妻が走って「ドカ〜ン」。春雷である。いや〜、いよいよ春ですな〜。でも、滝の様な土砂降りは続き、停車中の電車の中まで吹き込む激しさ。ちょっと降り過ぎとちゃうか〜。

最寄りの駅に降り立った時は、ちょっと小降りに。いそいそと家路を急ぐ途中から、雨足が強くなってくる。「くそっ、追いついていきたか」。ちょっと足を速めるが、間に合わず。玄関まであと3分のところで土砂降り。最後の最後でコートが濡れた。

でも、晩ご飯食べてテレビを見ていたら、ゴ〜ッという音と共に、集中豪雨。いや〜良かった。早く帰ってきて良かった。この激しい雨では、駅から出られずに、小やみになるまで、しばらくの間、待つことになっただろう。

さて、ジャズのお話を。最近、プレスティッジ時代のジョン・コルトレーンを聴き返している。プレスティッジ時代のコルトレーンは、ハード・バップ真っ只中、彼ならではの音色と奏法を確立した時代であり、その成長と推移が手に取るように判るので、アルバムを順に聴き進めると面白い。

でも、日本のジャズ入門書で、プレスティッジ時代のコルトレーンの代表盤として紹介されるのが、「コルトレーン」(写真右)と「ソウルトレーン」(写真左)。どのジャズ入門書を見ても、判で押したように、この2枚ばかりが紹介され、絶賛される。本当にそうか?

僕の答は「ノー」。「コルトレーン」は彼の初のリーダー盤。従来のビブラートを駆使した、ウェット感と感情溢れる、官能的なテナーの音とは正反対の「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法が確認できるところが素晴らしいが、まだまだ修練の途中という感じがする。

初々しさは感じるが、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法の最高地点というには、まだまだという感じ。発展途上の魅力はあるが、コルトレーンの入門盤としては、ちょっと役不足かと思う。ベテランの方々には、コルトレーンの初々しさがたまらない名盤の一枚と言えます。

John_coltrane_prestige

「ソウルトレーン」は、ラストの「ロシアの子守唄」での「シーツ・オブ・サウンド」が、もてはやされるが、確かに、ここでの、コルトレーンの「シーツ・オブ・サウンド」奏法は完璧。でも、バックのレッド・ガーランド(p)などは、「シーツ・オブ・サウンド」を早弾きの類と勘違いして、高速ハード・バップ・フレーズを弾きまくる。これって、ガーランドの勘違い。勘違いが名演とは言えないだろう。演奏全体の「ちぐはぐ感」がどうも僕には気になる。

ハード・バップ時代のハード・バップの模範的な演奏の中で「シーツ・オブ・サウンド」が如何に異質で、如何に異端だったかを体験するには、ちょっと役不足かと思う。「ロシアの子守唄」以外の収録曲でのコルトレーンは「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法で吹き通すが、「シーツ・オブ・サウンド」は封印されている。

つまり、「ソウルトレーン」は、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法をハード・バップという枠の中で堪能することはできるが、コルトレーンの先進的な面は一部(「ロシアの子守唄」)でしか体感出来ない、なんだかお徳用盤というか、ちょっと中途半端なアルバムという印象が以前からある。この「ソウルトレーン」を代表盤として、どのジャズ入門書でも紹介されているって、なんか、ハード・バップ至上主義を感じて、ちょっと首を傾げてしまうなあ。

プレスティッジ時代のコルトレーンの諸作の価値は、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法を確認することが出来る点と、ハード・バップ時代のハード・バップの模範的な演奏の中で「シーツ・オブ・サウンド」が如何に異質で、如何に異端だったかを実体験できるところにある、と僕は思う。それを「聴いて理解する」には、いかにも『コルトレーン』と『ソウルトレーン』はちょっと役不足なのだ。

『コルトレーン』と『ソウルトレーン』以外の、プレスティッジ時代のコルトレーンのアルバムは、ジャケットデザインがいい加減だったり、収録時間がちょっと短かったりして、ちょっと手が積極的に延びない「負の雰囲気」があるんだが、気にしてはいけない。

『コルトレーン』と『ソウルトレーン』以外のアルバムの方が、「真っ直ぐ伸びてシンプルでストレート」な、コルトレーン独自の奏法と、ハード・バップ時代のハード・バップの模範的な演奏の中で「シーツ・オブ・サウンド」が如何に異質で、如何に異端だったかを実体験する事が出来たりするから面白い。

まあ、ジャズ入門書は参考にしても良いが、鵜呑みにしてはいけない、ってことでしょう。やはり、ちゃんとジャズ理論の基礎は勉強し、その上で、ちゃんと自分の耳で聴いて感じることですね。書籍上で「名盤」とされているアルバム以外に、意外とジャズの面白さが隠されていたりする。これって、ジャズを聴く面白さの一つでもあります。

「自分の耳」で聴き、「自分の心」で感じる。そして「自分の感じ方」に自信を持ち、それを大切にする。ジャズを聴き続ける上で、意外と大事なことだと思います。
 
 
 
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